チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

美術

ミスター・ポップアート!『アンディ・ウォ—ホル展 永遠の15分』

ミスター・ポップアート。我々はときに、20世紀を代表するアーティストであるアンディ・ウォ—ホルのことを、そうよびます。先日、六本木の森美術館にて、そのアンディ・ウォ—ホルの回顧展を観てきました。実は私、ウォ—ホルの作品をマトモに観たのってこれが…

夢って、意外に簡単に叶います。『ラファエル前派展』面白かった。

中学生のとき、美術の授業中に教科書をボ〜っと眺めていたら、ふと目にとまった絵がジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』でした。目にとまった瞬間、「あ、これはやばい絵だ」と思った私はその場でシャキーンと凍り付いてしまい、「これは、いつ…

絵画に隠された意図を読む

芸術作品を鑑賞するとき、必要なのは「感性」だと思いますか、それとも「知識」だと思いますか?結論からいうと、「『感性』だけでも楽しめるけど『知識』があるとなおよし、ただし『知識』だけで観るのはつまらない」といったあたりが、おそらく正解に極め…

あなたの美術の知識がどれくらいあるかを試す例題10問

美術出版社が主催している、「美術検定」という検定があります。美術作品への背景知識がどれくらいあるかをはかる、趣味検定です。出題範囲は、西洋・東洋、時代を問わず、いわゆる美術作品と呼ばれるものすべてが対象となり、幅広いです。 美術検定 私はゆ…

芸術家は露出狂

映画、美術、文学、演劇、その他何でもいいんですけど、とにかく芸術に関する批評などを書いている人がいた場合。その人は、たぶん9割くらいの確率で、「本当は自分も創作側の人間になりたかったけど、才能がなくて諦めた人」です。「才能がなくて諦めた」は…

「屏風」のカッコよさにせまる!

タダ券をもらったので、 先日横浜美術館で開催されている『横山大観展』に行ってきました。 横山大観展 ― 良き師、良き友 が、私は西洋美術脳なので、日本・東洋美術については、いまいちその魅力をよくわかっていないんじゃないかと我ながら思っているわけ…

イギリスに行ったら、ターナーがけっこう好きになっちゃった話

現在、上野にある東京都美術館にて、『ターナー展』が開催されています。12月8日までやっているようです。 http://www.turner2013-14.jp/ターナーといえば、イギリスを代表する画家です。1775年、ロンドン生まれ。 『ヴァチカンから望むローマ、ラ・フォルナ…

あなたの気になる作品があったらうれしい。私の好きな画家5選

いまさらですが、私は美術作品、とくに絵画が好きです。美術作品やそれを制作した画家についての本を読んだり、美術館へ出かけることは前々から好きでしたが、そこで感じたことを書いて発散できるブログという場を見つけて以来、美術を鑑賞することがますま…

ロンドンひとり旅 あの絵この絵に出会う、ナショナル・ギャラリー!

2日連続でロンドンを出て、郊外の町へ日帰り旅行をしてみた前回、前々回。 ロンドンひとり旅 オックスフォードへ - チェコ好きの日記 ロンドンひとり旅 ストーンヘンジと、ローマ人の温泉 - チェコ好きの日記 翌日は再び、ロンドン市内の観光にもどりました…

ソフィ・カル「最後のとき/最初のとき」

今、このブログを読んでくださっているほとんどの方は、おそらく「目が見える」人でしょう。でももしあなたが、事故や病気で、視力を失うことになってしまったら。あなたは最後に、何を見ることになると思いますか? そんな、思わず深く考え込んでしまう問い…

ピカソが“わかる”ために必要なことは2つだけ

ピカソいえば、「よくわからない絵」の代表格のようなものですよね。これはピカソの『泣く女』というタイトルの絵ですが、正直、これを見ても「???」って感じではないでしょうか。かくいう私も、実は「???」だったりします。このブログでは基本的に、…

私は孤独がお上手です

みなさんは、「孤独」という言葉を聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。 「孤独死」なんていう言葉があるように、「孤独」はつらいもの、悲しいもの、極力避けるべきもの、というイメージが強いです。したがって、「孤独」という言葉には、ポジ…

高校生のときに出会いたかった! 『ハプスブルク家12の物語』 

みなさん、高校生のとき、世界史は得意でしたか?かくいう私は、世界史大好き&割と得意なほうだったのですが、それでもやっぱり覚えにくかったのが、やたら出てくる○○1世だの○○2世だのっていう、紛らわしい人物名。たとえば、ヨーロッパ史の核であり、中世…

120%楽しむために! 26歳からの、大人の美術館のまわりかた

4月中、3つの展覧会に行ってきました。国立西洋美術館でやっている、ラファエロ展。国立西洋美術館 東京都美術館でやっている、エル・グレコ展。東京都美術館 (こちらは、現在は終了しています)そして、国立近代美術館でやっている、フランシス・ベーコン展…

アフリカを撮る セバスチャン・サルガド

私がはじめてその写真家の作品を見たのは、2007年だったと記憶しています。モノクロで、小さな瞳でこちらを見つめている、赤ん坊の写真。 でも、その小さな瞳には、表情がないのです。不思議に思って、写真の隣にあった解説を、少し読んでみました。それは、…

破天荒、波瀾万丈の画家 カラヴァッジョ

以前、イタリア旅行のエントリで、ローマ編を2回にわたって書きました。 旅をすることで人生は変わる ローマ編 その1 - チェコ好きの日記 旅をすることで人生は変わる ローマ編 その2 - チェコ好きの日記上記のエントリでは書ききれなくてふれませんでしたが…

裸ばっかり見ていると、ちょっと頭がおかしくなるという話

女性のヌード。それは、みなさんがよく知っている有名な絵画にもあるとおり、西洋美術において欠かせない重要なモチーフです。そのヌード像が、西洋美術史のなかでどのように表象されてきたかのという問題を考察した、古典的名著があります。ケネス・クラー…

富裕層の世界をのぞいてみよう|サザビーズとクリスティーズ

サザビーズと、クリスティーズ。この2つの単語をきくと、私は何だか居心地が悪く、そわそわそわそわしてきてしまうのですが、それもそのはず。この2つは、世界でもっとも有名な、オークション会社です。数々の美術品を富裕層と高値でやりとりする、アレです…

知ってる? ヴィンテージ絵本、というアナザーワールド

先日、『ボクらの時代』という、日曜朝7時からやっているフジテレビのトーク番組を見ていたとき。前後の文脈は割愛しますが、小説家の西加奈子さんが、こんな主旨のことをいっていました。 「“世界はここだけじゃない”と知っていることは、救いになる」。 (…

美術検定2012 3級に合格していた話。

先月11日、2012年の美術検定の3級を、無勉で受検したワタシ。美術検定 はたしてこれは受かるのか。 - (チェコ好き)の日記 美術検定2013 趣味検定は、長く・楽しく勉強しよう! - (チェコ好き)の日記芸術系の大学院卒なので、いくら無勉であっても、 3級ごと…

美術検定2013 趣味検定は、長く・楽しく勉強しよう!

11月11日の日曜日、2012年度の美術検定を受けてきました。美術検定とは、西洋美術・日本美術をメインに、作品や作者、歴史などについての細かい知識が問われる検定です。 以前もエントリを書いています。→美術検定 はたしてこれは受かるのか。 - (チェコ好き…

現代アートがみるみるわかるようになる、3つのポイント!

「現代アート」とよばれる、美術のジャンルがあります。こういうやつですね。これは、マルセル・デュシャンの『泉』。 男性用小便器を上向きにおいてみたという、ただそれだけの作品です。デュシャン以外にも、 アンリ・マティス、 パブロ・ピカソ、 ルネ・…

Chim↑Pom展 渋谷パルコが変!!!

渋谷のパルコ。PとCがない……と思ったら、 あった。 どこにあったかというと、パルコパート1の3Fにあった。 爆音とともに、キラキラと妖しく点滅しておりました。 ただし、あまりじっくり見ないように気を付けましょう。(下記。) ミュージアム内の展示作品の…

美術検定 はたしてこれは受かるのか。

これは何でしょう。美術検定のテキスト&問題集です。 買っちゃいました。 美術検定とは 以前から、横浜美術館のミュージアムショップにおいてある美術検定のテキストが気になっていた私。 美術検定とは何でしょう。公式サイトには、以下のように書いてあり…

どのへん?

みなさん、西洋美術に関心はおありですか?【NO】の方→そうですか……このエントリで関心を持っていただければ幸いです。 【YES】の方→どのへん? 常日頃ってほどでもないですが私が気になっていること。 それは、「みんな西洋美術は“どのへん”が好きなんだ?…

『芸術実行犯』 「わからない」神話はChim↑Pomが崩壊させる

岡本太郎の壁画に「原発」を付け足した「お騒がせ集団」「東京・渋谷駅に展示されている、故岡本太郎さんが原水爆をテーマに描いた巨大壁画≪明日の神話≫が何者かによっていたずらされていたことが警視庁などへの取材でわかった。骨組みだけの建物から黒い煙…

奈良美智:君や僕にちょっと似ている 私的鑑賞ポイント

横浜美術館で開催されている奈良美智展に行ってきました。こちらは9月23日まで。 会場は、女性やカップル、また夏休みということもあってか家族連れも多かったです。 奈良美智はポストカードやぬいぐるみ、ストラップなどのグッズが他の作家より売れるらしい…

アラブ・エクスプレス展 フラットな目線で見る。

現在、六本木ヒルズの森美術館で『アラブ・エクスプレス展』が開催されています。 期間は10月28日まで。 今回は、この展覧会についての感想を書こうと思います。以下は、展覧会概要です。森美術館のサイトより。 今、世界中で熱い注目を集めるアラブの現代美…

芸術新潮 「美女と幽霊」

中学生のとき、美術の教科書に載っていて、授業そっちのけで思わず見入ってしまった絵があります。ミレーの『オフィーリア』。歌いながら小川の中で溺死する、シェイクスピア『ハムレット』のヒロイン。彼女のかすれた歌声が耳元に響いてくるようで、中学生…

国立新美術館「エルミタージュ美術館展」の感想

六本木の国立新美術館で開催されている、「エルミタージュ美術館展」に行ってきました。月曜日に行ったのですが、平日とか関係なしに人がごった返していました。会場にいらっしゃったのは、主におじいちゃん・おばあちゃん。でも、この後に行った森美術館の…