チェコ好きの日記

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読書

綱島温泉と『つげ義春の温泉』ほか

先日、ちょっと時間が空いていたので*1、綱島温泉で開催されていたイベントに行ってきました。綱島に温泉があるなんて知らなかったです。リンク先などを読むと、どうやらサブカル好きにはたまらないディープスポットらしい。何より、下記の記事で会田誠がい…

刺激と不幸を求めてしまうのはなぜ? 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』

「なんとなく退屈だ」。これは最近の私の感想でも地方の若者の感想でも東京のOLや女子大生の感想でもなく、ドイツの哲学者マルティン・ハイデガーが「退屈の第三形式」として提示した、最も深い「退屈」の形態です。しかしそう難しく考えなくても、「なんと…

ホリー・ゴライトリーのように善きことをしたい2015年、『ティファニーで朝食を』。

あけましておめでとうございます。2015年も張り切って更新していこうと思ってますので、今年も当ブログをみなさんよろしくお願いいたします。さて、私が毎年1月1日に行なう作業といえば、愛用しているほぼ日手帳の入れ替え・予定及び目標の更新です。が、ず…

2014年に読んで良かった本ベスト7を発表します。

2014年、まだ半月くらい残っているので自分のなかでは早いかなって気もするのですが、とりあえず今年も残りわずかなことに変わりはないので、2014年に読んだ本のまとめをやろうかと思います。私は読んだ本の記録を「読書メーター - あなたの読書量をグラフで…

もうすぐ絶滅するという芸術の未来について

岡田斗司夫さんのメルマガがけっこう好きで、毎朝配信されるたびに読むのが日課になっているんですけど、今回はそのメルマガと、最近読んだ本の感想です。私が考えた「芸術」というものの未来について、ぐだぐだと語ってみようかなと思います。というわけで…

『即系物件』の感想と、都市の魔力について

『即系物件』という本を読んでみました。著者は、カリスマナンパ師であったという、サンジ氏という方。なぜ私がこの本を読んでみようと思ったのかというと、「退屈で死にそうって、この気持ち…分かる?」という表紙のインパクトがすごくて、忘れられなかった…

『レールの外ってこんな景色:若手ブロガーから見える新しい生き方』の感想

たくさんのブロガーさんの共著本である、『レールの外ってこんな景色:若手ブロガーから見える新しい生き方』という書籍を読みました。20代から30代前半までの若手ブロガーが、自身のブログを使って情報発信をすることで、既存の生き方や働き方にとらわれな…

村上隆『芸術闘争論』から転じて、文章の”圧力”の話。

先日、現代美術家の村上隆の『芸術闘争論』という本を読んだらとても面白かったよーという内容の話を先走って書いてしまったのですが、今回はこの本の感想を、もう少しがっつり書いてみようかと思います。 語らなければ、伝わらない。のか? - (チェコ好き)…

もう一度読む、村上春樹『風の歌を聴け』感想文

もはやパロディになってしまっている感のある村上春樹の小説の様々な言い回しですが、デビュー作の、それも最初の1行が、まるで彼の作品を象徴するような一節になってしまっているということは、良くも悪くもそれだけこの最初の1行が読者にあたえたインパク…

「全部信じる必要はない」を教えてくれる高城剛

私のまわりの気になる方々で、ハイパーメディアクリエイター? の高城剛氏にシンパシーを感じているらしい人が多かったので、「どれどれ」と彼の本を数冊手にとってみました。読んでみたのは、『白本』、『私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明』、『モノ…

宮台真司『愛のキャラバン』に見る、人間の2種類。

「人間は、2種類に分けることができる。○○な人間と、××な人間だ。」っていうフレーズはよく聞きますけども、私のなかで最近ヒットしたのは、『宮台真司・愛のキャラバン――恋愛砂漠を生き延びるための、たったひとつの方法』のなかで語られていた、以下の分け…

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』を読んだ

未だに電子書籍を読むのに適したタブレット端末的なものを持っていない私なんですが、その理由の1つに、「私が読みたい本の8割くらいはKindle版が出ていない」というのがあります。でもきっと、あと何年か待ったらこういう状況は改善され……というか、電子書…

『優雅な生活が最高の復讐である』にブログのサブタイトルを変えようかと思った話。

以前「退屈は人を殺す『グレート・ギャツビー』と『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』 - (チェコ好き)の日記」というエントリを書いたとき、はてなブックマークのコメントで、スコット・フィッツジェラルドのフランス時代について書かれた『優雅な…

SNSは21世紀のコーヒーハウス?

私はもともとお酒は飲めない、タバコも吸わない、その他の嗜好品の類もあまり好まず、エンドレスで麦茶かウーロン茶を飲んでいるという面白味のない人間なのですが、最近自分のまわりでにわかにコーヒーが流行り出しているようなので、その流れにのって、生…

『ここは退屈迎えに来て』ーーファスト風土の“退屈”から抜け出すには

「ファスト風土」とよばれるような土地を舞台にした話題の小説があるという話は前々から聞いていたのですが、このたび勇気を振りしぼって、山内マリコ氏の『ここは退屈迎えに来て』を読んでみました。ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)作者: 山内マリコ出版…

「いい人戦略」の「いい人」とは、偽善者のことではない。

しっきーさん(id:skky17)の以下のエントリが面白かったので、最近自分がぼんやり考えていたことなどを、メモがてら書いてみようかと思います。 「いいひと」が得をする社会になってきたのか? - 文人商売ちなみに私は、しっきーさんのエントリの元になって…

「旅で世界観が変わりました」は軽薄か? 東浩紀『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

最近出た、東浩紀さんの『弱いつながり 検索ワードを探す旅』という本を読みました。弱いつながり 検索ワードを探す旅作者: 東浩紀出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見るタイトルの「弱いつながり」…

「本好きへの100の質問」に回答してみました

「本好きへの100の質問」というのがあるらしいので、回答してみました*1。人の「本好き100質問」おもしろいー。いろんな人の回答、読み歩いてみたいなー。 / “本好きへの100の質問|あもくのガンバラヤ ルイジアナだより” http://t.co/eDpuIb6Toy— luv (@luv…

退屈は人を殺す『グレート・ギャツビー』と『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』

自分のなかで、この夏はフィッツジェラルド&サリンジャーキャンペーンをやっておりまして、積ん読本がどんどん増えていきます。フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』は、数年前に村上春樹の訳で読んだのですが、あまりピンとこなくて、そのまま放…

夢野久作『ドグラ・マグラ』のトリック解明は失敗に終わる

夢野久作の『ドグラ・マグラ』は、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、中井英夫の『虚無への供物』とならんで、日本三大奇書の1つとされています。なんでも、「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」のだとか。そういうこといわれるとワクワクし…

親より先に死にたい? 後に死にたい?

社会学者の上野千鶴子さんと古市憲寿さんの対談本『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります 僕らの介護不安に答えてください』はけっこう前に読んだんですけど、思うところあって最近再読しました。親の介護や老いと死、また自分の介護や老いと死について考えさ…

大人の「読書感想文」に必要なのは、何字?

古今東西、すぐれた古典文学は多々あるわけですが、“古典文学”というやつはどうにもこうにも効率が悪い、と思います。まず読むのに時間がかかります。頭も精神もけっこう使います。もちろんそれに費やした時間を無駄に思うことなんてないですが(むしろ、諸…

ヒマだから諸々の作品をもとに私の恋愛観の話でもしましょう

アンタの恋愛観とか興味ないよ、という声が聞こえてきそうですが、そこはまぁ、ヒマだしたまにはいいじゃないっていうアレです。突然ですが、私は恋愛モノの小説・映画って苦手なんですね。「人類とは」「戦争とは」「精神とは」みたいなでかいスケールの話…

サブカルの憂鬱『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』の感想

まわりで「面白いよ」とすすめてくれた人が多かったにも関わらず、「気分が暗くなりそうだからヤダ*1」という理由でずっと読まなかったマンガがあるのですが、先日とうとう誘惑に負けて読んでしまいました。『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバ…

スレンダーマン事件と『小さな悪の華』に見る、“少女2人”の狂信性

先日ぼ〜っとtwitterのタイムラインを眺めていたら、ちょっと衝撃的なニュースが目に飛び込んできました。スレンダーマンに命じられたと供述。不気味……。/【速報】12歳の少女がネットの噂を信じ、友達をメッタ刺し。アメリカで話題の都市伝説「スレンダーマ…

人生相談はなぜ面白いのか 「悩みのるつぼ」〜岡田斗司夫編〜

人生相談。調べたことがないのでわかりませんが、おそらくその歴史はとても古いものなのでしょう。かつてお昼にみのもんたがやっていた生電話はもちろん、キリスト教における「懺悔」も、一種の人生相談と思えなくもありません。古今東西老若男女、人は実に…

「勝負パンツ」という言葉によって認識される世界

もしかしたら今夜はあんなことやこんなことが起こるかもしれない、という期待に備えて履いて出かける、とびっきりの下着。ときに人はそれを「勝負パンツ」とよびます。そしてこんなことを考えるのは私たち日本人だけではもちろんなく、イギリス人でもアメリ…

「何でもかんでも記録」しながら、私たちは星新一ワールドに近付いていく。

佐々木俊尚さんの『簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。』を読んでもうちょっと日々の食事に気を遣おうと考えたというのもあるし、それ以外にもいろいろと思うところがあって、私のなかで5月は健康増進強化月間でした。私は、毎日のなか…

「しりあがり寿型」という働き方の可能性について考える

私はこれまでの人生で、「すごいマンガ読む期」と「ほとんどマンガ読まない期」を不定期にくり返してきた人間です。「すごい読む期」の第1次は小学生〜中学生のときで、当時はなかよし・りぼん・ジャンプなどなどのマンガが幅を利かせていました。そこから高…

奥深くも妖しい、“密教”の世界が面白い

このブログ内では何回かいっていますが、私、宗教が好きなんですよね。自分自身は何か特定の宗教を信仰しているわけではないんですが、宗教に関する本を読んだりそれに付随する美術のことを考えたりするのが好きです。西洋美術フリークなのでいちばん気にな…

つげ義春を久々に読み直したら『ねじ式』より『ある無名作家』のほうが好きになってました

先日、テレビ放送されていた『テルマエ・ロマエ』をぼ〜っと観ていたら、映画のなかに「オンドル小屋」って言葉が出てきたんですね。私のなかでは「オンドル小屋」っていったらつげ義春の『オンドル小屋』しかないわけで、映画を中断してつげ義春の短編漫画…

村上春樹『女のいない男たち』 全作品レビュー

村上春樹の短編集『女のいない男たち』、読み終わりました。告知が出た瞬間にamazonで予約し、発売日におうちに届き、1日1短編くらいのペースで読み切りました。「発売日前に予約して読む」というスタイルで最新作を読んでいるのは、私にとっては現状、村上…

G・ガルシア=マルケスに合掌 まずは『エレンディラ』を読んでみては?

先日、ノーベル賞作家のG・ガルシア=マルケスが亡くなったというニュースがかけめぐりました。 http://www.asahi.com/articles/ASG4L20YSG4LUEHF001.html ご冥福をお祈りする代わりに、今回はこのガルシア=マルケスについて、私が思うところを語ってみよう…

『失恋ショコラティエ』に見る、私的少女マンガ考

「面白い」「イライラする」「石原さとみが」などと評判になっていたので、マンガ『失恋ショコラティエ』を7巻まで読んでみました。ドラマのほうはすごいとばしながら第1話を見ただけなので、今回のエントリは基本的に原作であるマンガ版のみについて言及し…

村上春樹と宮崎駿の物語は、マニュアル化されている!?

「村上春樹のファン層と、宮崎駿のファン層って重なる気がするんだよな」と、いっていたのは、知人だったかだれだったか。前者のファンではあるけれど、後者はどちらかというとアンチに属する私は、思わず「むむむ」と反論したくなったものです。しかし、先…

映画『風の谷のナウシカ』は序章にすぎないと聞いたので、原作を読んでみました。

タイトルのままなのですが、映画『風の谷のナウシカ』は全7巻にわたる原作漫画の冒頭2巻を、原作の設定を簡略化してアニメ化したものであるという話をけっこう前に聞いたんですね。で、いつか原作を読んでみたいと思いつつズルズル来てしまったんですが、や…

あんまり手軽には読めない良書ガイドブックを5冊集めてみました

本が好きな人って、いったいどこから自分の読みたい本を見つけてくるんでしょう? もちろん人それぞれだとは思いますが、純粋な興味として、隣の人のようすはついつい気になってしまう私です。私の場合、店頭にならんでいるなかから気になるタイトルのものを…

『森と芸術』 森からやってきて、森へかえる。

あんまりおすすめはしたくない映画なのですが、ラース・フォン・トリアーが監督した『アンチクライスト』という映画があります。心に傷を負った夫婦が2人で森の奥深くへ入っていき、そこにある小屋で精神の治療を試みる……というストーリーです。詳細は、以前…

DaiGoの“メンタリズム”はなぜ当たるのか?他 森達也『オカルト』感想

前から気になっていた森達也の『オカルト』を、やっと読むことができました。なかなか面白い本だったので、感想を書いてみます。オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ作者: 森達也出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 201…

「おとぎ話」の作者はだれなのか?

おとぎ話……西洋ふうにいえばメルヘン、またはフェアリーテール(妖精物語)といったりもします。今回、その「おとぎ話」をテーマにエントリを書くにあたって、「メルヘン」をウィキペディアで調べてみました。いわく、主人公がもともとその世界の住人であるも…

これが最強の鬱マンガ 山田花子『神の悪フザケ』

私が山田花子というカルト漫画家の存在を知ったきっかけは、学生時代に読んだ『完全自殺マニュアル』という本でした。幸い私はこれまでの人生で本気で自殺を考えたことはないのですが、当時なぜ私がこの本を手にとったのかというと、一言でいえばサブカルク…

カルト宗教とか、亡命とか 村上春樹『雑文集』の感想

村上春樹の『雑文集』を読みました。良くも悪くも有名なエルサレム賞受賞のあいさつ『壁と卵』も収録されている、往年の村上春樹のスピーチ原稿や雑誌のエッセイなどを集めた、その名のとおり「雑文」集です。村上春樹 雑文集作者: 村上春樹出版社/メーカー:…

『5年後、メディアは稼げるか?』の時代に求められる、教養とは。

「教養」という言葉は、私はあまり好きではありません。辞書には一応それらしき定義はのっているけれど、人によってその意味するところが若干異なったりするので、非常に使いにくい言葉であるというのが理由の1つです。あと、インテリ野郎がメガネをクイクイ…

二村ヒトシ『すべてはモテるためである』を読んでみた感想

すでにあちこちで評判になっている本だと思うのですが、AV監督である二村ヒトシさんの『すべてはモテるためである』を読んでみました。二村さんが「モテない男性」のために書いた、恋愛マニュアル本です。すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)作者: 二村…

極私的西村賢太論、あるいは文学の力について

以前私は『村上春樹の「好き」「嫌い」はどこで分かれるのか? に関する一考察 - (チェコ好き)の日記』というエントリを書いたのですが、そのなかで村上春樹と対比する作家として例に出したのが、西村賢太でした。そこでは、こんなふうに書いています。 でも…

おいしい書評の書き方

私はよくこのブログで、書評のような感想文のような、得体の知れないものを書いています。*1そんな中で先日、内田樹の『村上春樹にご用心』を読んでいる途中で、書評に関して「おお、これだ!」と思う表現に出会いました。孫引きになりますが、ちょっと引用…

村上春樹の「好き」「嫌い」はどこで分かれるのか? に関する一考察

「村上春樹の小説がどうも好かん」という方に、たまに出くわします。一方私は、けっこうな村上ファンです。長編小説はすべて読んでおり、短編小説も一部をのぞいてほとんど読んでいます。エッセイもたくさん持っています。ただし、村上ファンであることを公…

食欲の秋なので……ハプスブルク家の人の食卓をのぞいてみた。

昔の人々の食卓のようすを眺めるのって楽しいですよね。小中学生のとき、社会科の資料集に載っている「縄文時代の人々の食事」とか「平安時代の貴族の食事」を、食い入るように見つめていた私です。昔の人々は、今の私たちと同じようなものを食べていること…

やっぱり田所さんは必要だ 

本日は短めです。今はあまり読んでいないのですが、私は一時期、よしもとばななの小説をけっこう集中的に読んでいたことがありました。ブログでも、その時期に読んだ何冊かの本を紹介しています。 疲弊したココロと体に、よしもとばなな傑作5選。 - (チェコ…

「正直、人生ちょっと後悔してる」そんなあなたが読むべき本はこの1冊!

突然ですが、2013年のほぼ日手帳には、3月18日のページに、こんなことが書いてあります。2013年のほぼ日を持っている人は、ぜひ手に取って確認してみてください。 中学校を卒業するにあたって、小学校の時お世話になった先生方から ビデオレターを頂いた時、…