チェコ好きの日記

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イギリスに行ったら、ターナーがけっこう好きになっちゃった話

現在、上野にある東京都美術館にて、『ターナー展』が開催されています。12月8日までやっているようです。
http://www.turner2013-14.jp/

ターナーといえば、イギリスを代表する画家です。1775年、ロンドン生まれ。
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『ヴァチカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ

しかし、私はどちらかというと劇的なやつとか派手なやつとか珍妙なやつとか、どうしても「キワモノ」好きなところがあるため、ターナーの作品にはこれまであまり関心をはらってきませんでした。

参考:あなたの気になる作品があったらうれしい。私の好きな画家5選 - チェコ好きの日記

が、この夏にロンドンに旅行に行き、テート・ブリテンやナショナル・ギャラリーでターナーの作品ばかり観ていたら、自然と「そう悪くないかも?」と思うようになり、東京都美術館にも足を運び、あれよあれよといううちに「何となく好きかも」レベルの画家に昇格してしまいました。

これは「接触回数を増やすと好きになっちゃう」みたいな、たまに見る恋愛の理論と同じです。たぶん。

しかしやはり、ターナーの作品も、画家としての人生も、私の好きな「キワモノ」たちに比べると少々地味です。親に捨てられたとか、殺人を犯して指名手配されたとか、ゴッホとケンカしてタヒチに逃げたとか、そもそも謎に包まれているとか、そういう目立ったエピソードは見当たりません。26歳で、当時の英国で絶対的な権威を誇っていたというロイヤル・アカデミー(王立芸術院)の正会員になっています。

まぁ、何はともあれ作品です。私がいいなぁと思うのは、ターナーの絵画に描かれる「」です。
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これは『レグルス』という作品です。伝説によると、古代ローマの将軍レグルスは、第一次ポエニ戦争の際にカルタゴの捕虜になり、暗い地下牢に閉じ込められ、瞼を切り取られたんだとか。その後、牢獄から引きずり出され、陽光に当たって失明したといいます。

ターナーは、息を引きとる際に「太陽は神である」という一言を遺したという逸話があるそうですが、逸話にすぎないにしても、それくらいの印象をまわりにあたえる画家だった、ということでしょう。

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『湖に沈む夕陽』

若い頃はけっこう細部を描きこんでいますが、晩年になるにつれ、「光」のみに焦点を当てて描くようになっていく過程が、ターナー展ではよくわかります。上の『湖に沈む夕陽』は、70歳頃の作品だそうです。

そしてこれが、のちのモネの『印象・日の出』につながるんですね。細部を描かず、光のみをとらえて描く。印象派の誕生というわけです。
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『印象・日の出』クロード・モネ

まとめ

特にまとめることもないのですが、ようは何が言いたかったのかというと、
接触回数を増やすと好きになっちゃう
と、いうことです。地味だ地味だと思っていたターナーが、だんだん粋でカッコいい画家に思えてきました。


あと、ものすごい余談ですが、テート・ブリテンにあったジョン・アトキン・グリムショーという人の作品を、ターナーのものとまちがえてました。でもこの絵が超好き。よく考えたら、ターナーは街の風景は描かないなぁ。
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『ハンバーの港、ハル』