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【NYひとり旅/7】チェルシーでギャラリーをめぐろう!

まだまだ旅行記です。もう7記事目なので、ようやく終わりが見えかけてきました。逆にいうと、まだ終わりが“見えかけている”だけ、ということでもあります。

※1記事目

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観光3日目のこの日は、マンハッタンのチェルシー地区で、現代アートのギャラリーをめぐりました。

ギャラリー密集地区のチェルシー

ニューヨークのマンハッタンは、北側のアップタウン、真ん中のミッドタウン、南側のダウンタウンに分かれているんですけど、ざっくりいうと、「真ん中」に行けば行くほどお金持ちが多くなり、端に行けば行くほど治安が悪くなるようです。現代アートを買うなんて人は当たり前だけどお金持ちなわけで、ニューヨークのギャラリーも始めは、セントラルパークの近く、アッパー・イースト・サイドあたりに集中することが多かったんだとか(ちなみに、旅行中私を泊めてくれたホストの家があったのはこのアッパー・イースト・サイドだ!)。

だけど1960年代になり、アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインのアートが台頭するようになると、そういった“前衛的すぎる”作品はお金持ちエリアに展示できず、ダウンタウンのほうに下っていきます。ギャラリー経営者たちはそこで新しソーホーというエリアに目をつけ、工場の跡を展示場に改造し、ソーホーを一躍、ギャラリー街として変貌させます。

Andy Warhol (MOMA Artist Series)

しかし、ギャラリーができて人が集まり、レストランやブティックができると、今度は家賃が高騰します。おまけに1980年代にはエイズが流行し、アーティストやギャラリー経営者が次々に病に倒れていきました。そこで、生き残った経営者たちが最後に目をつけたのがこのチェルシー地区だった、という話なんだそうですが、今はこの流れが橋をわたって、ブルックリンのほうまで来ていますね。ブルックリンも今家賃が高騰しているようなので、アーティストやギャラリー経営者は、常に新天地を求めて右往左往しているのかもしれません。しかしピーク時より減ったとはいえ、チェルシーには今でも205軒ものギャラリーが集結しているらしい。まさに世界のアートの中心部なのです。

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というわけでチェルシーですが、この地区は本当にびっくりするくらいの有名ギャラリーが隣同士とかに並んでいて、「こことここが隣っていいの? 本当にいいの?」みたいなかんじだったんですが、密集しているということはまわりやすいということであって、観光客としてはありがたいですね。日本のギャラリーみたいに「お金持ち以外お断り」みたいな雰囲気が一切なく、気軽にフラっと入れるところが良かったです。

まずは、マシュー・マークス

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マシュー・マークスは、星条旗を模した作品などで知られているジャスパー・ジョーンズなどが展示アーティストとして有名です。ちなみに、以下の作品「Flag. (1954–55 )」は、現在MoMAに展示されています。
ポスター ジャスパー ジョーンズ Flag 1954

なかはこんなかんじ。

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アーティスト情報をもらってくるのを忘れてしまったのでだれの作品なのかよくわからないのですが、室内は広々としていて作品鑑賞だけに集中でき、光の取り入れ方なども美しいです。

続いて、マシュー・マークスから徒歩100mくらいのところにあるガゴシアン・ギャラリー。……なんですが、この日は臨時休廊ということで、別館? のほうまで足を運びました。

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この日は、Nancy Rubinsというアーティストの「Our Friend Fluid Metal」という作品が展示されていました。

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細かい作品評などは割愛しますが、これだけの規模の作品を、贅沢にスペースを使って展示できるというのがすごい。東京ではなかなかお目にかかれない展示です。

他にも数カ所まわったのですが、最後がここ、デヴィッド・ツヴィルナー。

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なかの様子はこんなかんじ。この日は、何人かのアーティストの作品を集めて「Paintings on Paper」という展示をやっていました。

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デヴィッド・ツヴィルナーは2013年の2月に5階建ての新ビルを構えたばかりということなのですが、こんなふうに、ギャラリーというより美術館といって差し支えない規模・展示方法で展開しているのが、ニューヨークのギャラリーの特徴のようです。

プロ野球球団よりも現代美術

日本で急成長を遂げた企業は、プロ野球の球団やサッカーチームのスポンサーになったりするのが、まだまだ一般的であるように思います。しかし今後は日本でも、成功した企業は現代美術のコレクションを始めるーーなんていうほうが一般的になる日が、やってくるかもしれません。少なくともニューヨークでは、そういった企業のほうが知的であり、時代の先端を走っていると見なされるようです。ファーストリテイリング社長の柳井正氏は近現代美術のコレクターとして有名ですが、そういった経営者が日本でももっと増えてくるかもしれないですね。

アートに市場経済を持ち込み“すぎる”ことが良いことなのか悪いことなのか、私にはまだちょっと分かりかねる部分があります。しかし身も蓋もない話をすると、やっぱりお金が動くと人も動くわけです。ニューヨークのチェルシー地区にある1つ1つのギャラリーは、どこも本当にスマートでクールで、活気がありました。


ところで、私はこの後MoMAに向かったのですが、ギャラリー見学を終えてチェルシーをふらふら歩いていると、飛行機雲が。

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文字が書いてある!

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すぐ消えてしまったので何て書いてあったのかよくわからなかったのですが、チェルシーが大好きになった一瞬でした。

旅行記はまだ続きます。

★今回の参考文献★

ニューヨーク美術案内 (光文社新書)

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ニューヨーク美術案内 (光文社新書)

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