チェコ好きの日記

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『レールの外ってこんな景色:若手ブロガーから見える新しい生き方』の感想

たくさんのブロガーさんの共著本である、『レールの外ってこんな景色:若手ブロガーから見える新しい生き方』という書籍を読みました。20代から30代前半までの若手ブロガーが、自身のブログを使って情報発信をすることで、既存の生き方や働き方にとらわれない新しい生き方を提示する、みたいな内容の本です。

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方

ついでにいうと、先日11/24(月)にロフトワークで開催されたトークイベントにも行ってきたので、それも含めての感想を書こうと思います。

匿名で質問すればよかった

まず、「いきなり何なのその感想……」というかんじですが、本書には私の「チェコ好き」という名前が出てきます。なぜかというと、本書が出版される前、各ブロガーさんがそれぞれのブログで、書籍のなかで回答する「質問」を募集していたからですね。で、匿名で質問もできたのですが、私もいちおうブロガーではあるので、まぁいっかとあまり深く考えずに名前を出して質問してしまったのでした。

が、できあがった書籍から改めて「チェコ好き」という名前を見ると、いや私が妙なハンドルネームを名乗るからいけないんですが、これがとっても恥ずかしい。匿名で質問すればよかった……とか思いましたが、みなさん真面目に回答してくださってとても嬉しかったです。ありがとうございました。私がどんな質問をしたか気になる方は、本書で探してみてくださいね。

「ほんのちょっと、5%だけ外れてみよう」

もう少し真面目に感想を書くと、私が本書でいちばん印象に残ったのは、池田仮名(id:bulldra)さんの章「ほんのちょっと、5%だけ外れてみよう」でした。ブログで主な生計を立てているプロブロガーのイケダハヤトさんもコメントしていましたが、池田仮名さんは本書の執筆陣のなかでは少々異色の存在です。他の方が会社を辞めてドロップアウトしたり、フリーランスになったり起業したりしているのに対して1人だけ会社員でいらっしゃるという点もそうだし、あとは他の方がキラキラした、意識の高いメッセージを発しているのに対して、池田さんは「意識の低いブログ運営」について語られています。

私自身の話をすると、自分は「意識が高かったり低かったりする人間」だと思っていて、妙なところでテンションが高かったり、あるいは意味不明なところでテンションが低かったりします。で、世の多数派を占めるのは、きっと私みたいな人間なんじゃないかなぁと思うんですね。意識の高い人をただバカにするのはアホらしいと思うけど、自分はいつもキラキラできるわけじゃない。なので、「新しい生き方」のような、ともすればキラキラしすぎて「まぶしすぎ」になってしまいがちな本書が掲げるテーマのなかで、1人「意識の低いブログ運営」について語る池田仮名さんがいたことで、私はこの本がとてもバランスのとれたものに仕上がっているようにかんじました。なんというか、「ブロガーにもいろいろいますからね」ってかんじでしょうか。キラキラしたことを発信していくだけが「情報発信」ではないですからね。

池田さんは本書で、「ブログは人生にほとんど影響しない」あるいは「ほんのちょっと、5%くらいなら影響する」といった、何やら村上春樹的なことを書かれています。きっとこの配合は、ブログを書く人が、各々で考えていかなければならないことだし、各々で決めていかなければならないことなのでしょう(池田さんもそのつもりでおっしゃってるんだと思いますが)。100%全力でF1レースに出てもいいし、5%のなかでミニ四駆を走らせてもいいのです*1。そういう意味では、自分のこれまでの経験と照らし合わせてみても、「ブログで人生が変わるよ」も真実だし、「ブログで人生なんて変わらないよ」もまた真実です。

ブログに書かないこと、書けないこと

話は変わって、11/24(月)に、本書の執筆陣のうち4名(けいろーさん、スズキタクさん、鳥井弘文さん、下津曲浩さん)によって開催されたトークイベントに行ってきてみました。こちらのイベントは、会場の方からのリクエストに応えたり、Q&A方式で進んだりと、「双方向」を意識された構成になっていました。

そのなかで印象に残ったのは、会場の方による「ブログに書かない・書けないことは?」という質問に対する、みなさんの回答でした。

私も、人の悪口やゴシップ、ネガティブなことや個人的な愚痴はこのブログ、あるいはこのブログと紐付いているTwitter*2では吐かないようにしていて、以前その心構えについて、1エントリ割いて語ったこともあります。

この方針はもちろん今でも変わっていないのですが、当たり前だけれど私たちは人間なので、愚痴をいいたいときもあるし、高尚なことも下衆なことも、同じ脳みそを使って考えているんですよね。

なので、ときにはあえて、そんな自分ルールを逸脱してみるっていうのもアリなのかなぁなんて、また天邪鬼なことを考えてしまいました。いつもはポジティブだけどたまにものすごいエグい話をすることがある、みたいな人になると、本当の「その人らしさ」が出てくるのかなぁなんて。あくまで私見ですが。

参考:その人“らしさ”とはどこから来るのだろう? | 隠居系男子

若干話は変わるのですが、私はとにかく、エネルギー値の高い人、文章が好きなようです。今回トークイベントを開催された4名はみなさん「正の方向」にエネルギー値の高い方ですが、「負の方向」にエネルギー値が高い人も私は好きで、「この貯金が尽きたら自殺する」と宣言して、自殺する日までの日常をひたすら書き綴っているブログとか、過去に好きで読んでいましたね。その方のブログは、最後のエントリが「これから樹海に行きます」みたいな一文で終わってるんですけど、フィクションであればいいともちろん思っているし、実際はその後どうなったのかはわかりません。「好き」というとやや語弊があるかもしれませんが、やはり生死をかけて圧倒的なエネルギー値で綴られる文章には、強く心惹かれるものがありました。

私はブロガーとしてたいした成果をあげているわけではないですが、もしこれから「ブログを始めてみようかな」と思っている人がいたら、私が助言したいのは、「ポジティブだろうがネガティブだろうがどうでもいい、とにかくあなたが圧倒的なエネルギーを注げることについて書け」ということでしょうか。というと私が共感した、池田仮名さんの「意識の低いブログ運営」と矛盾してしまうようですが、もともとのエネルギー値が高ければ意識低いブログ運営でも十分に読者の心をとらえるブログは作れるし、逆にいうともともとのエネルギー値が低いと、どんなに意識高くブログを運営しても、読む人の心はつかめないということです。

★★★

いつものように、書評とイベントレポートに見せかけた持論展開になってしまいましたが、ブログを書いている人、書きたいと思っている人、起業や独立を目指している若い方は興味深く読めるのではないでしょうか。おすすめです。

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方

レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方