チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

いちばん嬉しい褒め言葉

頭の回転が速いよね」という褒め言葉をいただくことに、昔から憧れておりました。

しかし実際はというと、もう生まれてから27年以上の年月が流れている私ですが、悲しいことに上記の褒め言葉を頂戴したことは人生で1回もないですね。このままどうにか頭をフル回転させて、30代に突入する前に夢を実現させるという方法もなくはないですが、私は基本的に「20歳を過ぎたら人間は本質的には変われない」という考え方をしているので、ちょっとあきらめモードです。

なのでこれからは、積極的に「頭の回転が遅い人」として生きていくしかない。私は機転が利くほうではないので、それよりは観察眼とかをきたえて、持久戦に持ち込む方向でやっていくしかないということです。

同類の方がいたら、一緒に頑張りましょう。

いちばん嬉しい褒め言葉

「ヌカみそも脳みそも始終かきまわしてなきゃダメなのよ」
「そう、ヌカみそくさくなるとたいてい、脳の中身も腐り始めるのね」
「他人事じゃないわよ、私たちだってなんとなく反応が鈍くなった感じ」……と一同シュンとして反省したものだ。
 そして、「もっとひんぱんに会おうよ、しゃべろうよ」
「そうよ、手遅れにならないうちから不断のブレーン・ストーミングが必要なんだわ」
ということで意見が一致し、万障繰り合わせてパーティに呼び合い応じ合うことを誓ったのである。

聡明な女は料理がうまい 』 p87

いろいろな方と話をしていると、だいたい90%くらいの人は、だれかを友人や恋人として見るときに、「頭の悪い人はイヤ」っていうんですよね。そりゃそうだという話で、頭の悪い人のほうが人として好き、なんていう人は少数派ですよね。「ちょっとバカなくらいがいい」とかいってる人がいたら、それこそどうなのって思いますもんね。

しかし上記にあるとおり、頭の回転が速くなく、機転も利かない私としては「頭の悪い人はイヤ」といわれるとちょっとドキドキしてしまうところがあります。役に立ちそうもないどうでもいい知識は両手いっぱいに抱え込んでいる私ですが、一般常識が欠けていたりするし、いつもボーっとしているのでなんかこう、スマートな振る舞いができなかったりします。ま、とりあえず自分の脳みそに関しては、頻繁にかきまわしているつもりではあるのですが、いつも「大丈夫かこいつ」と我ながら思っているということです。


そんなわけで、自分の性質上、「頭の回転が速いよね」という褒め言葉を頂戴することは今年を境にあきらめようと決心したわけですが、代わりに、今までいわれていちばん嬉しかった褒め言葉って何だったろうなあと思い返してみたところ、これは「あなたのユーモアはウィットに富んでる」でしたね。といっても1回しかいわれたことないのですが、1回もいわれたことがないのと1回だけでもいわれたことがあるのとでは大きな断絶があると考えられるため、より可能性の高いほうをめざしていこうというわけです。なので、今後の人生においては、「ウィットに富んでる」をいっぱい集めていきたいです。小学生のときから、ブラックユーモアっぽいのが好きだったんですよね(そういうことじゃない)。

ウィットに富んだ言い訳

上記で引用した『聡明な女は料理がうまい』という本ですが、こちらはひと昔前のベストセラーだということで、本のなかに「ウーマン・リブ」という言葉が出てきたりして、なかなか時代をかんじさせます。しかし、本質的な内容としては普遍的な要素が多く、なかなか面白かったです。

こちらの本でいちばん印象に残ったのは、「そんなとこが残ってどうするんだよ」といいたくなるところではあるのですが、著者の桐島さんが100グラム1200円のバカ高い牛肉を前にしていうちょっとした「言い訳」です。桐島さんのアメリカ人の友人は、日本の高い牛肉を見ると「イッツ・インサルト・サムワンス・インテリジェンス」というそうですが、これを彼女は「人間の知性を侮辱している」と訳すわけですね。

自分の給料ではちょっと買えないような値段の高いものを前にしたとき、それは本当にその値段相応の価値があるものなのか、と問うてみることはとても大切です。それでまあ、買う価値があると確信できるなら素直に買えばいいのですが、その価値が確信できないとき、そこでその商品を買えない自分を嘆いたり憐れんだりするのではなく、「これは人間の知性を侮辱している!」と高らかに宣言して去っていく、というのは非常にかっこいいので、今度から私も使おうと思ったのでした。なかなかいい言い訳だと思いませんか*1


以上の内容をまとめますと、「20歳を過ぎた人間はもう本質的には変われない」ので、これから自分にない新しい何かを獲得しようと思っている人は潔くあきらめて、いまある材料を使いまわそうということですね。料理の本を題材にしていたせいか、本当に料理の話みたいになってきました。

みなさんのいちばん嬉しかった褒め言葉は、なんでしょう。

*1:反論されると困る