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チェコ好きの日記

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【中東旅行記/6】イスラエル、エルサレムとテルアビブ

旅行記の続きです。今回と、次回のパレスチナ自治区編と、最後のアテネ編で旅行記は終わります。前回分は以下。

aniram-czech.hatenablog.com

イスラエルは、今回の旅行のメインとして考えていた場所でした。が、みなさんご存知のとおり、イスラエルは現在でもいろいろな意味でトラブルが絶えません。だいたい週1くらいで、エルサレムやテルアビブなどで起きたテロを報じるニュースを国際面で目にする気がします。よく、銃が乱射されたりバスがガス爆発されたりしています。私が行ったときも、エルサレムで発砲事件と刺傷事件があって、ちょっと肝が冷えました。

イスラエル旅行の安全性

というわけで、隣国ヨルダンからバスでイスラエルへ入ったのですが、噂には聞いていたものの入国手続きはけっこう骨が折れました。「何しに来た」「どこに泊まる」「いつ出国する」「帰りの飛行機の予約表見せろ」などなどいろいろなことを聞かれ、さらになんかめっちゃ待たされました。それも「少々お待ち下さい」というかんじではなく、「お前、そこから動くな」みたいなかんじで。

おそらく多くの人は、イスラエルに旅行と聞くと安全性をすごく気にすると思います。私も旅行前、外務省のサイトを毎日張り付くように見ていました。だけど先ほどの話を覆すようですが、実際に行ってみた感想としては、テロさえ起きなければ治安はめちゃくちゃいいです。中東と聞くとなんか未開社会みたいなのを連想する人もいるかもしれませんが、エルサレムやテルアビブといった大都市は、東京と比べても見劣りしないくらい近代的できれい。道に迷ってしまったら、街の人に尋ねれば親切に教えてくれます。もちろん、その後にお金をせびられたりしません。日本人と同じです。

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エルサレムの新市街の風景

もちろん旅行者として最低限の注意は払っていないとダメだけど、スリとか強盗とか女性のレイプ被害とかは、よっぽどハメを外した行動をとらない限りないんじゃないでしょうか。つまり、ロンドンとかパリとか、ヨーロッパの主要都市くらいの治安レベルだと思ってもらっていいと思います。街の雰囲気としては、モロッコとかヨルダンのほうがよっぽど怖いです。

なので旅行者としては、入国手続きで多少手こずるということ、現地で予定を決めないで宿と帰りの交通手段は事前に決めていったほうがいいということ(入国の際に不審がられるから)、ニュースをよく見てテロ情報に注意すること、この3つを覚えておけば大丈夫だと思います。

もっとも最後のは、テロはいつどこで起きるかわからないので、注意しろといっても注意しようがないのですが、情報はないよりあるほうがいいでしょう。エルサレムでは、旧市街と新市街の境界である門付近、特にダマスカス門の近くはよくテロが起きていました。気を付けましょう。

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ダマスカス門前、ライフルを持って警備にあたる兵士の方々

聖墳墓教会に行ってみよう

危険とされている門付近にはあまり近付きたくないものの、キリスト教の聖地である聖墳墓教会ユダヤ教の聖地である嘆きの壁イスラム教の聖地である神殿の丘(岩のドーム)はどれも門をくぐった旧市街のなかにあるので、まあ通らざるを得ません。なので通ります。門をくぐって進むと、モロッコにあったスーク(商店街)みたいなのが続きます。

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観光客いっぱい

地図を見ながら、イエス・キリストが十字架を担いで歩いたというヴィア・ドロローサをたどり、磔にされたといわれているゴルゴダの丘の跡地に建っている聖墳墓教会に行きます。

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なかは暗いです。ロウソクの火がぼおっと灯っているかんじです。あとガチでガチの神聖な場所なので、女性はだいたいスカーフやベールを頭に巻いています。私はクリスチャンではないのでニット帽で失礼しましたが、「なんかすいません」感がハンパなかったです。

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嘆きの壁に行ってみよう

エルサレムといえばここ(の写真が使われることが多い)、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」。聖墳墓教会から歩いて15分(もっと短いかも)で行けますが、途中どのルートを通っても手荷物チェックのゲートをくぐらないといけません。

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左側は男性エリア、右側は女性エリア。最初、異教徒は入れないのかと思って遠くから眺めていましたが、そんなこともないらしいので女性エリアに入ってみました。

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いちばん上の写真と天候がちがうのは別の日に撮ったせいです。

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神殿の丘(岩のドーム)に行ってみよう

3つの聖地のなかでいちばんピリピリしていていちばん厳戒態勢なのがここ。実際に行ってみるとわかりますが、嘆きの壁のすぐ裏にあります。見学は時間制限付きで、私が行ったときは午前10時でクローズしていました。

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3つの聖地、けっこうゆっくりまわっても半日で観光が終わるような近距離です。そして、聖地にそってキリスト教徒の居住区とユダヤ教徒の居住区とイスラム教徒の居住区が分かれています。こんな近距離に異なる宗教の聖地があって混乱しないのだろうか。とりあえず、浅い感想をいうと「うわ、世界史でやったやつ本当にあるんだ」と思いました。

【番外編】テルアビブにも行ってみよう

エルサレムは他にヤド・ヴァシェム(ホロコースト博物館)や、イエスがイスカリオテのユダに裏切られて捕まったゲッセマネの園などを見に行きました。イスラエル最終日は飛行機に乗るため、1972年に日本赤軍が銃を乱射したベン・グリオン空港へ。飛行機まで時間があったので、テルアビブにあった美術館に行きました。

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館内は撮影自由です。ゴッホやモネのような印象派から、ジャクソン・ポロックマックス・エルンストハンス・ベルメールアイ・ウェイウェイまで、コレクションの幅が広かったです。

ハニ・アブ・アサド監督という人が作った『パラダイス・ナウ [DVD]』という映画があって、その映画には、パレスチナ人の主人公がテルアビブのバスで自爆テロを起こすシーンがあります。イスラエルではライフルを持った若い兵士がフツーにひょこっとバスに乗ってぺちゃくちゃおしゃべりしているんですけど、映画のなかのバス内の映像が、私が旅行で見た光景とそっくりでした。だから映画のなかの自爆テロのシーンは、けっこう身に迫るものがあり見ていて辛かったです。

おそらく今このブログを読んでいる人で、銃を所持している人はいないと思います。大麻を所持している人もいないんじゃないかな。だけど、私が、あなたが、今銃を所持せずにいられるのは、麻薬に頼らずに日常生活を送れるのは、私やあなたの意志の力ではありません。たまたま日本の、この時代に生まれたから、偶然そうなっているだけです。つまり、銃を所持せず、大麻を吸わず、人を殺さず、戦争に反対できるのは、人間の本質ではないということです。だとしたら、人間の本質とはなんなのか。私やあなたのしている仕事は尊くて、麻薬の売買や売春の斡旋、スラムでのゴミ拾いなどの仕事は汚いのか。善と悪はどこにあるのか。……だいぶ話が大きくなってまいりましたが、なんか私は、そういうことを考えるのがけっこう好きです。