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チェコ好きの日記

旅 読書 アート いいものいっぱい 毎日楽しい

【3】ウォレス線をこえて、バックパッカー・アイランド

バリ島旅行記の続き。

【2】私は島とセックスできただろうか? - チェコ好きの日記

バリ島を歩いていると、ここでは神様を信じることが、とても自然なことなんだとわかる。バリ島というか、インドネシアでは全体としても多くの人が何らかの宗教を信仰していて、「自分は無宗教だ」というと無神論者すなわち共産主義者だと思われてしまうこともあるらしい。……と、いう話を聞いていたので、私は「あなたの宗教は?」とたずねてきた幾人かのバリ人・インドネシア人に、ひたすら「仏教」と答えていた。だけどもちろん、本当は仏教のことなんて何も知らない。

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バリの人は、とても自然に祈る。そばで観光客が写真を撮っていようが、外からちらちら見ていようが、特に気負いなく神に祈る。当たり前のように観光客がうじゃうじゃいるこの島では、そんなのにいちいち構ってたんじゃオチオチ生活もできないというのもあるんだろうが、神に祈っている人というのが私はどうも好きみたいだ。

はじめて、信仰を持つことを羨ましいと思った。神様がいる世界にとても自然に馴染んでいけた彼らを、羨ましいと思った。私が今ここから何かの宗教を信じることは、かなり不自然なことになるからやらない。そうではなくて、何かを信じるという環境を、生まれながらに用意されていたことを羨ましく思った。

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あとは、物売りの子供がまあよく語学ができる。もちろん使える単語は値段交渉ができるシーンに限られてはいるのだろうが、それにしたって日本語も英語もフランス語もペラペラしゃべる。「あの子ら、ああ見えて七ヶ国語くらいできるんだ」とワヤンさんがいう。私も、つい先延ばしにしているが、どこかで語学は本気でやらなければいけない気がする……英語もロクにできないうちから欲張るのは滑稽かもしれないが、もっといろいろな言葉がわかるようになりたいと思う。アラビア語とかわかったらかっこいい。

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バリ島観光は実はここまでで、翌日から私は、フェリーでこの島を離れ、ギリ・アイルという島、それからロンボクという島を訪れてみることにした。船の予約はインターネットでできて、値段は片道四千円から七千円くらい。ちなみにこれらの島については、高城剛の本に少しだけ記述がある。ギリ・アイルは「ギリ三島」とよばれる三つの島の中の1つで、仲間とはしゃぐパーティー・アイランド「ギリ・トラワンガン」、カップルで行くハネムーン・アイランド「ギリ・メノ」とならび、バックパッカー・アイランド」とよばれている。要するに、独り身の島である。

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予想はしていたが、フェリーに乗り込んだアジア人は私1人で、他はみんな欧米人だった。私はバリ島からギリ・アイルまでの片道チケットをネットで予約し、その後ギリ・アイルからロンボクへ、そしてロンボクの空港からジャカルタに飛ぶことにした。

で、上でもいっているように、このギリ・アイルは徒歩一時間くらいで一周できてしまう本当に小さな小さな島である。だから車がない……というか必要なく、移動は基本的に徒歩、現地の人は自転車、重いものを運びたいときは馬車、みたいになっている。車がないせいか空気がきれいで、そしてはてしなくのんびりした雰囲気の島である。

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そして、ここからはちょっとマニアックな話になるのだけど(興奮)、バリ島とロンボク島の間には、実はウォレス線という、生物分布境界線が存在する。どういうことかというと、このウォレス線によって、生物の分布が東洋区(バリ側)とオーストラリア区(ロンボク側)で分断されているのだ。生物や植物の雰囲気が、どことなく変わる。そして面白いことに、宗教も変わる。バリはヒンドゥー教だが、ギリ三島やロンボクはイスラム教だ。船で二時間という距離しか離れていないのに。それで、バリ島のちょっと下にあるレンボンガン島という島もたぶん東洋区なのだけど、ここもどうやらバリ・ヒンドゥーの島。つまり、この生物分布境界線が宗教分布も変えている*1。この話めちゃくちゃ面白くないですか?

というわけで、ギリ・アイルに着いてからは懐かしの、アザーンが聞こえてきた。アザーンイスラム教のお祈りの合図の放送で、私はモロッコと、ヨルダンと、イスラエルでこれを聞いたことがある。女性はヒジャーブをかぶっている。ここはもう、イスラムの世界だ。

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次回へ続く

*1:このあたりについて研究した書籍はないのだろうか。知っている人がいたらご一報ください。海外文献でも英語なら頑張って読みます