チェコ好きの日記

だいたい木曜日の22時に更新されるブログ

トントン拍子に進むことは幸先がいい

昨年の秋、ものすごく落ち込むことがあって、「ちくしょう、もう全部どうでもいいや。全部どうでもいいから、私が今行ける場所でもっとも遠いところまで行こう……」と思い立ち、決心したのがアルゼンチンへの旅だった。今ここが「日本・東京」だとすると、もっとも遠いところ=地球の裏側=どっかの海になるのだけど、まあさすがに海に行ってもしょうがないので、その海の近くのアルゼンチンに行くことに決めたわけである。私はどこかのファッション通販サイトの社長ではないのでさすがに月には行けないが、庶民が行けるところという範囲で考えると、言葉通り「今行けるもっとも遠いところ」に行く。単純というか、バカかな? と思うが、「ちくしょう、もう全部どうでもいいや」で旅先が決まるのだから、人間少しくらい落ち込んどくもんだなと思う。

「もう全部どうでもいい」ので、いくらお金がかかったって構わないし、南米の治安とかもどうでもいいやと思ったのだけど、しかし巡り合わせというのはあるのかもしれない。ちょうど友人に「ブエノスアイレスに行ってみたい」と言っていた子がいたので、一緒に行かないかと誘ってみたらトントン拍子で話は進み、航空券ももう取った。物事がスムーズに運ぶととても嬉しい。煩わしさがないとか、ラクだとか、そういうことではなくて、なんだか幸先がいいな、と思う。スピリチュアルな奇跡は信じない人間だけど、何かに呼ばれているような気がして嬉しい。良い方向に向かっているのだな、と思う。

そういえば、今の私にとって大切な居場所のひとつである現在の会社に入るときも、話はトントン拍子に進んだ。前の会社を退職して無職のまま何も考えずに中東を旅していたとき、アテネのホテルでゴロゴロしながらTwitterを見ていたのが、現在の会社に入ったきっかけだ。失業保険を受給しようと準備を進めていたのに、結局もらわずにすっと次の居場所が決まった。なんだか不思議な巡り合わせだったな、と今振り返ってみても思う。トントン拍子で話が進むのは、運命のGOサインである。スピリチュアルな奇跡は信じない人間だけど、私は不思議な巡り合わせをGOサインだと思っている。

もちろん、すべてのことがスムーズに行くなんてことはありえないので、なかなか上手く進まないことでも頑張ってみる価値はある。GOサインが落とし穴である可能性もなくはないし、未来は誰にもわからない。似たようなことは以前も書いたけれど、私が感じていることはただの「回顧的錯覚」である。まあでも、「回顧的錯覚」を感じていられるんだから、たとえ落ち込むことがあっても、私はなんだかんだで元気なんだろう。「幸先がいいな」と感じられる出来事があることが、私は嬉しい。

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もうひとつ、「話が進むな」と感じられていることとして、創作活動がある。文フリに出展することで1回区切りはつくだろう、気が済むだろうと昨年は思っていたのだ。だけど、なんだかんだで今年も書くことになっている。書きたいことがバンバン思いつくし、「創作脳」を上手く刺激することに私は成功したらしい。友人にプロの小説家が何人かいるので気が引ける面もあり、創作に関してはあくまで「趣味です」といい張って言い逃れをしているのだけど、まわりの人に刺激をもらいながら、もっと上手く書けるようになったらいいなといつも思っている。気が引けるのでまだまだ「趣味です」で言い逃れているが、この活動もそのうちどこかで趣味の範疇を超えられたらいいな。まあ、あまりストイックにやりすぎると死んでしまうのでチンタラやりますが、「もうちょっと頑張って続けてみる価値がある活動だ」と天にささやかれている(と私が勝手に思い込んでる)ので、なんだか今年もやっている。

あと、昨年の秋にメンタル的にがくっと落ち込んだことで、脳の一部が開眼し感受性が豊かになってしまったのか、今、小説を読むとだいたい何を読んでもめっっちゃ沁みる。それまではモノクロの文章がただ並んでいたけれど、今の私が読む文章はどれも色彩豊かで美しい。映画みたいに情景が浮かぶし、一文一文にものすごく感動して、手で触れることができる。やばいクスリでもやったかな? と思う。友人が書いた文章も(本人に上手く伝わっているかはわからないが)「ものすごく綺麗だ!」と心の底から賞賛しているし、なんだか日々、五感がふるふる動いている。やっぱり誰かが私の飲み物にやばいクスリを盛っているのかもしれない。

ちなみに、成田空港からブエノスアイレスまでの航空券の値段は9万円だ。たった9万円で、私は「今行けるもっとも遠いところ」に飛べる。地球が狭いことを幸福と思うべきか、不幸と思うべきか。きっと幸福だと思うべきなんだろうな。

「もっとも遠いところ」なんて、実はそんなに遠くない。