チェコ好きの日記

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AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.11〜20)おすすめ優先度付き

AMでやっている連載がたまってきたので、紹介した本のまとめ。第1回から10回までは前に書いたので、今回は11〜20回分の連載をまとめます。


aniram-czech.hatenablog.com


ところで、私がAMで取り上げている本は、そのほとんどが「新規で読んだ本」です。昔から知っていた本を取り上げているのではなくて、いってみればこの連載のために、私も新しく読んでいるわけ。だから心境的には、読んでくれている方々と一緒に勉強している感覚です。


実は、私は個人では女性作家の本をほとんど読まない。もちろん意図的に避けているわけではなくて、気が付いたらそうなっていた、という話なんだけど……。まあ、私は根がマッチョ野郎だからな。でも、AMではなるべく女性作家を取り上げようと思っていて、私自身も今まで手に取ることのなかった本に触れる良いきっかけになっている。そういうわけで、「これをチェコ好きに読ませたい」と思う女性作家の小説・エッセイがあったらぜひお知らせください。

第11回 私が可愛くなれば世界は変わる? ルックスに関する真実とその対処法

エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き

エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き

おすすめ優先度 ★★☆☆☆

今年はなんとなく、「ルッキズム」についてよく考えている。何かきっかけがあったのか? といわれると別にないんだけど。いわゆる外見的な美しさを持つことが人生にどの程度有利に働くのか、あるいはその美しさを後天的に作り出すことはどの程度可能なのか(美容・メイク・整形・ダイエット等で)。女性とルッキズムをめぐる問題については、下半期も引き続き考えていきたい。

ちなみに私自身は決して美人ではないんだけど、実は外見的なコンプレックスってあまりない。たぶんコンプレックスを感じないといけないようなシーンに、人生であまり巡り合わなかったのだと思う。幸運だ。でも、コンプレックスはないけど理想の顔はもちろんある……それはミス青山学院の山賀琴子ちゃんです。今世で徳を積んで来世であの顔になりたい。外国人ならキャリー・マリガンエリザベス・デビッキ

第12回 「私たちは知ってるけど男性は知らない女の子」に光を当てたヌードモデル

兎丸愛美 写真集 きっとぜんぶ大丈夫になる

兎丸愛美 写真集 きっとぜんぶ大丈夫になる

おすすめ優先度 ★★★★☆

ヌードモデルというとエロ系を思い浮かべてしまうけど、女性に人気のヌード写真を数多く世に送り出している兎丸愛美さんについて書いたもの。兎丸さんは、いわゆるわかりやすい美人ではないと思うんだけど、めちゃめちゃ雰囲気があってじーっと見ちゃう。今まで紹介した本の中では唯一の写真集なので、「文字量の多い本はちょっと」という人にもおすすめです。

第13回 弱さはむしろ寛容に繋がる。目指すは「完全ではない大人」

小泉放談 (宝島社文庫)

小泉放談 (宝島社文庫)

おすすめ優先度 ★★★☆☆

他人にぜんぜん興味を示さないため、相談を持ちかけられることがほとんどない徳無し人生を送っているわたくし。でも、昨年末くらいから状況は改善されつつあり、最近はたまに相談? 打ち明け話? をしてもらえるようになりました。人徳というものをようやく身につけたか……と一息つきましたが、単純に年の功かもしれません。

第14回 恋に惑わされるのはあと何年? 恋愛と性欲の関係について

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

おすすめ優先度 ★★☆☆☆

AMというメディアの性質なのかもしれないが、性欲やセックスの話はよく読まれるらしい。そういうのって下世話なものになりがちだけど(いや、下世話なやつも必要なんだけど)私は恋愛と性欲はけっこう真面目に考えてもいいテーマなんじゃないかと思っている。恋愛には性欲が必要だと思うんだけど、結婚に性欲は必要だと思いますか? なんてアンケートをもしとったらけっこう意見が割れそうですよね。

第15回 大騒ぎするか、静かに過ごすか。つらい時期の乗り越え方

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

おすすめ優先度 ★★★☆☆

落ち込むことがあったら、酒をみんなでわーっと飲んだりカラオケでわーっとはしゃいだり……するのも一興だと思うのだけど、酒が飲めない、少食、常時テンションが低い私は、落ち込んだらひたすら家でじっとしています。で、自己弁護のようだが、そういう過ごし方も悪くないらしいよという話。家でじっとしながら何しているのかというと、読書、Netflix、料理です。

読書とNetflixはまあ趣味もあるので置いとくとしても、料理はおすすめ。お金もかからず体にいいぞ。少し元気になったら、体を動かすのもいいかもしれないですね。

第16回 「結婚したいなら現実を見ろ」?──いえ、現実は見るのではなく変えるんですよ

勝手にふるえてろ (文春文庫)

勝手にふるえてろ (文春文庫)

おすすめ優先度 ★★★☆☆

女性向けファッション誌ってたまに見るぶんには楽しいんだけど、常時摂取していると息苦しくなってくるのは私だけでしょうか。恋愛至上主義、結婚至上主義、欲望の圧がすごい。子育てママ向けのVERYなんかはちょっと違うのかな? という気もするんだけど、基本的には新しい価値観を提示するよりは既定路線を強化する雑誌が多いですよね。

これはAMで書いた話からは少しずれるけど、もうしばらくするとファッションとライフスタイルは分化されるんじゃないかなって気もする。「CanCamみたいなファッションが好きなレズビアンの女の子」とかもどこかにはいるわけで、そうすると男性とデートすることしか書いていないCanCamの世界観はきっと息苦しいよね。なんか、どんな女の子でも(あるいは、もちろん男の子でも)受け入れてくれる雑誌がいいよなあと個人的に思います。

第17回 『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んで。大切な人にも伝えたい「それは違うと思うよ」

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

おすすめ優先度 ★★★★★

これは話題作だったこともあって、とてもたくさんの人に読んでもらえたようです。個人的にも、AMでこの本を取り上げることができて本当に良かった。AMは女性向けの恋愛やセックスのメディアであるわけだけど、恋愛やセックスの中には必ず、社会の権力構造の課題が潜んでいると思うから。

どういう本か? といわれると、かなり「フェミニズム」の色が強い小説であり、たぶん男性は読みたがらないだろう。でも、知らないうちにパートナーを傷つけていないか、女性から見る世界はどんなものなのか、そういうことを考えるために、男性にもめちゃくちゃ読んで欲しいな。ま、読まないだろうけど。

そういえば私、20代前半ではじめて彼氏ができたとき、「この構造はなんだ!?」と思って上野千鶴子とかフェミニズムの研究書をめちゃくちゃ読んだんだよね。今振り返ると変わり者だが、変わり者でも間違ってはいなかったと思う。私は、自分が女性だから女性の味方をしたいっていうよりは、単純にフェアでありたいんだよね。今の状況は、あまりフェアとは言いがたいだろう。

第18回 切っても切れない男女の関係。『死の棘』と『狂うひと』に学ぶ夫婦の真実

死の棘 (新潮文庫)

死の棘 (新潮文庫)

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

おすすめ優先度 ★★★★★

夫の浮気を、夫側から書いたのが『死の棘』、妻側から書いたのが『狂うひと』(書いたのはノンフィクションライターさんなので、島尾ミホ本人じゃないけど)。1冊だけでも人を萎縮させるボリュームなんだけど、2冊合わせることでさらに迫力のあるボリュームになります。内容的にも濃厚で、生クリームをふんだんに使ったカルボナーラを大量に食べたような読後感。ひとつの事実を、両側から見るとこうも違う。どちらも真実であり、同時にどちらにも嘘が混ざっています。

私はそれがどんなものであれ、人の話を無意識に「話半分で聞く」癖があるんですけど、それは生存者バイアスの問題とか、あとはやっぱり「あなたはそう言っても、あちらがどう言うかはわからんからね」と根底で考えている部分があるからだと思います。単純に意地悪なのかもしれないけど、これも私の「フェアネス」の思想と関連があるような気が(我ながら)する。

第19回 「ナチュラルメイクはモテる」と言うけど、化粧は一体誰のもの?

だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査

だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査

おすすめ優先度 ★★★★★

ルッキズムと関連して、メイクの問題。数年前、とある男性ブロガーが「男はすっぴんが好きなんだから化粧なんかしても無駄」という主旨の記事を書き集中砲火を喰らったことがあったけど、そうなんだよね、なぜ女性が「男に好かれるために」メイクしていると思ってしまうのか。同性のためにメイクしていることも、逆に男を避けるために強めのメイクしていることもあるわけです。あとは単純に面白いからとか。

「自分の顔を(鏡や写真などを使わずに)直接見ることは一生できない」は、私が好きでよく顔の話をするときに使うんですけど、「顔」は自分のものであるにも関わらず、常に他者に向けられている。その矛盾が面白いから、私は外見の問題に首を突っ込むのをやめられません。けっこうタブーというか、ナイーブな領域の話であることは自覚してるんだけど。

第20回 本当はあのことがすごく嫌だった――「いい子」をやめて、心の奥を見つめてみる

ファーストラヴ

ファーストラヴ

おすすめ優先度 ★★★★☆

島本理生さんの小説を読んだのは、実はこれが初めて。なのであまり詳しく語れないのだけど、「父と娘」を題材にした作品は他にもあるらしい。後半になるにつれ加速するように歪んだ父娘の関係が露わになっていくので、ミステリー小説として面白い。

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というわけで、21回目以降もよろしくお願いします。なお、こちらのエントリは日本時間11日の22:00で予約投稿しているわけですが、私はそのとき飛行機に……乗っているはず。