いよいよ、衆院選が明日にせまってきました。
私も、自分の1票をどこに投じるか、ようやく考えが固まってきたところです。
まだ考えあぐねている……という方は、日本政治.comというサイトの、
「投票マッチング」を使ってみてはいかがでしょうか。
私も利用してみましたが、参考になりましたよ!
★★★
ところで、選挙で1票を投じるには、当たり前ですが、何がしかの「考え」がなくてはなりません。
「投票マッチング」を利用するにしても、TPPに参加するか否か、
原発を全廃すべきか否か、増税、年金制度、日米同盟などなど、
さまざまな設問に答えていかなくてはいけません。
私はというと、いつもブログを読んでくださる方なら
何となく察しがつくかと思いますが(笑)、
小さな政府かつリベラル寄りの考え方をしているので、そういった政策、政党を支持しています。
(この図、めちゃくちゃ参考になります。)
政党−日本政治.com
当然、自分なりに本を読んだり資料を調べたりしながら、
いろいろ考えた上で、「小さな政府かつリベラル」という結論に達したわけで、
自分の結論に自信をもちたいですが、
私は経済、雇用、社会保障、税金、原発問題、どれをとっても「シロウト」です。
というか、私たち有権者の大半は、会社経営者でも政治家でも大学教授でもない。
みんなみんな、ほとんどの人が、差こそあれ「シロウト」なわけです。
もちろん、「シロウト」なりに個々の政策について
勉強する手間を惜しんではいけないと思います。
でも何をどう頑張ったって、私たち有権者の多くは、
残念ながら「シロウト」の域を出ないでしょう。
しかし、「シロウト」はだまっとれ、浅い知識で政治を語るなって話かというと、
それもちがいますよね。
では、どうするか。
ある程度まで「自分のアタマで」考えたら、あとはもう、
「この人のいうことを信じてみよう」と、
誰かの発言を思い切って信頼してみるしかないと思うのです。
そのことについてハッとさせられたのは、今回、衆院選と同時に行われる、
最高裁判所の裁判官を辞めさせるかどうかを決める「国民審査」。
私は以下の記事を読むまで、恥ずかしながら、
この「国民審査」について、何も考えていませんでした……。
国民審査と一票の格差 - Chikirinの日記
上の記事を書いたブロガーのちきりんさん以外にも、
(なぜかリンクをはれなかったのですが)NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんも自身のブログで、
「国民審査ですべての裁判官に×をつける」と表明しています。
私はというと、正直、1票の格差や違憲審査について、
深く理解しているとはいい難いです。
本当は、これらの問題についていろいろ調べたり考えたりしたいのですが、
選挙がさしせまっている今、今回は恥ずかしながら、そこまで手がまわりませんでした。
でも、「わからないから何もしない」というのは、今回「ちがうな」と思ったんです。
私は国民審査について何もわかっていないシロウトなので、
細かいところをつっこまれたら何もいい返せないです。
が、少なくとも、日々の活動やブログを読ませていただいているなかで、
駒崎さんとちきりんさんは、「この人のいうことを信じてみよう」と思える人です。
なので、彼らのいうとおり、国民審査ではすべての裁判官に×をつけることにしました。
★★★
私はこれを、「自覚的思考停止」とよぶことにします。
自分のアタマで考えるべき問題を、考えることをやめ、だれかの意見に決断を託す。
しかし、そんな「思考停止」にも、2種類あると思うわけです。
自覚的思考停止と、無自覚的思考停止。
秋元氏に踊らされているとわかっていてCDを大量購入するAKBファンと、
わからないまま教団に巻き込まれるカルト宗教信者。
いささか例がハードすぎますが(笑)、
同じ「思考停止」でも、前者と後者は大きく異なるものだと、私は考えています。
なぜなら、「自覚的」だった場合、それが後からまちがっていたとわかったとき、
すぐに「まちがえた場所」にもどって、ミスを訂正できます。
しかし「無自覚的」だった場合、
そもそも「まちがっていた」こと自体気付きにくいですし、
「何かちがう」と途中で思っても、引き返すのは容易ではないでしょう。
どこまでいっても、差こそあれ、「シロウト」である私たち大半の有権者は、
どこかで「思考を他人に委ねる」しかないのです。
すべてをイチから勉強して、専門家レベルになることなんてできないですから。
(もちろん、努力を怠ってはいけませんが)
今回、国民審査についてこういった決断をしたにあたって、
常日頃、「自分のアタマで考える」ことも大切だけれど、
同時に「信じられる人」を見つけておくのも大切だな、と思いました。
(※これ、システム的にはちがいますけど、心情的には雪見さんのいう「一人一票」に似ている気がします)
一人一票 - 雪見、月見、花見。
★★★
その「信じられる人」は、会社経営者でも、有名ブロガーでも、
まわりの友人や家族でもだれでもいいわけですが、
その人が「政治家」であれば、もちろんそれに越したことはありません。
けれど今回の選挙において、自分の不勉強もあるのでしょうが、私にとって
「この人のいうことを信じてみよう」と思える政治家は、いませんでした。
なので、日本政治.comの「投票マッチング」を参考にしながら、
“自分の考えと合っていそうな”政党、候補者を選んだわけなのですが……。
本来であれば、“自分の考えと合っていそうな”なんてレベルではなく、
「この人のいうことを信じてみよう」と思える政治家に、
出会いたいわけです。
駒崎さんや、ちきりんさんではなく。
なので、政治家のみなさんも、もっと書籍を出したり、
おもしろいブログを書いたりしながら、
「私はこういう経歴で、こういうことをやってきて、こういう考えだから、こうしていきたい!」
って、わかりやすく発信してくれればいいのにな。
テレビCMで「動かすのは、決断」とかいわれても、
何をどう決断するつもりなのか、わからないだよ……。
今ハヤリの、続きはホームページで! ってやつですか?
話がそれましたが、大事なことだと思ったので、書きました。
あなたにも、「自覚的思考停止」をおススメします。
ただし、もちろん責任はとれません!
ぜひ、貴重な1票を。
- 作者: ちきりん,良知高行
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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