前回はフィレツェ郊外の、フィエーゾレという街について書いたところで終わってしまいましたが。
旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編 - チェコ好きの日記
やっと、フィレンツェに入ります。
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メディチ家によってその栄華を極め、「花の都」とよばれるようになった、ルネサンス発祥の街フィレンツェ。
ですが、私がフィレンツェに抱いたイメージは、その華々しいイメージとは裏腹に、「厳格な、冷たい石の街」といったものでした。
着いて早々、ウフィツィ美術館でボッティチェリの絵画である『ヴィーナス誕生』などを見て「うひょー」となったものの、
その日はもうすでに夜が近付いており、私たちはまっすぐホテルへ帰りました。
次の日から、私たちは、いくつもの教会をまわりました。
フィレンツェのシンボルともいえる、花の聖母教会ドゥオーモ、サン・ロレンツォ教会、サンタ・クローチェ教会、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会……
石で造られたこれらの教会のなかは、まだまだ季節は冬であった3月には、底冷えするような寒さ。
観光客はたくさんいたけれど、薄暗く、ほこりくさい教会のなかは、肌を刺すように、空気が透きとおっていたのでした。
インターネットが発達した現在、その気になれば、世界中のどこだって、インターネットで見ることができます。
でも、どんなにインターネットで映像を見たって、それはやっぱり「旅」にはなりません。
なぜならば、ごく当たり前のことなのだけれど、インターネットでは、フィレンツェの教会のなかの、あの石の冷たさや、ほこりくさいにおいは感じられないから。
事前に、あるいは旅から帰ってきたあとに、その土地に関する本を読んで、思いを馳せること。
その土地の空気を吸うこと、その土地に住んでいる人と会話をすること、その土地で売っている食べ物を食べること。
インターネットがあれば旅行はいらない、といっている人を見ると、冗談か、僻みか、あるいは今まで、よっぽど貧しい旅の体験しかしたことがなかったんだろうなあ、と気の毒になります。(普段はこういうことはあまり思わないのですが、旅に関してだけは)
アンドレイ・タルコフスキーも、フィレンツェを訪れているはずですが、映画『ノスタルジア』には、私の記憶している限りでは、フィレンツェは登場しません。ロケ地をめぐる旅はまだまだ続きます。
次の行先は、シエナ。
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旅をすることで人生は変わる シエナ編 - チェコ好きの日記