前回は、はるばるテート・ブリテンまでミレイの大作『オフィーリア』を見に行ったにも関わらず、結局会うことができずに挫折した……というところまでを書きました。
ロンドンひとり旅 オフィーリアに会いに行く! - チェコ好きの日記
その後、まだ外は十分に明るかったのですが、朝から街中を歩きまわっていたことで疲れ果てた私は、17時くらいにはホテルにもどってしまいました。が、撮った写真を眺めたり、お土産のポストカードをベッドに並べて悦に入ったりして一通り休憩した後、イギリス名物として名高いあのフィッシュ&チップスをつまみに、再び街へ出ます。
イギリスの食事というと、残念ながらあまり美味しくないことで有名ですよね。はたしてそれは真実なのかと、私も旅行中、けっこういろいろなものを食べてみました。外国の食事というのは、味はどうあれ、それ自体とっても興味深いものです。食事に関しては個々に取り上げず、後日別エントリに、まとめて書く予定です。
イギリスの古代遺跡といえば!
翌日は、ロンドンを少し離れて、郊外の街へ出てみることにしました。
効率良くいろいろなところをまわりたかったので、ちょっと妥協して、現地ツアーバスを使っての移動です。
まず訪れたのは、どうせイギリスに行くのならやっぱり1度は見てみたかった、ストーンヘンジ!
有名観光地なので、世界各国からたくさんの人が訪れています。来年あたり、近くに「ストーンヘンジ博物館」なるものも完成するんだとか。遺跡さまさまですね。
いったい誰が、何の目的で造りあげたものなのか、いまだ謎につつまれているこの巨石遺跡。
一時は、これはケルト人の神殿であって、ドルイド教の祭祀の場だった……という説が有力だったみたいですが、現在では、紀元前3000年から1600年の間、ケルト人よりももっと前にこの地に住んでいた人々が造ったものである、ということが明らかになっているそうです。
夏至の日の出と冬至の日没の方角を指すように巨石が整列されているのだそうで、日付とか、時間感覚的なものをつかさどるために造られたのかな? なんて思いますが、謎ですねぇ。ロマンです。
ローマ人の温泉
ストーンヘンジを見学し終わったところで、次はちょっと聞き慣れない、バースという小さな街へ向かいました。
作家の村上春樹もエッセイ『遠い太鼓』のなかで訪れているこの街は、英語表記にすると、BATH。そう、英語のバス、「お風呂」の語源となった、そのものズバリ、温泉の出る街なのです。
近代では「大英帝国」として、世界にその名を轟かせたイギリスですが、紀元後1世紀頃にはまだその影もなく、ローマ帝国の属州の1つに過ぎませんでした。
バースの温泉は、そんなローマ帝国の支配下にあった時代に、進駐していたローマ人によって発見されたものらしいです。私は『テルマエ・ロマエ』未読なのですが、ローマ人て本当に温泉が好きだったんですね……
見どころは何と言ってもローマン・バス(温泉)ですが、それでなくとも、街自体がとっても美しく、心が落ち着きます。
ヨーロッパの街って、花がきれいに飾られてますよねー。イギリスはイングリッシュガーデンが有名なだけあって、その傾向がより顕著だった気がします。
そしてここが、ローマン・バス!
ちなみに、イギリス人はあまり温泉が好きではなかったのか、ローマ人がここを去った後、この温泉は一度廃れてしまったそうです。今のこの建造物は、18世紀に再整備されたものらしいです。
もちろん、温泉だからといって、入ることはできません! 18世紀からそのまま? なので、水がすごく汚いのか、入口で係のおばちゃんに何度も英語で「水に触っちゃダメ!」といわれました。
けど中に入ると、目の前にいたイタリア人(たぶん)のブロンド少女が、水を手にすくって、ばっしゃばっしゃと触っておりました。え………
こういうとき、ルールをきちんと守る日本人とドイツ人は、エライと思います。
今でも温泉が噴き出してます!
街自体も、ローマン・バスもすばらしいですが、もう1つ見逃せないのが、バース寺院。
1499年に建造されたゴシック建築の大聖堂ですが、ウェストミンスター寺院と比べると、少し庶民的。
けれど、優雅で品があって、ステンドグラスなんてため息が出る美しさです。
バースには2時間くらいしか滞在できなかったのですが、本当にいい街だったので、いつか再訪したいです。有名な建築があったり、小川がきれいだったりと、まだまだ見ごたえがたっぷりありそうでした。小さな街ですが、丸一日ここにいても飽きないですよ!
レイコックへ
この日最後に訪れたのが、コッツウォルズ地方のはずれにある、レイコックという村。
現在はナショナル・トラストによって、村全体が管理されているそう。
ここのレイコック・アビーが、『ハリー・ポッターと賢者の石』の撮影で使われたそうなのですが、映画をあまりじっくり見ていないので、ちょっとよくわかりませんでした。
いわれてみれば、こんなところがあったようななかったような……
この村は、見どころ云々というよりも、普通の民家がとてもかわいらしいです。この辺りは、条例によって、家に使用していい石の色などが決まっているんだとか。景観に徹底して配慮するのは、さすがヨーロッパだなぁと思いますよね。
こんな家に住めたら、それだけでハッピーですわ……
レイコックを出た後は、再びバスでロンドンにもどりました。
中心部ピカデリー・サーカス周辺でのんびり夕食をとっていると、気が付いたら22時!
夜の地下鉄はちょっと怖かったです。全身タトゥーの兄ちゃんとか、なぜか顔を真っ青にペイントしているお嬢さんとか、ホームレスのおじさんとかがうろうろしていたので、ちびりそうになりながらホテルにもどりました。
次回へ続きます。
ロンドンひとり旅 オックスフォードへ - チェコ好きの日記