みなさんは、コーヒー派ですか? 紅茶派ですか?
私は今まで断然紅茶派だったのですが、最近なぜかコーヒーがとても美味しく感じるようになりました。なので現在は、甲乙つけがたい状況です。
ところで、そのコーヒーには、実にいろいろな種類があります。(紅茶もいろいろな種類がありますが。)
たとえば、私の好きな池澤夏樹のエッセイ『明るい旅情 (新潮文庫)』には、彼がイスタンブールを旅したときの、こんな記述が。
バザールに行く。何も買うつもりはない。ただ歩いて、ひやかして、商品の種類の多さに感心する。革製品が安くていいようだとか、絨毯はもちろんすばらしいがとても手が出る値段ではないとか、帽子一つくらい買ってみようかとか、それにしてもつくづく広いとか、とりとめのないことを思う。ちょっと立ち止まって見ているだけで、いきなり目の前に小さなガラスのコップに入れた紅茶が出てくる。ここでは誰もが紅茶や、いわゆるトルコ・コーヒーを飲んでいる。出された紅茶は遠慮なく飲み、そのまま何も買わずに店を出てもいい。
異国の地で、雑多な市場をとりとめもなく歩く。そんななかでさり気なくあらわれる、知っているようで知らない飲み物。それが、トルコ・コーヒーです。
トルコ・コーヒーといえば、
トルコ・コーヒー?
トルコ・コーヒーって何?
★
『明るい旅情』にあらわれるこの記述を読む限り、何やらエキゾチックで、謎めいた雰囲気のただようトルコ・コーヒー。しかし無学な私はそれがどんなものなのか、具体的にイメージすることができませんでした。
百聞は一見に如かず。トルコ・コーヒーへの好奇心がおさえられなかった私は、実際に飲みに出かけてみたのです。
行ってみたのは、表参道駅から徒歩2分くらいのところにある、「アラトゥルカ青山」というトルコ料理のお店。トルコ料理といったらケバブかしら? と思いましたが、あまりケバブな気分ではなかったので、頼んだのはこちら。
鶏肉とキノコのソテーです。
これ自体はあまりトルコっぽくありませんでしたが、ごはんとスープがトルコ。ごはんには得体の知れない実? 野菜? のようなものが入っており、エキゾチックな感じ。スープは、塩気が強かったです。
食後に、問題のトルコ・コーヒーを頼みました。
そう、これ! これが飲みたかった!
トルコのコーヒーや紅茶ってエスプレッソ的な感じなのか、カップがとても小さいです。スマホより小さい。
注文する前に、砂糖なし・少なめ・普通・多めの4段階から甘さが調節できます。私は甘党なので、「多め」にしました。
トルコ・コーヒーの正体は、コーヒー豆を粉状に挽いたものを砂糖と一緒に「ジャズヴェ」という鍋で煮立てた飲み物、ということだったようです。濾さずに粉がそのまま入っているので、ドロドロです。そして、表面に泡がぶくぶくしています。
お店では、来てすぐに飲むのではなく、1分くらい待って粉が沈んでから飲むようにと言われました。
味。砂糖多めって言ったのに、あんまり甘くない……。
沈むのを待ってから飲んだつもりでしたが、たまに粉をどばっと一緒に飲んでしまうので、軽く咳き込みました。
また、トルコ・コーヒーは飲み終わったあとの粉の残り方で、何と占いができるらしいです。
知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲
取っ手のほうに流れているのか、飲み口のほうに流れているのか、全体に流れているのか、底に固まっているのか……
底に固まっている? ので、私は「じっと我慢のとき、他人との論争は避ける」のが吉のようです。わかりました!
まとめ(ムリヤリ)
海外の小説や旅行エッセイなどを読んでいると、聞き慣れない食べ物や、具体的なイメージがわかない飲み物が登場したりすることがあります。
それはそのまま放っておいても特に支障があるものではないですが、実際に食べたり飲んだりしてみると、その小説やエッセイの世界をより深く味わえるような気がしないではありません。
また、同じコーヒーなのにどうしてこのような飲み方のちがいが生じたのか、そもそもコーヒーをいちばん最初に飲んだ人類はどこの誰だったのか? など、身近な食べ物や飲み物に対して、いろいろな疑問がふつふつとわいてきます。
それらはきっと、生きていく上では「どうでもいいこと」にちがいはありませんが、一度気になったことは追究したくなってしまう性分の私。
今後も、コーヒーをめぐる旅はつづく! かも、しれません。
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