このブログの最初の記事は2012年5月31日となっており(本当はその前にも記事があったけど軽い挨拶文だったので削除)、私がブログを開設してからはや2年が経ちました。怠惰な私は毎日更新ができないので、2年もやっているわりには全部で250記事程度しかないのですが、それでもまぁたくさん書いたなあと感慨深いものがあります。
どれもそれなりに思い入れのある記事ではあるのですが、我が子のように可愛がっているものもあれば、「え、あんたいたっけ?」みたいなことになっているものもいます。ちなみに、「え、あんたいたっけ?」のほうは、以前まとめていたりもします。
今回は上記のように存在が希薄になっているほうではなくて、「我が子のように可愛がっている」ほうのマイお気に入り記事を、5つ紹介しようと思います。以前から当ブログを読んでくれている方には「へー」と思っていただき、最近当ブログを読みに来てくれるようになった方にも、「へー」と思っていただきたいです。「へー」と。
★★★
1・村上春樹の「好き」「嫌い」はどこで分かれるのか? に関する一考察
- 作者: 村上春樹
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- メディア: ペーパーバック
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もしかしたらバレバレかもしれませんが、私もやっぱり自分でこの記事がいちばん気に入っています。何より嬉しかったのは、村上春樹ファンである私が書いた文章なのにも関わらず、村上春樹がキライなアンチ派の人にも「なるほど!」という声をもらえたこと。賛否両論ではありましたが、ファンの方にもアンチの方にもそれなりに面白く読んでもらえたのかなと思っています。また、それ以前から心がけてはいましたが、「賞賛はアンチも納得するように、批判はファンも納得するように書く」という“(チェコ好き)ガイドライン”が明確になったのも、この記事がきっかけでした。
2・笑劇的!? 人生を狂わすので見てはいけない、傑作チェコ映画5選
VALERIE & HER WEEK OF WONDERS Trailer ...
シュヴァンクマイエル、ヒティロヴァ、メンツェル、ルネ・ラルー、イレシュの映画を一挙に紹介したこちらの記事は、記事というより映画の予告編動画を見ているだけで幸せな気持ちになれます(私が)。この記事ほど他人を無視して、自分のことだけ考えて書いた記事はないかもしれません。ちなみに、5本のなかでいちばん一般受けしそうだなと思うのはルネ・ラルーの『ファンタスティック・プラネット [DVD]』。女性に人気なのは当然ながら『ひなぎく [DVD]』で、コアなファンには私の神様シュヴァンクマイエルの『ヤン・シュヴァンクマイエル「ルナシー」 [DVD]』をおススメします。ちなみに、どうにもこうにも元気が出ないときは、上記の『闇のバイブル 聖少女の詩』予告編動画を見るのがおススメ。私はいつも、これを見ると「もうどうでもいいから頑張ろう」って思えます。
3・あなたの気になる作品があったらうれしい。私の好きな画家5選
「ダヴィデとゴリアテ」
こちらも、「私の私による私のための」系の記事。気に入っている理由は、もちろんここで紹介した画家たちが好きなので見ていると幸せな気持ちになれるからなんですが、先日見かけたちきりん氏のツイートを読んで、今後は美術系の記事をもっと増やしていきたいとも考えました。
てか、このタイミングで初めてネット上での発信を始めるなら、テキストを選ぶかどうかはかなり悩む。あたしは自分の強みがあきらかにそこにあるけど、それでも、「今からゼロから」なら、写真とかにするかも。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2014, 6月 7
写真は、翻訳不要で市場が世界全体と広いのに、素材は日本ローカルが手に入れられるので、差別化には有利。いまから「テキストベースで成功すること」を目指すのって効率悪い。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2014, 6月 7
テキストって読むのに時間と労力がかかるし、動画も再生するのにやっぱり時間と労力がいるんですよね(たとえそれがほんの僅かなものだとしても)。しかし、写真やイラストや絵画なら、翻訳も時間も労力も不要です。といっても私が美術系の記事を書くとなるとどうしてもテキストは必須になるのですが、「一枚の絵」「一枚の写真」がもたらすインパクトってやっぱりバカにできないなー、と上記の自分の記事を読み直していて思いました。
忘れがちですが、絵画ももともとは“メディア”です。文字が読めない人々に、キリスト教の物語や教訓を伝えるための“メディア”。現代になってもう一度そこへ回帰しているとなると、面白い現象だなーと思います。
4・本好きにとっての隠れた穴場を発見です!
「隠れた穴場」って「頭痛が痛い」みたいで頭悪そうだなって公開直後に気が付いたのですが、まぁいいかと思って放置している記事です。静岡県沼津にある「ココチホテル」という心地のいいホテルに宿泊したときの感想を書いたものです。
「机と椅子と本棚があればいい!三万円でつくる書斎。 - マトリョーシカ的日常」に端を発する書斎に関する記事をいくつか読みましたが、私の理想の書斎は上記の写真、「ココチホテル」のトラベルライブラリー。実際の私の書斎(というかただのPCデスク)はしょぼいので晒しませんが、こんなふうにできたらいいなーっていつも思っています。
5・この世に完全なるオリジナルは存在しない
こちらは、まとめ記事でもないしインパクトも特にないんですけど、私のいいたいことが曖昧ながらつまりまくっています。私はこちらのブログを「読書」「アート」「旅」を主な軸として書いているんですが、この3つのいいところは、どこまで行っても終わりがないところです。むしろ、これらに向かって走り始めてしまったばっかりに、迷宮に迷い込んじゃった的なところさえあります。
絵画や映画、文学には必ずといっていいほど「源流」があります。村上春樹ならアメリカ文学、シュヴァンクマイエルならシュルレアリスム、みたいに。そしてそれらをたどっていくと、本当にどこまでもどこまでも終わりがない。私は何事もなければたぶん80歳くらいまで生きると思うんですが、あと50年以上の時間を費やしても、「終わり」にはたどりつけないでしょう。そしてそのことを、私は幸運だと思っています。
ブログは自分の小宇宙
マイベスト記事ってそのときの気分によっても変わったりしますが、今の気分だとだいたいこんな感じでした。先日「何かもう一周しちゃった」発言もした私ですが、上記の5つめの記事を改めて自分で読み、「何が一周だ。百周くらいしてこいや」と体育教師的な気分になりました。
このブログには、私の大好きなものがつまっています。永遠に拡張し続けられる本棚みたいなもんです。そしてその大好きなものについて、他の人たちとあーでもない、こーでもないと言い合うのが、やっぱり楽しいみたいです。
ブログを書いている人はぜひ、「マイベスト集」作ってみて下さい。完全なる自己満足ですが、他人の自己満足を眺めるのもなかなか乙なものだったりもします。