チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

「退屈と消費と、恋愛と。」イベント後記

6/27(土)に、「退屈と消費と、恋愛と。」というトークイベントを神保町のEDITORYにて行ない、登壇者として参加しました。aniram-czech.hatenablog.com

今回は、こちらのイベントのお礼と感想です。

舞台裏の話

当日、登壇者3人は13時に神保町に集合していたんですが、私はなぜかファーさんと鳥井さんの2人に会ったとたんに緊張がMAXになってしまい、さらに会場に入った16時半になる頃には緊張のあまりテンションがガタ落ちしており、まわりの方々をハラハラさせたんじゃないかと申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、実際のトーク中はとっても楽しかったです。イベントに参加してくれた方のレポートや#チェコ好きのツイートを見ていると、縮こまっていたはずの私がいちばんスレスレの発言をしているような気がして後から青ざめているのですが、すみません、本番に強いタイプです。

最初にファーさんにこのお話をいただいたとき、「絶対に面白くなる」という確信があった一方で、「具体的なノウハウや役に立つ情報を提供するわけでもない、ただのお喋りイベントに本当にお客さんが来てくれるのかしら?」という不安もあったのですが、私はやっぱり良くも悪くも文系のなかの文系なので、すぐに役に立つものはすぐに役に立たなくなる、というか、具体的に役に立つノウハウは人生において応用が利かない、と考えています。イベントのなかでもお話しましたが、結論を手に入れることは今の時代、それほど難しいことではありません。でも、そこにたどり着くまでの過程は絶対にコピーできないものなので、イベントに来てくれたみなさんが、翌日になっても<消費>の定義や<退屈>とは何か、を考えてくれていたりするのが、このテーマを出した人間としてはとても嬉しかったです。普段のブログでもそうなんですが、私は自分が出した答えにみんなが納得してくれることにはあまり喜びをかんじなくて、私が何気なくつぶやいたことに対して「それはちがうと思う」とか「それはこうだと思う」とか「それに関してはこの記事が参考になる」とかいってくれるのがいちばん嬉しいです。ファーさんの言葉を借りるなら、<共通体験>というか、議論してプロセスを共有することが目的であって、結論を共有することが目的なわけじゃないんです。というか、私が出すようなテーマに関しては、結論を共有する必要はないというか、むしろ無理して結論を共有しようとすると危険だな、とすら思います。

今回は本当に、登壇者のお2人とエロポップドリンクを提供してくれたUchilaさん、灯台もと暮らしのスタッフさん、カメラマンのメイコさん、そしてもふちゃんがとても優秀で、私は完全に「テーマを出してあとはただそこにいた人」というかんじでしたが、リアルイベントデビュー戦としてはこれ以上ないくらい贅沢なメンバーとお客さんに恵まれたなあと思っているので、改めてみなさんに感謝です。

そして、もしまたこのような機会をいただけるのなら、今度はもっともっと、一瞬の隙もないくらい会場を夢中にさせてやる、とふてぶてしくも思いました。

<退屈と消費>のこれから

今回のイベントのテーマは「退屈、消費、恋愛」で、自分はそのなかの前2つを担当(?)していたんですが、イベントでお話したとおり、このテーマについて考え始めたきっかけは私自身の<退屈>でした。そこから、ただ目の前を流れていくものを<消費>しているだけだとあんまり良くない、という方向に考えが移り、では目の前を流れていくものを<消費>せずに吸収するにはどうしたらいいんだ、という問題まできて、「他人の欲望と自分の欲望をしっかりと区別する必要がある」、でもそれを見分けるのは不可能といっていいくらい難しい、というところまで(私のなかでは)話が進みました。

自分の欲望をしっかりと見極める、のは難しい - (チェコ好き)の日記

私一人の「退屈でつまらん」という欲求不満を、ブログを書いているうちに累計すると何百人、何千人の方々に読んでもらうことになり、さらにリアルイベントでスタッフも含めると50人近い人を巻き込んでお話することになってしまったのはすごく変な気分なのですが、そう考えると、一時の<退屈>というのはやはりそんなに悪いものではなく、次に何かを生み出すためのエネルギーを溜めている期間なのかもしれない、と思います。だからこそ、もし今<退屈>している人がいたら、そのエネルギーを安っぽい刺激によって<消費>せずに、次に爆発させるために思う存分溜めこんでほしい、と思います。そう考えると、ファーさんのいっていた「インターネットに退屈していた」という言葉も、なんかいいかんじにつながったんじゃないかなーと思います。そして、鳥井さんの作るウェブメディアは、ただタイムラインを流れて<消費>されていくだけではない情報のありかたを、今後もしめしていってくれるのではないでしょうか。

ちなみに私のほうでは、年内にこの<退屈と消費>というテーマに関しては決着をつけるつもりで、おそらくみなさんに集大成的なものを公開できるかと思います。もうちょっと付き合ってやってもいいよ、という奇特な方がおられましたら、決着がつくまでもう少し遊んでいただけると嬉しいです。


リアルもインターネットも、両方ともまだまだ面白いと思いました。

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