掲題のとおりなんですが、「STUDIO VOICE vol.412」にちょっとだけ登場しています。
vol.412のテーマは、「Documentary / Non-Fiction 見ようとすれば、見えるのか?」。ドキュメンタリー映画とかインタビュー記事とかノンフィクションとかの特集なのですが、そこの現代ノンフィクション入門というページで「旅にかんするノンフィクション」を5冊おすすめしています。ブログでは触れていない本もあるので、ぜひ。STUDIO VOICEは学生時代の憧れの雑誌だったので、嬉しいのを隠しきれておりません……!
- 出版社/メーカー: INFASパブリケーションズ
- 発売日: 2018/03/21
- メディア: 大型本
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3/20発売のSTUDIO VOICE vol.412 「Documentary / Non-Fiction 見ようとすれば、見えるのか?」にて、現代ノンフィクション入門として、「旅」にかんするお気に入りの本を5冊選ばせてもらってます。
— チェコ好き (@aniram_czech) March 19, 2018
本屋さんでぜひ手に取ってみてください! pic.twitter.com/N2OJfd0PuX
というわけで私の書評を読んで欲しいのはやまやまなのですが、今号はそれを抜きにしても本当に面白かったです。特に感想を書いておきたいのは、「インタビューをめぐるインタビュー」。プロインタビュアーの吉田豪さん、社会学者の蘭由岐子さんがインタビュイーになっているのですが、お二方がどんなふうに取材相手から話を引き出しているのかという話が興味深かったです。
相手のことを好きになる
まず吉田豪さんの場合は、これは著書『聞き出す力』にも書いてあったのですが「取材相手のことをとにかく好きになっている」。たとえ相手が犯罪者でも、殺人とかレイプとか、よほど悪質なものでなければまあ許せるらしいです。
しかし、相手のことを許せてもそれがすなわち「好き」に繋がるわけじゃないと思います。私も(大声では言えないが)モラル意識は低いほうなので、許せないことってあんまりない。でも、人の話を聞くの下手だし、あんまり目の前の人のこと好きになれない……! どうしたらいいんだ!
このあたりの話は個人的にもうちょっと聞きたかったのですが、「正しくないことは基本的におもしろい」という吉田さんの言葉はヒントになりそうです。
私、いきなり何を言い出すんだというアレですが、男の人に風俗の話を聞くのが好きなんです。相手がノンケの男性の場合、話題に困るといつも風俗の話を振って切り抜けている(風俗否定派でもそれはそれでそこから話が広がるので良し)。風俗は自分では体験できない分野だし、吉田豪さんの言葉を借りればやっぱりめちゃくちゃ正しくないので、面白いです。これは決して私がエロいわけではなく、処世術です。
女の人相手にもこういう「鉄板切り抜けネタ」があったほうがいいのかな。でも女の人相手だとそこまで話題に困らないからな。ノンケの男性に風俗の話を振る鉄板切り抜け、著作権フリーなので良かったらどなたでも自由に使ってください。意外とイケる。
話し上手、仕切り上手がインタビュー上手とは限らない
もう一人、蘭由岐子さんのほうは、ハンセン病患者への取材という重いテーマ。蘭さんはどうやってハンセン病の人たちから話を引き出したのかというと、これは意図してやったわけではないっぽいのですが、「あなたが言いたいのはこういうことですよね!」みたいなテキパキ調ではなく、滑舌悪くなんかもごもご言いながら取材をしたらしいのです。でもそれが逆に良かったみたいで、もごもご言ってたからこそいろんなことを話してくれたんじゃないかという話が印象的でした。
吉田豪さんは話を引き出すのがめちゃくちゃ上手いけど、人とベタベタ付き合うのは好きじゃないらしくて、取材相手と友達になったりすることはないらしい。自分のことを相手に話さず、飲みにもあまり行かず、「人との距離感は遠いほうだと思う」とおっしゃっていました。つまり、お二方の話を総合すると、「聞き上手」とか「インタビュー上手」に必ずしも決まった型があるわけじゃないってことです。私は、いわゆる「コミュニケーション強者」みたいなのがインタビュー上手だと思っていたので、それは違うんだな〜〜というのは発見でした。
まとめ
他、映画監督ジャ・ジャンクーのインタビューや沖縄のタトゥーのコラムとかもすごく面白かった。「真実をどう切り取るか、どう見せるか、そもそも真実なんてものは存在するのか」みたいなのはけっこう古くから私が考えているテーマなので、今号は興味のあるトピックでいっぱいでした。特集のタイトルにある「見ようとすれば、見えるのか?」って、かなりラディカルな問いだと思います。
ちなみに、私が出ているページを構成・取材してくださったのは、山本ぽてとさん! 『ルポ 川崎』読みたい度が爆上がりしたので、たぶん近いうちに読むでしょう……。
インタビューをしました→川崎が「地獄」なら日本も地獄です──『ルポ 川崎』著者・磯部涼氏インタビュー |ビジネス+IT https://t.co/uib806OVUh #sbbit @bitsbbitさんから
— 山本ぽてと (@YamamotoPotato) February 21, 2018
STUDIO VOICE vol.412、ぜひ本屋さんやAmazonでチェックしてみてください。
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