チェコ好きの日記

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南イタリア旅行で訪れた都市とかツイートのまとめ

3月末〜4月上旬までの2週間、南イタリアマルタ共和国へ旅行に行っていた。


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どうでもいいことだけど、私、なんとなく自分のしていることを「旅」と表記するのは小っ恥ずかしい気がしていて、文字数に制限があるTwitterなどではその限りではないが、なるべく「旅行」の表記で統一しようとしている。「そんなに大それたことしちゃいませんよ」という意識が働いているらしい。まあ、私の場合は実際、本当にただ行ってるだけなので間違いではない……。


以下は、今回の旅行で訪れた都市の概要やツイートのまとめである。いつかの誰かの参考になれば幸い。

1. 快楽と欲望の都市 パレルモ

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(※パレルモの中心、クアトロ・カンティ)


まずはシチリア島パレルモから。シチリアといえば何よりもまず、マフィアである。村上春樹がここで『ノルウェイの森』を執筆していた頃(1986年頃)は、よく銃声が聞こえたという。しかし、現在は普通にしていれば特に心配するようなことはなく、安全で快適なただの一地方都市だ。と、言いたいところだが、心なしか警察の出動回数が多かったような気はした。でも気のせいかも。あと、人はともかく野犬がウロウロしていているのがけっこう怖かった。





さてパレルモは、どこか"バランスを逸した過剰さ"を感じさせる都市である。不安定で歪んでいる。しかし、その歪みこそがパレルモの魅力なのだ。灼けつくような太陽が照らすのは、黒く煤けた街並み──この都市は、快楽と欲望のために存在している。

2. 深い蒼にはきっと何か裏がある ヴァレッタとゴゾ島(マルタ共和国


もしも私がインスタグラマーだったなら、ここまで来てコミノ島へ行かないというのはちょっとありえない。コミノ島とは、あの「水の透明度が高すぎて船が浮いてるみたいに見える〜!」ことでお馴染みのブルーラグーンがあるところである。私はわりとミーハーなので行きたかったのだが、時間配分をミスって行けなかった。私の計画ではチェルケウア→ゴゾ島→コミノ島と進むはずだったのだけど、ゴゾ島からコミノ島へ行く船がなかった(絶対あると思っていた)。コミノ島へ行きたい人は、ヴァレッタかスリーマかチェルケウアから出発しましょう。


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(※ゴゾ島の中心部、ヴィクトリアの街並み)


マルタ共和国の首都ヴァレッタから見る海は、とても深いコバルトブルーをしている。美しい色だが、見る者をそのまま飲み込んでしまいそうな、ちょっと不気味な蒼だ。きっと何か裏がある。決して油断してはいけない。なぜならヴァレッタトマス・ピンチョンの小説『V.』の舞台であり、「V」とはヴァレッタの「V」なのだ。この美しさに気を許したら、きっと何か怖ろしいことが起こる


V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)

V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)


3. ただの交通拠点 バーリ


バーリは正直どこにも行ってないし何も見てないのだが、南イタリアを観光する上で交通の拠点となる都市なので、訪れざるを得ない。基本的に南イタリアの交通はクソなので、直線距離で結んだら早いものをなんか行ったり戻ったりしないといけないのである。私もマルタ→バーリ→アルベロベッロ→バーリ→マテーラ→バーリ→ナポリと3回も訪れた。3回目ともなると「またお前か……」と思ってしまう。



(※こんなこともありました)

4. この可愛さは税金対策 アルベロベッロ


とんがり屋根のかわいいおうちが並ぶアルベロベッロ。このおうちの名前は「トゥルッリ」という。なお、私が行った日はイースターで祝日だったのでめちゃめちゃ人がいた。日本でいうところの白川郷みたいな扱いらしく、国内観光客が多いのも特徴。



なお、とんがり屋根には石灰で月や太陽やハートなどの謎の記号が書かれているのだが、この記号が何を意味するのかはあまりよくわかっていないらしい。一説には、魔術的な意味があったと言われている。


5. 迫害の歴史が生んだ奇想住宅 マテーラ


洞窟住居(サッシという)で有名なマテーラ。前回の日記で「もうさ、景色とかはすごいの見てもあんま感動しないっていうか、慣れちゃったんだよね」とか言っているのだが、とはいえここはちょっと衝撃だった。


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(※え、岩じゃん、みたいな教会)

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(※街の外部は深い渓谷。死にそう)


そもそもの始まりは、7世紀頃、迫害から逃れたギリシャ正教の修道士たちがこの地に住み始めたのがきっかけだという。これは個人的な意見だけど、美術的(建築的?)観点からいうと、私、「正教」がキリスト教の中でいちばんヤバイと思っているのね。ちょっと誤解を招く言い方かもしれないけど、いちばん狂ってるというか、カルトっぽさがある。マテーラは街全体が「奇想」の塊だ。こんな場所が現実世界にあるなんて、私はまだ信じられない。


6. ガラは悪いがメシは美味い ナポリ


ナポリと言えばピッツァである。私もソルビッロというけっこうな有名店で定番のマルゲリータを食べてみた。美味しいのは想像通りなのだが、それよりも驚くのは値段。ナポリでは「1ピース」という概念がないらしくピッツァは基本的に1人丸ごと1枚スタイルなのだが、その1枚が2ユーロからとかだったりする。チーズが美味しかった……! また、ナポリは海鮮の街でもあるのでボンゴレも食べた。ガラは悪いがメシは美味い街、それがナポリ


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(※ソルビッロのマルゲリータ

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(※ボンゴレ。別に有名店ではない)


7.  長い冬を耐え、羊飼いの夫の帰りをじっと待つ スカンノ


ひたすら山の奥へ、奥へと進んで行ってやっと現れるオアシスのような村、スカンノ。決して訪れやすい場所ではないし、ほとんどガイドブック等には載らないマニアックな場所だけど、独特の時間が流れている。





アンリ・カルティエ=ブレッソン:20世紀最大の写真家 (「知の再発見」双書)

アンリ・カルティエ=ブレッソン:20世紀最大の写真家 (「知の再発見」双書)


スカンノは人里離れたところにある上に、誇り高く、外部の文化をそう簡単には受け入れないとても保守的な村だという。冬は長く、とても深く雪が積もる。その閉塞感に息が詰まり、この地を離れる若者もいる。静寂に包まれた美しい村だが、もしもこの地に生まれていたら、私もスカンノを恨んでいたかもしれない。

8. 神に愛された永遠の都 ローマ


そして、私の最愛の都市ローマ。訪れるのは8年ぶり2回目。私のローマ愛をポエミーに綴ったポエミーすぎる恥ずかしいエントリを以前書いたのだけど、愛するローマを再訪できて良かった。生きてて良かった。何年後になるかわからないけど、おそらく3回目があるでしょう。なぜなら私はローマを愛しているので……。でも住みたいとはあんま思わないんだよね、住みたいのはタンジェ(モロッコ)。パックスロマーナ〜〜〜



(※今回訪れた変わり種スポットは、ローマ近郊の都市E.U.R。 最強にクール、最凶に悪夢)




余談 迷っている奴に道を訊かないで


迷っていても歩くときは早く進みたいのでサクサク。浮かれた感じを出さない人間なので、中国系の移民とかに見えたのかもしれない。移民じゃないです……。


愛してるよ、イタリア!!!