チェコ好きの日記

だいたい木曜日の22時に更新されるブログ

風邪とスピリチュアル

1.

最近まわりでよく「今、日記が面白い」という声を聞く。とってつけたようなライフハックでも逆張りのオピニオンでもなく、その人のふわっとした日常が溶け込んでいる日記が読みたい、と。逆張りのオピニオンが得意な私としては生きづらい世の中になったな……と嘆かざるを得ないし、私、日記書けないんだよな。その日あったことを書くのは苦手だ。ほぼ日手帳に毎日日記を書くという奇行をもう10年以上続けているけれど、それだって読み返すと、「その日あったこと」ではなくて「その日考えたこと」が書いてあることがほとんどだ。10年前の私が、5年前の私が、3年前の私が「何を考えていたか」はわかるけど、「何をしていたか」は、もうわからない。


でも、思うんだけど、人が頭の中で考えていることなんてたいしたことはなくて、本当に大切なのは「行動」だ。頭の中ではいくらでも嘘がつけるけど、行動では嘘がつけない。

2.

私は免疫力がめちゃ高で健康なのが取り柄だったのだが、今年はよく体調を崩している。2月はずっと咳が治らなかったし、先週も風邪を引いて発熱し、丸2日動けなかった。


しかし、「よく」とはいえ、元が年に一度も風邪を引かない元気ビンビン物語な人間だったので、これでやっと人並みという感じである。体調は一例だが、30歳を過ぎて、「おれ、やっと、人間になれた」と思う機会が多い。20代の私は、あまりにも世間からズレており、今思えば妖怪のようだった。昔のことを思い返して「そんな考え方でよく生きてこれたな……」とヒヤヒヤすることがある。


今だって所詮「半妖」といったところだが、たぶん前よりはマシ。でも、はたして「マシ」になることが私のやりたかったことなのか、なりたかったものなのかは、よくわからない。まあ、「マシ」にならないと早死にするだろうから、これで良かったのだろう。よりよい生産、よりよい適応。Fitter, happier. 

3.

風邪といえば、「治らない……」とメソメソしていたら彼氏に「ちまちま市販薬を飲んでないで病院でもらった薬を飲め」と言われたので、その通りにしたら、病院の薬って本当に効くんだなあとびっくりした。あまり病気をしない人間なので知らなかった。


「何によって体が治るか」というのは、「その人が本当は何を信じているか」という話に繋がる気がしている。アマゾンの奥地に住んでいるヤノマミ族は、文明と未接触だった頃は集落のシャーマンの「まじない」で、本当に体が良くなっていたそう。「まじない」で病気が治るなんて迷信でしょと我々は笑うが、ちがうのだ、本当に治るらしい。でも、外の文明と接触して、病院で薬をもらったり手術で病気を治したりしだしたら、「まじない」は効かなくなった。それはきっと、「まじない」より西洋医学が優れていたわけではない。彼らの、「信じているもの」が変わったのだ。


他にも、東洋医学にハマっていた人が伝染病にかかって病院に搬送され、点滴だの薬だのを大量に投与された結果ものの一発で体調が回復し、「やっぱ西洋医学すげえ」と鞍替えした話とかも、けっこう好き。この人は頭では東洋医学に傾倒していても、体はやっぱり西洋医学を信じたままだったのだ、きっと。


次に病気になったときは、薬を使わないで治してみようかなと思う。今回は、ちょっと耐えられなくて、「早く治りたい」と思ってしまった。『風邪の効用』とか読めば、体調不良ですら楽しめるかもしれない。「体」と「行動」は正直だ。

風邪の効用 (ちくま文庫)

風邪の効用 (ちくま文庫)

4.

ところで今年体調を崩しがちな原因だけど、これは単純に、ちょっと生活が不規則で睡眠不足気味だからだろうなと思う。熱でうなされているとき、「体の不調は宇宙からのスピリチュアルなメッセージが……」みたいなのを読んでうっかり信じてしまいそうになった。私はよく喉を痛めるのだけど、これは「言いたいことが言えてない」というスピリチュアルなメッセージが含まれているのだそうだ。


でも、毎日言いたいことが100%言えてる人間なんているわけがないので、「言いたいことが言えてない」なんて当たり前だ。誰にでも思い当たること言うんじゃねえ。これだからスピリチュアルとか占いとかは嫌いなんだよ私は……! と、キレたいところであるが、実は最近、興味がわいてタロットカードの勉強をし始めた。友人に理由をたずねられたのだけど、私はもともと西洋美術の勉強をしていた人間なので、宗教画のモチーフを読み解くとか、なんかの図像を読み解くとか、そういうの好きなのだ。


「目標は?」と聞かれたので、「ごくごく狭い身内を占って、お世辞でもいいから『当たってる〜!』と言われること」と答えたら笑われてしまった。私は人の心が読めなくてなかなか「言い当てられない」ので、それができるようになったら、ちょっとお世辞入っててもだいぶスゴイと思うんだよね。


しかし、実は私、ストレングスファインダーの結果に「共感性」が入っている。ストレングスファインダーがインチキなのでは? という説も拭い去れないが、たぶん、人の心が読めないのではなくて、読みすぎてるんだろうな、と最近は思っている。


今年中に、私の占いの生贄になってくれる人を誰か見つけよう。「全然当たってないよ」と笑ってくれたら嬉しい。