チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年でいちばん嬉しかった「書く」ことについての話

こんばんは。2018年のブログ更新は今日が最後です。来年は1月3日から、また木曜日に更新する予定です。 1. 思い返すと、今年の初めは原因不明のもやもやに包まれていて、「もう書くことないんだよね」とか言っていたところから始まり、そこからなぜか「小説…

2018年に読んで、面白かった本ベスト10

毎年恒例のアレ。なお、年間のまとめなので一部、2018年上半期編と重複しております。 aniram-czech.hatenablog.com 2017年編はこちら。 aniram-czech.hatenablog.com 10位『水木しげるのラバウル戦記』水木しげる 水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)作…

インプットの季節

文フリも終わったし、公私ともに落ち着いたし、寒いし、来年の春に旅する場所も決まったしで、本を大量に買い込んでいる。来年のはじめに発表する予定の短編小説の準備などもしているのだけど、それはそれとして、しばらくは落ち着いて映画や本からインプッ…

【感想】『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』

これは前々から思っていたことだけど、実は「カルチャーショック」よりも、「逆カルチャーショック」のほうが、3倍くらいショッキングだったりしませんか? 自分が他の文化圏を旅して異なる文化に触れたそのときよりも、異なる文化に数週間浸かってみて自国…

文学フリマという本気度100%の遊び

25日、参加した文学フリマを終えました。来てくださった方々、本当にありがとうございました。 20部刷ってすべて完売したのですが、先日書いたとおり、絶対に売れ残ると思っていたし、むしろ1冊も売れない覚悟すらしていました……。 ところでこの20冊、1冊500…

ハズレのくじを引く

僕がまだ年若く、心に傷を負いやすかったころ、父親がひとつ忠告を与えてくれた。その言葉について僕は、ことあるごとに考えをめぐらせてきた。「誰かのことを批判したくなったときは、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。「世間のすべての人が、お…

【お知らせ】11/25 文学フリマ東京会場 ブースは オ-35〜36 です。

タイトルの通りなのですが、11/25(日)の文学フリマ東京会場で、創作小説を出品します。「行く!」という人がいたら、ぜひオ-35〜36のブースにお立ち寄りくださいませ……。note.mu ちなみに部数は20部作ったんですが、いかんせん弱気なので、「絶対刷りすぎ…

ジョン・レノンを殺した男

日々生活を送ったり、いろいろな映画や文学作品に触れていると、「あ、私、まあまあ頭やばいな」と思う瞬間がある。この文脈における「やばい」にはポジティブな意味は1ミリも含まれていなくて、ネガティブ100%の、「法に触れる罪を犯しちゃいそう」という意…

AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.1〜10)おすすめ優先度付き!

SOLOの連載がAMに移行してしばらく経つのだけど、月2回くらいのペースで定期的に更新している。こちらの連載、私が好き放題なんか言ってることのほうが多いのだけど、体裁は一応「ブックガイド」だ。なので、今回はそんな連載先で紹介した本を、第1回〜10回…

村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』全作品レビュー

短編小説集『回転木馬のデッド・ヒート』は、私が(たぶん)人生で2冊目に手に取った村上春樹の本である。ちなみに最初に手に取ったのは『パン屋再襲撃』。時は(たぶん)2002年、私は高校1年生である。 内容はほとんど忘れていたんだけど、今回実に16年ぶり…

忙しいとき暇なとき

去年の今頃、記憶にある限りではずーっと全然なんにも予定がなくて、けっこう暇していた気がするんだけど、今年は良くも悪くも予定がたくさんあって最近ちょっと疲れている。暇なときは暇なときで「私このままで大丈夫か?」という気になってくるし、暇じゃ…

もっと詳しいプロフィール/これまでのお仕事(2018年〜)

2018年以降のお仕事をまとめています。2015年〜2017年のものはこちら。aniram-czech.hatenablog.com 雑誌での選書 aniram-czech.hatenablog.com 寄稿 ten-navi.com project.nikkeibp.co.jp am-our.com 連載 am-our.com 映画チラシへのコメント \8/4公開『バ…

「会いたい人」のいない生活

「面白い人に会いたい!」って、そういえば最近あんまり思わなくなったな、と気が付いた。 もともと、私はそこまで人に積極的に会いたがるタイプの人間ではないのだけれど。それでも、1年前くらいまでは、やっぱり「面白い人に会いたい!」って、けっこう思…

わたしが見たいセカイだけを、見せて

この1週間、ブログのことをすっかり忘れてバタバタモタモタしていた。だからこの文章は、ただ更新を滞らせないためだけに、めっちゃ慌てて書いている。 そのため、誤字脱字、論旨の不明確な点などがあってもご容赦いただきたい……のだが、それだといつものエ…

いろいろなお知らせと「Twitterでやれ」と思うこと

お知らせと日記です。 お知らせ① DiGITALISTで「旅」について考える連載を始めました project.nikkeibp.co.jp今ある「旅」のイメージって、娯楽であったり仕事と関連してるカッコイイやつだったり自分探しだったり……みたいなのが主だと思うのですが、私たち…

美容鍼を打ちに行ったが効果はあまり感じられなかった

直近1週間の日記です……が、掲題の日の日記が長くなってしまったので、3日分だけ。 2018.9.15 借りた本が面白い 人から借りたんですが、この手の本って説明的になりがちなのに、これはしょーもないゴシップが多くて珍しく笑いながら読めた。「医者を信じずに…

名は体を表す不思議な話

「あなたのMarinaって名前は、本名? 日本人なのに、イタリア人みたいな名前ねえ!」 旅先のイタリアの宿で女主人に微笑まれ、私は苦笑いをして視線をそらす。 名前のことをヨーロッパで突っ込まれるのはすでに何回か経験しているが(アテネでは「ギリシャ人…

そんないいもんじゃない生活

直近1週間の日記です。 2018.8.31 子宮教 ウェブで熱心に「子宮教」関係の記事を読んでしまう。子宮教とは、子宮を温めたり子宮の声(???)に耳を傾けるようにすると、美容にも健康にもよくお金もガッポガポでパートナーにも恵まれ人生ハッピーになるとい…

幸せになったら、面白いものは作れないってほんとう?

1. 一部のクリエイターの間では、「創作者が幸せになってになってしまうと、生み出すものから面白さが失われてしまう」という噂が、真しやかに囁かれている。これは、本当なのだろうか? その謎を解明すべく、私は一同を率いてアマゾンの奥地へ……は、向かっ…

渦巻く嫉妬と『世紀の光』

前回の日記やTwitterなどで「私は『カメ止め』を評価しない!」みたいなことを散々いっているのだけど、これはまあ、バレているかと思うが嫉妬というか、マウンティングである。どういう類の嫉妬/マウンティングなのかというと……。 たとえば、合コンに行くと…

盆暮れ正月と冠婚葬祭が苦手

直近1週間の日記です。 2018.8.10 盆暮れ正月と冠婚葬祭が苦手 今日からお盆休みに入る人がけっこういるらしい。「東京が閑散としている」と語っている人が何人かいた。一方、私はというと完全なる通常営業。休みは世間とズレた時期にとりたい派なので、盆暮…

寄稿しました/私を変えようとはしなかった母

Dybe!さんで、「孤独とコミュニケーション」について書いたコラムを公開してもらいました。 ten-navi.com ここでは、小学校5年生のとき新しいクラスで友達ができなくて、私自身はぜんぜん気にしていなかったんだけど、担任が家庭訪問でそれをうちの母親にチ…

あなたの知らない顔

直近1週間の日記です。 2018.7.27 やっぱり書くことがない2.0 書くことがない。しかし、正確にいうとこれは「ブログに書くことがない」という意味である。つまり、ブログ以外なら書くことはある。noteならある。AMの連載*1ならある。あと、小説は6〜7月の2ヶ…

世界のルールを知らないままで/最近読んだ宗教に関するコミックエッセイのまとめ

最近というかここ半年くらいで、宗教に関するコミックエッセイを何冊か読んだのがたまったので現時点でのまとめ。この手のエッセイはまだまだあると思うのでまだまだ読むと思う。 今回扱うものは「宗教二世」の方のものばかりのだけど、手記ではなくコミック…

「安牌」な女

直近1週間の日記です。 2018.7.13 「裏切り」という行為 私の人生31年、今のところ、誰かに対して「裏切られた」と思ったことが一度もない。 だから、「裏切ったり、裏切られたり」の話をしている人に出会うと、いつも「何の話をしてるんだ?」と思ってしま…

わたしは痴呆老人になってもべつに平気

なんとなくだけど、おそらく多くの人が痴呆──いわゆる「ボケる」ことを嫌がっていて、だからこそ一時期「脳トレ」とかが流行ったのだろう。なぜ「ボケる」ことに恐れおののいているのかというと、家族や他人に迷惑がかかるのが嫌なんだろう。 だけど最近の私…

2018年上半期に読んで面白かった本ベスト10

恒例のやつです。今年の1月から6月末までに私が読んだ本の中で、面白かった本10冊のまとめ。SF小説が増えました。 10位 『旅のモザイク』澁澤龍彦 旅のモザイク―渋澤龍彦コレクション 河出文庫作者: 渋澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2002/03メ…

新海誠化していくこの世界

今年の一月、新海誠監督の『君の名は。』が地上波で放映されたことは記憶に新しい。 私は映画館で観た派だったのだけど、「文句つけてやらあ! 文句文句!」と喧嘩腰で臨んだところ、普通に感動しホロホロと泣いてしまった。「東京」をあんなにも美しく描い…

『万引き家族』の謎と(私の)解釈

是枝裕和監督の『万引き家族』を観てきた。第一印象として適切かどうかはわからないが、「なんだか〈謎〉の多い作品だなあ」と、まずは思った。もちろんこの〈謎〉は、是枝監督が意図的に残したものだろうと思う。 しかし、これを書く前にすでにいろいろな人…

思い出を愛しているの?

1. 「誰」を愛しているの? 数年前、恋人と一緒に見たとあるテレビ番組のことを、よく覚えている。 番組の特集は「認知症」で、画面に映っていた高齢のご夫婦は、旦那さんのほうがほぼ寝たきりで、おまけに認知症を患っていた。奥さんは、その介護をしている…