チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

南欧

秘密のイタリア、極私的ディープコレクション11

イタリアを旅行していると、ときどき「人間とは、何と罪深い存在なのか」と目眩がする瞬間がある。 雑事に追われる凡庸な一般人である私たちは、日常において知らず知らずのうちに、己の限界を設定してしまう。よりよく、健全に、罪なき存在として生きようと…

謎に包まれたイタリアの小さな村「スカンノ」への行き方・帰り方ガイド、そして珍道中

イタリアの山奥にひっそりと佇む、「スカンノ」という小さな村がある。 イタリアの山奥にあるガイドブックにほぼ載らない小さな村、スカンノ。写真家のアンリ・カルティエ=ブレッソンやマリオ・ジャコメッリがここを訪れて有名な作品を遺してるので、来て…

南イタリア旅行で訪れた都市とかツイートのまとめ

3月末〜4月上旬までの2週間、南イタリアとマルタ共和国へ旅行に行っていた。 どうでもいいことだけど、私、なんとなく自分のしていることを「旅」と表記するのは小っ恥ずかしい気がしていて、文字数に制限があるTwitterなどではその限りではないが、なるべく…

アヘンで人は幸福になれるか?

世の人の苦悩は、たいてい「欲望と現実のギャップ」から生まれる。たいていっていうか、100%そうかも。モテたいのにモテないとか、結婚したいけど相手がいないとか、お金がいっぱい欲しいのにお金がないとか、好きなことを仕事にしてガンガン稼いでモテまく…

「婚活でパワースポット巡り」なぜダメなの?

「これ、別に当たってなくない……?」と感じることのほうが多いので、基本的に占いを信じていない。とはいえ、美容院とかで雑誌を渡されるとなんだかんだでブツブツ言いながら最後のほうのページを見ているし、またネットの占いも文句を言いつつけっこう見て…

【中東旅行記/最後】オーパーツを見逃したアテネ

旅行記の続きです。今回分で、一応旅行記が終わりです。前回分はこちら。aniram-czech.hatenablog.comといっても、メインのつもりで想定していたイスラエルを出た後に訪れたギリシャのアテネは、私のなかでは完全な「おまけ」という位置付け。ギリシャはギリ…

【中東旅行記/2】精神的な余裕がないときにする「何か」。

先日、とある方から質問を受けて、「おお、そうか!」と思ったことがあります。その方は、「(あなたがやっているような)旅行とか芸術鑑賞とかっていうのは、精神的な余裕があるからできることですよね? 精神的な余裕を保つために、何か心がけていることは…

【中東の旅/1】自己肯定感を高めたかったらイタリアに行けばいいじゃない

……と、タイトルにあることは半分本気でありつつも半分冗談なんですけど、私は「自己肯定感」という言葉はあまり好きではありません。「またその話かー」と思ってしまうからです。しかし、「またその話かー」となるということは、私を含めた現代の日本の一部…

流謫と残留 あなたはどっち派?

私のハンドルネームは「チェコ好き」というんですが、今更ですがこのハンドルネームの由来を説明すると、大学と大学院時代にチェコ映画を研究していたことが元になっています。具体的にいうと、卒業論文はヤン・シュヴァンクマイエルという監督について、修…

神様は遠くにありて想うもの

初めて訪れたヨーロッパの都市は、チェコのプラハだった。パリを経由して飛行機が空港に着いたとき、時計は23時をまわっていた。空港の無愛想なおばさんからタクシーの乗り場を聞き出して、私は車の窓から、初めてヨーロッパの街並みをその目で見ることにな…

怪奇幻想カルト映画『サラゴサの写本』と過ごしたクリスマス

もうとっくに過ぎてしまったクリスマスの話を今更しますが、ところでスペインの地名ってなんであんなに幻惑的なんでしょうね。グラナダ、コルドバ、アンダルシア、そしてサラゴサ。あまりにも響きが美しいので、口にするだけでゾクゾクしてしまいます。『サ…

私が愛しているイタリアの教会・修道院5選

毎年、あったかくなってくると私のなかの“旅行欲”がむくむくとわき起こってしまってほとほと困っているわけですが、もうすぐGWですね。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。突然ですが、私はイタリアが好きです。なかでもいちばん好きな都市は、やはりロー…

高校生のときに出会いたかった! 『ハプスブルク家12の物語』 

みなさん、高校生のとき、世界史は得意でしたか?かくいう私は、世界史大好き&割と得意なほうだったのですが、それでもやっぱり覚えにくかったのが、やたら出てくる○○1世だの○○2世だのっていう、紛らわしい人物名。たとえば、ヨーロッパ史の核であり、中世…

旅をすることで人生は変わる 番外編の「庭園」

2010年のイタリア~フランス旅行の想い出をつづった、「旅をすることで人生は変わる」シリーズを、全8回の連載で終了しました。 旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編 - チェコ好きの日記 旅をすることで人生は変わる フィレンツェ編 - チェコ好きの日…

破天荒、波瀾万丈の画家 カラヴァッジョ

以前、イタリア旅行のエントリで、ローマ編を2回にわたって書きました。 旅をすることで人生は変わる ローマ編 その1 - チェコ好きの日記 旅をすることで人生は変わる ローマ編 その2 - チェコ好きの日記上記のエントリでは書ききれなくてふれませんでしたが…

旅をすることで人生は変わる ローマ編 その2

1回で書き終わると思っていたけれど、終わらなかったローマ編。「その1」はこちらです。 旅をすることで人生は変わる ローマ編 その1 - チェコ好きの日記★長らくふれていませんでしたが、そもそもこの旅は、アンドレイ・タルコフスキーの、『ノスタルジア』…

旅をすることで人生は変わる ローマ編 その1

「その1」って何だ? と思うなかれ。笑長かった旅も、いよいよ終盤です。前回のエントリはこちら。 旅をすることで人生は変わる オルヴィエト~タルクィニア編 - チェコ好きの日記この旅では、フィレンツェの郊外から始まり、シエナ、アッシジ、オルヴィエト…

旅をすることで人生は変わる オルヴィエト~タルクィニア編

この連載エントリは、いったいいつまで続くのか。予定では、あと3回くらいで終わります。笑聖フランチェスコの街、アッシジをあとにした我々は、 旅をすることで人生は変わる アッシジ編 - チェコ好きの日記岩壁の上の街、オルヴィエトを目指します。 オルヴ…

旅をすることで人生は変わる アッシジ編

イタリア旅行記、ちょっと飽きてきましたか?笑でも、旅はまだまだ続きます。次に向かうのは、聖フランチェスコの街、アッシジです。 ちなみに、これまでの道程はこちら。旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編 - チェコ好きの日記旅をすることで人生は…

旅をすることで人生は変わる シエナ編

もし、明日で人生がおわってしまうとしたら、何をしますか?私は、1年くらい猶予があればもちろんまた別に考えますが、もし、明日で人生がおわってしまうとしたら、アンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』を見ます。『ノスタルジア』には、この世界の…

旅をすることで人生は変わる フィレンツェ編

前回はフィレツェ郊外の、フィエーゾレという街について書いたところで終わってしまいましたが。 旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編 - チェコ好きの日記 やっと、フィレンツェに入ります。★メディチ家によってその栄華を極め、「花の都」とよばれる…

旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編

大学4年間と、大学院2年間、計6年間を映画の研究に費やしたという、稀有な(無謀な)経歴の持ち主な私。「おすすめの映画は?」と聞かれれば、もちろん「ヤン・シュヴァンクマイエル」と答えたいところだけれど、(※シュヴァンクマイエルって何?という方は下記…