またまた長らく、ブログを放置していました。ブログを放置しまくっている理由は、二次創作がまだまだ面白くて、そっちで小説ばっかり書いているからです。さすがに恥ずかしいため、というか基本的に女性向け二次創作はそのカプが好きな人じゃないとまったく面白くないため、「これが私のpixivです! どーん!」とリンクを貼ることはできないのですが、相変わらず楽しくやっています。
最初に「【ご報告】同人女になりました」のブログを書いた日からもう2年が経ち……あれから、いろいろありました。たとえば、とらのあなでVISAとMasterが使えなくなったりとか……。
私自身のことで言えば、人見知りすぎて最初は全然同人のお友達ができず、オンリーイベントなどの即売会のあとも1人でサッと片付けてすたすた帰るということをしばらくやっていたのですが、3年間もリアルイベントにちまちま出続けていたらさすがに顔を覚えられ、みんな恐る恐る(?)遊んでくれるようになりました。よかったー。
同人のお友達は独身だったり既婚だったり子供がいたりいなかったりシングルマザーだったり、20代だったり30代だったり40代だったりしますが、特にライフスタイルの話はせず、喫茶店でコーヒーをがぶ飲みしながら「◯巻の第△話の⚫︎⚫︎⚫︎(キャラ名)のモノローグをどう解釈するか」みたいなことを4〜5時間くらい語り合っています。若い頃は私も人並みに「そうなのかな」と思ってビビっていたけれど、女性はライフステージが変わると子持ちは子持ち同士、独身は独身同士でしか話が合わなくなるなんてのは、どうやら婚活業者が考えた大嘘だったようです。「◯巻の第△話の⚫︎⚫︎⚫︎(キャラ名)のモノローグをどう解釈するか」だったら誰とでもコーヒーをがぶ飲みしながら4〜5時間語り合えるということが中年になってわかりました。つまり、お友達はライフステージに関係なくいつでも、何歳でもできるということです。そう、人見知りじゃなければ……(この点、私は最初の数年は危うかった)(うちのジャンルの女性陣が優しい人たちでよかった)。
そして、とりあえず現実世界の属性やステータスは置いといて、互いの本名も知らないまま「◯巻の第△話の⚫︎⚫︎⚫︎(キャラ名)のモノローグをどう解釈するか」を4〜5時間語り合える、そういうコミュニティに出会えたことですごく人生の可能性が広がったし、こういう方向性のコミュニティが世の中にもっとあったほうがいいんじゃないか……みたいなことを5万字くらいで考えてまとめたエッセイ『中年女の二次創作 〜独身女、三十半ばにして推しカプができるの巻〜』を、文学フリマ東京39で頒布することにしました! 1年以上前から書く書く詐欺になっていたエッセイを、ようやく完成させることができました〜! スペースは【西3・4ホール と-16】です。サークル名はいつもの「創作メルティングポッド」です。
宣伝か〜い! と思ったそこのアナタ、まあ、このブログは確かに文フリの宣伝ではあるのですが、もうちょっと続きます。
最近になって、「推し活」という言葉がだんだんマイナスの意味を持ち始めたように思います。「推し活」と言っても幅広く、私がやっているような漫画やアニメやゲームを原作とした二次創作もその範疇に入らないわけではないのだろうけど、多くの場合はアイドルや俳優にハマっていることのほうをメインで想定していることが多いのかな? よくわからん。マイナスの意味を持ち始めた理由は、グッズを大量に買わせたり、同じ舞台を何度も見に行かせたり、やっていることがだんだん「宗教」とか「歌舞伎町のホスト」みたいな感じになってきているから……だと認識しております。これは確かに健全とは言えない。私のいる界隈でもグッズのランダム商法(どのキャラが出るのか事前にわからないため、推しが出るまで何度もガチャのように買わせようとしてくる販売の仕方)がとても憎まれていたりします。
でも、「お金を使わないとファンじゃないみたいだ、居心地が悪い」とか言って「推し活」に疲れていってしまう女性は……正直、そんなに見かけません。いや、もちろん私の視界に入っていなくて見落としているだけかもしれないので、界隈のどこにも絶対にいないゼロ人である! とまでは言い切れませんが。私のいるジャンルの年齢層が高く(だいたいアラフォー)、みんなそこそこ分別があるせいか、お金を使わないといけない義務感のような空気は特にありません。これだけ熱心に10万字だの15万字だのの小説を何本も書いて印刷し即売会で頒布している私も、実はこの3年間でオタク活動費に使った金額は多く見積もっても10万円を余裕で下回っております(印刷代は毎回ペイしているのでほぼプラスマイナスゼロ)。なので、「推し活」はすごくお金がかかるみたいな最近のイメージにはどうも違和感がある。お金をかけない推し活、できるけどなあ。というか、世間の空気とは逆に、オタクってお金のかからない趣味でいいなあとずっと思っていました。何せ私の30代前半までの趣味は海外旅行ですからね(原稿のやりすぎで行けないだけで今も海外旅行好きだけど)。それに比べるとオタクは……。
私たちのコミュニティではなぜ「買いたい人だけが買えばいいのでは?」みたいな感じでゆるく活動することが許されているのかというと、1つにはやっぱりアラフォーがメインでそこまで趣味にお金をかけられないからというのがあると思うのですが、もう1つはこれが二次創作のコミュニティだから、ってのもある気がします。「消費」というよりは「創作」を軸につながっているコミュニティなので、お金をいくら使ったかよりも、「◯巻の第△話の⚫︎⚫︎⚫︎(キャラ名)のモノローグに関するあなたの解釈、いいですね……!」みたいな方向性のほうがマウントを取れる気がする。いや、別にマウントは取らなくてもいいのだが、同じジャンルにいる仲間に「あなたの解釈が好きだ」と言われたら、うちの界隈にいる女性たちはすごくすご〜く、みんな喜ぶと思います。そんなこと私も言われてぇ〜。
と、ここまで書いて思いましたが、私もブログを始めてもう10年。いささかのポジショントークを含みつつ、「消費」ではなく「生産」せよ、「創作」せよ──という結論にいつも達してしまうのが、我ながら癖なのかもしれません。よく考えたら10年前も同じことを言ってましたな。
今回頒布するエッセイは、二次創作をやっている(読んでいる)女性にいちばん読んでほしいと思っていますが、二次創作をやっていなくても、20代〜50代の幅広い世代の女性、特に独身女性に手に取ってもらえたらいいなと思っています。30代半ばを過ぎた独身の女というのはどうも世間から「不幸」で「みじめ」であることを期待されているように思いますが、私の場合はめちゃくちゃ普通ですね。
あ、サークル名はいつもの「創作メルティングポッド」となっておりますが、新刊の著者は私1人なのでスペースにいるのは私だけです。でも創作メルティングポッドの既刊も持っていきますので、過去作に興味を持ってくださる方もぜひ気軽にお立ち寄りください! あと新刊は年内にBOOTHでの通販も予定していますので、東京ビッグサイトに来られない方にも興味を持っていただけたら嬉しいです。ブログでもお知らせする予定ですが、「入荷お知らせメールを受け取る」をポチッとしていただくと在庫が入ったときに通知が届きます!