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チェコ好きの日記

旅 読書 アート いいものいっぱい 毎日楽しい

旅好きか否かって、血液型の話みたいなものでしょう

フランツ・カフカの名前は、20世紀を代表する作家の名前としてあげることができると思います。有名な話ですが、カフカチェコ出身のユダヤ人で、プラハ市内の保険局に勤めながら小説を執筆していました。しかし、この人は闇が深すぎたのかなんなのか、ほぼ会社と自宅の往復のような生活を送っていたくせにその想像力の源泉は尽きることなく、歴史に残るような名作(迷作?)をたくさん残しています。まあ、プラハからまったく一歩も出なかったということもなくて、しばしばバルト海であったり北海であったりに旅行に出かけていたみたいですが、これは冒険の旅というよりは療養の旅、リゾートや温泉に行くような旅だったものと思われます。あと、就職したあとも長く実家を離れることなく、両親と一緒に生活をしていたようです。

つまり、私は何がいいたいのかというと、今の我々の感覚で考えると一見「クリエイティブ」とはかけ離れたような生活を送っていた人でも、歴史に残るような超絶クリエイティブな作品を作っているということです。時代や国や才能のちがいを考慮せざるを得ない点もあるとはいえ、「こうすればクリエイティブ」ということはあんまりなくて、実家暮らしだろうと会社員だろうと旅をあんまりしなかろうと、そんなの関係なく面白いもの作れる人は面白いもの作れるよということです。面白いか面白くないかということを、その人の属性で判断しようとするのはあまり賢明ではないのではないか、というのが私の考えです。また自身に対しても、「これをしているから私は面白い」と思い込んでしまうのはただの怠慢です。

ちなみに、このあたりをもう少し考えてみたい人には、『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』という本がおすすめ。こちらの本は、フランシス・ベーコンマルクスピカソヘミングウェイ、そして村上春樹まで、世界にその名を轟かせた天才たちの日課が書いてあるという本なのですが、芸術家の名そのままにド派手で破天荒な生活を送っていた人もいれば、「はあ?」って思うくらいルーティン続きの地味な生活を送っていた人もいるということがわかります。つまり、「クリエイティブ」に法則性はまったくない、ということですね。ある意味とても残酷なお知らせです。

天才たちの日課  クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

ここからが本題です

主張はこれくらいにして、じゃあどうしたら面白いものが作れるようになるのかというと、これはもう法則性がないわけですから、各々が自分に最適な方法を考えるしかありません。フリーランスのほうが本気になれて面白いものを突っ込めるという人もいれば、会社員として安定した身分を確保した上でのほうが安心して面白いものが作れるという人もいます。旅行に行ってきて冒険したほうが面白いものを発見できる人もいれば、ルーティンのような毎日のなかで微妙な差異を見つけ出すことに秀でた人もいます。私はそれは血液型の話みたいなものだと思っていて、たとえば私はB型なんですが、かのエリカ・アンギャル氏が「食べる美容液」と謳ったアボカドは、B型の人の体質に合わないらしいのです。……真偽はさておき、ある人にとって最高のものでも、別のある人にとってはほとんど用をなさないものである、ということはわりとよくあることでしょう。自分がどんな状態でなら最も面白いものが作れるのか、どんなインプットの仕方が最も効率がいいのか、それは血液型や体質のように人によってバラバラです。だから、手間はかかりますが試行錯誤を重ねた上、それは自分で考えるしかないのでしょう。

ただちょっと注意したほうがいいのは、人間というのは自分と似た属性の人がまわりにたくさんいると安心する生き物なので、ボーッとしているとフリーランスフリーランスで、会社員は会社員で、旅好きは旅好きで、旅嫌いは旅嫌いで、都会の人は都会の人で、田舎の人は田舎の人で固まってしまいがちだということです。もちろん、そのほうが(良くも悪くも)「思い込み」が強くなり、エッジの効いたものが作れるんだという人もいると思うので、これを一概に否定するつもりもないのですが、私自身はまわりにいろいろな属性の人がいたほうが面白いとかんじる性格です。だから、私が書いている旅行記を旅好きの人に読んでもらうのも嬉しいけれど、旅好きじゃない人に読んでもらうのも嬉しい。逆に、私は脳の解像度がガバガバで麻薬中毒みたいなところがあるのか、日常のなかのちょっとした差異みたいなものに気付きにくいので、そういったものに注目できる人は素直に尊敬しています。

だけどまあ、ポジショントークを許してもらえるのであれば、このブログを読んでいる人のほとんどは日本国籍を有していて、せっかく日本のパスポートを持てるのだから、ちょうどパスポートの期限である10年に1度くらい、日本ではないどこか遠くの国へ旅に出てみても損はしないんじゃないかなんて思います。私も私で、いつもどこか遠くの異国の話ばかりしていないで、テレビでも見てみればいいのにと自分で思うのですが、それはこの前書きましたね。
note.mu

あと余談ですが、カフカは女性にもけっこうモテたらしいです。あの陰気さが好きという女性がいたのだろうか……イケメンだからモテるとか、お金持ちだからモテるとか、遊び慣れてるからモテるとかっていう考えも、あまり賢明ではないですね。その人はその人だからモテるのであり、その人はその人だから面白いのだと私は思います。属性を真似してもあまり意味はありません。

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