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チェコ好きの日記

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「好き」の反対は「無関心」 私が好きじゃない画家5選

けけさん(id:xKxAxKx)の『嫌いな音楽 - K Diary』というエントリがすごく印象に残っていて、私もいつも好きなもののことばかり書いているので、たまには嫌いなもののことも書いてみたいと思いました。

ただ1つ困ったことがあって、実に面白みのない人間だなぁと自分で思うのですが、私は「嫌いなもの」があまりないのでした。食べ物も日本人が日常的に口にしているものであれば好き嫌いなく何でも食べるし、音楽も「興味ない音楽」ならたくさんあるけど「嫌いな音楽」っていうとないかもしれないです。映画監督では岩井俊二が嫌いなんですが、私の「嫌い」は「嫌い嫌いも好きのうち」みたいな部分があって、何だかんだいいながら岩井俊二作品はよく観ているんですよね。そして、観るたびにぶつぶつ何か文句をいっています。これはもう立派な「好き」なんじゃないかと自分で思います。

というわけで、私にとって「嫌いなものを選ぶ」ことは「好きなものを選ぶ」の5倍くらい難しい作業だったりします。大学生が就活のときにやる自己分析とかでも、「やりたいこと」はたくさん思いつくけど「やりたくないこと」ってほとんど思いつかなかったんですよね。機械に巻き込まれて死ぬのは嫌だとか、車で引き回しにされて公開処刑に合うのは嫌だとか(サム・ペキンパー『ワイルドバンチ』で再確認する、「こんな死に方はイヤだ!」 - (チェコ好き)の日記)まぁそんなもんです。あとは、虫とお化けが嫌いです(だからホラー映画は映画史的に重要なやつしか観ない)。

そんなかんじで、嫌いなものを集めるのはすごく難しかったので、「嫌い」までいかないけど「好きじゃない」もので妥協したというのが今回のエントリです。ついでにいうと、「好きじゃない音楽」を集めるのも難しかったので「好きじゃない画家」にしてみました。「好きの反対は無関心」とはよくいったもので、以下にあげた画家は私にとってほとんど「無関心」、「興味がない」人たちです。

1 ジャン・オノレ・フラゴナール

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ジャン・オノレ・フラゴナール『ぶらんこ』

まず1人目が、フラゴナールフラゴナールの絵って観てると眠くなっちゃうんですよね。これを始め、どうやら私はフランスのロココ美術が好きじゃない(興味ない)みたいです。同じ時代のイギリスの絵画は好きなものが多いので、フランスだけダメらしいです。でもロココの建築と工芸品は好きなんですよね。きっと楽しそうで平和な雰囲気が眠いんだと思います。

2 オーギュスト・ルノワール

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オーギュスト・ルノワール『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』

ルノワール、モネあたりの印象派の画家も好きじゃないものが多いです。印象派が美術界にもたらした衝撃とか、「美術史としての印象派」の本を読んだりするのは好きなんですが、印象派の作品そのものにはあまり興味がないです。ただモネは、昨年ナショナル・ギャラリーで『グラヌイエールの水浴』を観て水の描写に感動してしまったので、どうにもこうにも良さがわからないのはルノワールですかね。

3 黒田清輝

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黒田清輝『湖畔』

黒田清輝始め、このあたりの近代日本画は面白がり方がわかんないものが頻出します。「きれいですわね」としかいいようがない絵が多くて、(個人的に)つまんない。黒田清輝の『知・感・情』にいたっては「???」というかんじ。

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黒田清輝『野辺』

ただ、黒田清輝の『野辺』だけは好きです。このちょっと、イケナイかんじ。

4 ポール・セザンヌ

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ポール・セザンヌ『林檎とビスケット』

セザンヌキュビズムを予告した画家といわれているので、きちんと勉強したらすごく面白くなって好きになるかもしれません。静物画とかも、モチーフの意味を汲み取って丁寧に観れば「ふむむ」とは思うものの、第一印象としてはやはり眠いです。

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カラヴァッジョ『果物籠』

同じ静物画でも、カラヴァッジョのは大好きです。なぜなら、エロいから……! 熟した果物が醸し出すこの色気。

5 故宮博物院の白菜

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最後はコレ。「画家じゃないのかよ」というかんじでネタ切れしているのがバレバレですが、故宮博物院の白菜です。白菜は白菜なんだけど、私も食べる白菜は好きなんだけど、白菜をここまで美しく作られても「???」です。台湾で本物を観たこともありますが、「???」としか思わなかったです。ちなみにこの白菜、6月24日〜7月7日まで上野の東京国立博物館にやって来るそうなので、興味のある方は行ってみてはどうでしょうか。でもこの白菜、キーホルダーとして売られているのを見るとちょっとかわいい。

★★★

なお、いうまでもないことですが、ここに「好きじゃない」とあげた画家(と、白菜)は私の好みの問題で「好きじゃない」といっているだけなので、だから作品として価値がないとかそういうことは一切思っていないです。要は私が鑑賞ポイントをつかめてないわけです。本物を観たらイッキに見方が変わって好きになったとか、ある本をきっかけに好きになったとか、そういう例が私の場合数えきれないくらいあるので、ここにあげた画家(および白菜)も1年後にはすごい好きになっているかもしれません。

しかし、「あなたの気になる作品があったらうれしい。私の好きな画家5選 - (チェコ好き)の日記」と比較してみると、私のシュミってわかりやすくていいですね。軽妙洒脱なかんじの、粋な絵がダメなんだと思います。もっとこう、ルサンチマン溢れる感じのドロドロしたやつが好きなんですよ……! 頽廃芸術って素晴らしいですよね。

好きじゃないものを集めるのは難しい。でも「好きじゃない」ものや「嫌いなもの」について語っているもの、もっと読みたいなぁなんて思っている私がいます。