チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.61〜70)おすすめ優先度付き

AMでの連載を2018年から始めて、気がつけばもう5年も経っていた。隔週連載でずっとやっているので、連載回数・紹介した本はそれぞれもう100回・100冊を超えている。まとめるのをだいぶサボっていたけど、いや〜我ながらよくやっているものですね!

本人は毎回全力で書いてはいるのだけど、それでも隔週×5年なので、毎回毎回大ヒット! 大バズり! 超おもしろ! というわけにはもちろんいかない。書き終わった直後に我ながら「お、おう」と思ってしまった回も、正直ある。だけど、久しぶりに1〜2年前に書いたものを読み返してみると……え、これけっこう面白くないですか???

書き終わった直後はまだ「私が書いた文章」なのだが、1年以上経つとすっかり「知らん誰かが書いた文章」になっていて(※忘れっぽいため)、それを読み直してみて「なかなかいいこと書いてるじゃん」と思えるのは、書き手として幸福なことなのだろう。まあ、「こいつ未熟だな〜」と過去の自分に対して思うこともあるけれど、それはそれ。

もうSNSでバズってPVを稼ぐ時代では完全になくなっていて、私が書いたものもTwitterなどではほとんど反響がない。それでもニュースアプリに転載されたりするとそこそこの閲覧数があるみたいなので、まあ、こういう穏やかな読まれ方で当分はいいのかなと思う。何か新しいことをやってみたい気もしなくはないけど、まだまだ二次創作が忙しいのと、あとは、まとまった文章を書いてインターネットよりは文学フリマで出したい気持ちが今は強い。そんな近況です。11月の文学フリマでまた出展する予定なので、詳細が決まったら改めてお知らせします。

第61回 「無知と傲慢の混ぜ合わせ」が広がっていた――ツイッターで失言が生まれる原因を考える

おすすめ優先度 ★★★☆☆

2020年、まだまだコロナ禍の真っ只中で先が見えなかった頃の記事。そうなんです、私は人を見る目がないので、ブログ経由で知り合った人とオフ会などで会ってみて「ネットでは尖ってるけど会ったらけっこういい人だったなァ」ってしょっちゅう思っていましたね。冒頭を読んで、あまりに正直なので自分で笑ってしまった。目の前の人に対してなら想像力も働くけど、遠く離れた人へ想像力を働かせるのは難しい。なるほどなと思いました(3年前の自分はもはや他人なので普通に感心している)。

第62回 安心安全の「女だけの街」はうまくいくか?いかないか?選ばれし者の“理想郷”が破綻するとき

おすすめ優先度 ★★★★☆

一時期インターネットで怒られまくった「女だけの街」。自分が問答無用で排除される場所があると聞くと心穏やかではない気持ちはけっこうわかるのだが、ギリシャのアトス島は宗教上の理由で「男だけの島」なので、男だけの島があるなら女だけの街があってもいいじゃんと私は思いました(え、論点そこじゃない!?)。力仕事どうすんねんみたいな論争があるみたいだけど、普通に女性がやればいいと思うね。

第63回 恋愛の大事故はないけどモヤッとする…30代の原因不明の満たされなさ

おすすめ優先度 ★★★★★

「あの頃のアレ、なんだったんだろな〜」とは今もずっと思っている。不治の病のようにみんなが言っていたアレ、全然治る病だったじゃん! 嘘つき! と思っている。まあ、渦中にいるときはこれがずっと続くもんだと思っちゃうもんだから、仕方ないのかもしれないが。ちなみに私は20代後半の頃から冷めまくりのスタンスが変わっていない。これはこれでどうなんだと思うが、平常運転です。

第64回 2020年、何もできなかったーーライフイベントがない日常の見つめ方『ひみつのしつもん』

おすすめ優先度 ★★★☆☆

頭に油を垂らせばすべて解決するのでは!? とか考えているあたりが私らしくアホで微笑ましい(自分で言う)。今は2023年で、海外旅行にも行けるようになって私の旅も復活したが、本質的にはここで書いたような「何も面白いこともイベントもない日々をどう過ごすか」が今後もずっと大切になってくるような気がします。そんな私は今日、南勝久の『ナニワトモアレ』が無料だったので読んでいたのですが、ヤンキーっていつくらいからカッコイイものじゃなくなったんだろう、というか昔はなぜこの世界がカッコよかったんだろう、みたいなことをずっと考えていました。

第65回 新たな発見か、または説教臭さを感じるか……15年越しに教科書の作品を読んでみたら

おすすめ優先度 ★★★☆☆

本編よりも、私の薄すぎる郷土愛の話が面白い(と思う)。そういえば、九州出身の男性と結婚した同級生が「九州怖い、家族というか親族との一体感みたいなものが強すぎて……」みたいなことをボヤいていたが、やっぱり神奈川県民て郷土愛薄いし家族とか親族に対してかなりクールですよね? 私や私の周囲だけがそうなのか?? まあ、私はその中でも特に冷ややかすぎるのだが。

第66回 なぜテロリストに?子あり/なしに関わらず考えたい「次の世代」との向き合い方

おすすめ優先度 ★★★☆☆

子供に愛情を注ぐのが無意味だとかはまったく思っていないのだが、人間はもっと深いところで親よりも濃く「世界」からの影響を受けるものであり、結局はコントロールしようと思っても無駄、みたいな価値観が私の中ではかなり強い。一方で、数年前に銀座にシリアルキラー展を見に行ったとき、残虐な事件を起こすシリアルキラーはたいてい子供時代がすごく悲惨だったことも覚えている。個人に何がどこまで影響を与えるのか、とかは今でもまあまあ興味があるトピックかも。

第67回 太宰治『待つ』を読んで、スピリチュアルグッズに使う年間予算は5万円までと決めた話

おすすめ優先度 ★★★★★

金と人間関係と健康を失ったらおしまいだと結論部分に書いているが、金と人間関係と健康ってほぼ人生のすべてでは。で、金と人間関係と健康に深刻なダメージを負わせない年間5万円くらいまでならちょっとくらい変なものにハマってもいいんじゃないかって話ですね。私はパワーストーンも水素水も買ったことはないけど、セージとパロサントなら買ったことがある。でもセージの匂いはちょっと苦手で、パロサントの匂いは嫌いじゃないけど同じ木ならヒバとかヒノキの香りのほうが好き。1回焚いたら気が済みました。

第68回 「子供に将来、どんな大人になってほしい?」――マイノリティを受け入れることが“できない”側の物語

おすすめ優先度 ★★★★☆

冒頭で書いたこのエッセイのお母さん、私いまだに苦手だわ〜と思いました。そういえば先日『怪物』を観て、安藤サクラ演じるお母さんが子供に「普通でいいんだよ」と優しく話しかけるシーンがあったけど、その普通が自分には叶えられないとわかっているから、子供は追い詰められていく。あの気持ち悪さに通じるものがある。世の中には悪意を持ってこちらを傷つけようとしてくる人ってそんなにいなくて、たいていはこういうただの無自覚が人を追い詰めていくよね。そして肝心の小説のほうは、「親子はわかり合えない」という結末で終わっているのが当時も今もやっぱり非常にいいなと思います。

第69回 マリファナはなぜ危険ドラッグとされたのか?をたどると意外な世界が見えてくる『真面目にマリファナの話をしよう』

おすすめ優先度 ★★★★☆

CBDオイル、いまだに塗るのは試したけれど飲んだことはない。なぜかというと高いからです。それならイブ飲んでればよくない? と思ってしまう。でも選択肢は多いほうがいいので、早く合法化するなりなんなりして、もっと安価に大麻の成分が流通するようになればいいなと思います。個人的には、自然派系の何かを使うことで体調が改善した経験が一切ないので、今でもばんばんケミカルなものを使っています。

第70回 「40歳を過ぎてもなお素敵な女性」と村上春樹は言う。どんな女性のこと?

おすすめ優先度 ★★★★☆

読み直してみたところ、私が考える「40歳を過ぎてもなお素敵な女性」は、「世の中に対して疑問を持ち続ける女性」「屈折したユーモアを駆使して相手が勝手にボロを出すのを待つことができる女性」のことらしいです。真正面から闘う人も素敵ですが、私自身はそういうのは向いていないので、確かにここにあるような「皮肉を言いまくって相手をイライラさせ、向こうが勝手にボロを出すのを待つ」という戦法が向いていそう。せこいですか!? いいんだよ、せこく卑怯に生きよう!

続く

以上、2021年3月までのまとめでした。連載が溜まっているので、ブログはまたそのうち更新されるでしょう。(天気予報風)