SOLOの連載がAMに移行してしばらく経つのだけど、月2回くらいのペースで定期的に更新している。こちらの連載、私が好き放題なんか言ってることのほうが多いのだけど、体裁は一応「ブックガイド」だ。なので、今回はそんな連載先で紹介した本を、第1回〜10回までまとめてみた。
ちなみに、一応、とり上げる本は自分なりに方針がある。
まずは「気軽に読めるもの」。AMは恋愛のメディアであって、読書家が集うメディアではない。なので、古典すぎて気が重いものや専門書っぽいものは、避けるようにしている。
もう一つは、「悩んでいるときに読みたいもの」。AMは「恋に迷ったら、アム読む。」というコピーが掲げられているので、自分が恋愛や女性特有の問題に悩んだときどういう本を手にとりたいかな……と考えながら選んでいる。あと、悩んで気分が落ち込んでいるときは蓮實重彦の文章とか絶対に頭に入ってこないので(まああれは私の場合、気分がノッてて元気なときでも頭に入ってこないが)、論旨が明快かつダイレクトに悩みに響くものを選ぶようにしている。
最後に、「でも、内容が薄くないもの」。悩んでいるときに気軽に読めるもの……とそれだけで考えるとコミックエッセイとかになると思うんだけど、まあコミックエッセイはコミックエッセイでいいものもたくさんあるんだけど、一瞬気が紛れるだけで結局同じところをぐるぐるしちゃう場合も少なくない。悩んでいるときに気軽に読めるけど、内容が薄くなくてちゃんと「残る」もの──もちろん努力目標ではあるんだけど、AMの連載ではこの3つを念頭に毎回、テーマを考えて本を選んでいる。
あ、あと最後に蛇足だけどマンガは選ばない。理由は、マンガも候補に入れるとキリがなくなるからである。では、そんな基準で選んだ10冊を以下はご笑覧ください。「悩んでいるとき」「気軽に読めて」「内容が薄くない」を満たす、おすすめ優先度を★〜★★★★★で表しているよ!
第1回 「彼は私のことをどう思ってますか?」なんて占っても意味ないが
- 作者: 鏡リュウジ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/04/19
- メディア: 新書
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ちょっと前に、私のタロット占いの記念すべき生贄第1号を申し出てくれた方がいて(作家の小野美由紀さんである)、私は初めてタロットで「他人を占う」ということをやった。結果は我ながら「下手くそ!笑」という感じのものであったが、まあよい。精進しよう。ちなみに私も小野さんにタロット占いをやってもらったのだが、カードを読みながら想像力を働かせるのって面白いよなあと改めて。ちなみに、小野さんの占いは私なんかより全然上手かった。
第2回 独身の人生が「ライフイベント低発生系ゲーム」になる問題
- 作者: 大森篤志
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2018/03/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「結婚したい」「子供が欲しい」という欲望は私はそれほど持っていなくて、人それぞれかなと思うんだけど、"「おめでとう」って言われたい"はちょっとあるな……と思って書いたコラム。「おめでとう」ってきっと、「あなたはこの社会の大切な構成員だよ」って意味なのだ。本当は、「なんでもない日、おめでとう」「今日も生きてる、おめでとう」でいいはずなんだけどさ。
第3回 部屋を片付ければ、恋も仕事も上手くいく! わけではないぞ
- 作者: 雨宮まみ
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/09/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もともと私はそんなに汚い部屋に住んでいたわけでもなかったと思うんだけど、24歳くらいまでは、そんなに綺麗好きというほどでもなかった気がする。しかし、24歳のときにこんまりさんの本を読んで(わりとミーハー)「あ、いらないものって捨てていいんだ!」と開眼した私は、ガンガンものを捨て始め、以来はリバウンドなしのミニマリスト人生を歩んでいる。ものがたくさんあるのが嫌なので、賃貸を選ぶときはあえて収納が少ない部屋をチョイスしているくらいだ。あと、落ち込んだときは無心でトイレ掃除とかをしている。
でもそれくらい部屋を綺麗にしていても、そんなに全部上手くいってねーぞ! テキトーなこというんじゃねえ! と世に蔓延るネットコラムとかに怒りの鉄拳を振るうべく書いた文章。
第4回 好きな人から返事が来ない…不安で「追いLINE」する前にこれ読んで!
- 作者: 春日武彦
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2013/03/29
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これはAMで書いた中でたぶんいちばん反応が良かったコラム(PV知らないけど)。「待つ」ということに私はすごく関心があって、前からブログにいろいろ書いているんだけど、それを恋愛の話にぐっと寄せたものがこれである。
第5回 男と女、実は「性欲の強さ」は同じ?私たちの性欲の行方
- 作者: 中村うさぎ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/08/28
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掲題のことを私は考えてたんだけど、キャサリン・ハキム氏の『エロティック・キャピタル』を読んだらこの論に真っ向から反対されていてウケた。なお、『エロティック・キャピタル』について書いたコラムも近日中にAMで公開される予定なので、こちらも読んでもらえると嬉しいです。
第6回 「そのままのあなたでいい」と、それでも私はいい続けたい
- 作者: 柚木麻子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/04/21
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「そのままのあなた」の定義が男女で違うんじゃないかという仮説。女性の定義はキツすぎるので、なるべく「そのままのあなたでいいんだよ」って言ってあげたほうがよくて、男性の定義はゆるすぎるので、「そのままでいいなんて思うなよ!」と言ってあげたほうがいい……という話。もちろん男女という区分はかなりざっくりしたものなので、誰もがこの法則に当てはまるわけじゃないんだけど。女性はジャニーズとか観劇とか、「推し」に会いに行くためだけに、メイクとかめっちゃ頑張る人種。
第7回 「最近面白いことありました?」に答えられることも、コミュ力向上につながると思った話
- 作者: 鴻上尚史
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2016/01/09
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このコラムは、もちろんそれを見越して書いたわけだが、文章の中に登場する「最近面白いことありました?」と会うたびに聞いてくる友人に読まれてしまった手前、「いや、最近は特にないっす」などとは絶対に答えられなくなってしまった……。まあでも、友人に何も報告できることがない生活を送りたくはないので、それはそれでよい。
第8回 香水診断をやってきた!結論、女は「新しい自分」に出会いたい
- 作者: 千早茜
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/03/10
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香水診断、いろんな人が興味を持ってくれたようで嬉しかった(何人かの人には私が行った店のURLを送った)。まあ私は結局香水を自分でつけるのは苦手なんですけどね、香りに酔ってしまう。
第9回 どうしたらいい?30代以降の独身の「趣味ない」問題
- 作者: 小林昌平
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2018/04/27
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ここには書かなかったけど、「古典文学が読める」ってわりと人生におけるアドバンテージだなと私は最近思っている。古典文学って年取ってから読んでも飽きないどころか、深みが増すんだよね。ライトノベルとかはそれはそれで素晴らしいし立派なカルチャーだけど、30代後半以降はちょっと読めない(楽しめない)んじゃないかと思ってしまうところもある。もちろん人それぞれだけど。
第10回 恋愛関係は「密室」だから、彼の真意がわかるのはあなただけ
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/12/19
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角田光代さんの『八日目の蝉』をずっと読みたいと思っていて、そのために書いたといっても過言ではないコラム。でも私は、角田さんはやっぱり『対岸の彼女』がいちばん好きかもしれない。
それでは、引き続き連載をよろしくお願いします!