チェコ好きの日記

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【カンボジア一人旅/6】雨のなかのアンコール遺跡めぐり

カンボジア旅行記の続きです。バスに乗ってプノンペンからシェムリアップに到着した翌日、午前中はアンコール・ワットを中心に見学。前回のエントリはこちらです。
aniram-czech.hatenablog.com

パブーオンという遺跡を見たあとは、すぐ隣の象のテラス、ライ王のテラスと呼ばれている遺跡を見学しました。両方とも、12世紀後半にジャヤヴァルマン7世という人によって作られたものらしいです。

アンコール・ワットを中心とするアンコール遺跡群は、私が調べた限りだといちばん古いものが10世紀後半、新しいものは12世紀後半に建造されているようです。世界史でならった記憶が薄れているのですが、アンコール王朝は9世紀から15世紀にかけてカンボジアに存在していた王国です。

ただし、当時のアンコール王朝にはまだ「紙」が伝わっておらず、動物の皮とかに記録を書いて遺していたため、今となってはもう文字が消えて、一部の記録が読めなくなってしまっているらしいです。だから作りかけでほったらかしになっている寺院とかがあっても、その理由がよくわからないそう。謎の部分も多いようです。

遺跡はアンコール・ワットを中心とする場所にほとんどが集中していますが、車で1時間半くらいする郊外にもポツポツあります。私はこれらの遺跡のために郊外まで足をのばしたので、計3日間かけてまわったのですが、このくらいの時間をかけてちょうどよかったかなーというのが個人的な感想です。2日じゃ短いけれど、専門で研究するのでもない限り4日以上は長いかなと。

さて、続いてはタ・ケウという遺跡です。

カンボジアは5月下旬〜10月下旬あたりは雨季にあたるらしく、この8月も雨季ど真ん中で、夕方以降はほぼ毎晩スコールみたいなのがありました。で、この日はタ・ケウを見ていた途中で、雨が降ってきちゃったんですよね。

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こんなこともあろうかと用意していたレインコートをひっかぶって、私は雨の降りしきるなか、遺跡の急階段を上り下りしていたわけですが、途中「何やってるんだろう……」という思いに何度駆られたことか。でもなんか、目の前に階段があると上らざるを得ないみたいなのありますよね。別に上らなくてもいいんですけどね。

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※調子にのって階段上ったことを後悔しているの図

次に見学したタ・プロームという遺跡は、映画の舞台になったこともあるらしく、観光客に人気でした。成長した木が遺跡に絡み付いちゃってて取り除きたいけど下手にやると遺跡倒壊するしこれはこれで雰囲気あるしでも長期的に見るとやっぱり遺跡倒壊の危険がありどうしたもんかな系の遺跡です。こういうのけっこうある。

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この日は最後に、バンテアイ・クデイ、スラ・スランという遺跡を見て終わりです。時間はすでに夕方。この頃には雨も止んでいました。

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さて、本当はすべての遺跡についてしつこく細かく解説を書いていきたいのですが、それをやると旅行記が11月下旬とかになっても終わらず、初めて来た人が「チェコ? カンボジア? なんなのこの人?」みたくなりそうなので、できる限りコンパクトにまとめております。でも本当はしつこく細かく書きたいです。それくらい面白かった。アンコール遺跡はヒンドゥー教仏教のMIXになっていますが、こういう異文化の交差点みたいなのってすっごくワクワクします。

昔何かの本で、南米のキリスト教っていうのはヨーロッパのキリスト教とはちがって、ブードゥー教の信仰とかと絡み付いた土着宗教になってるみたいな話を読んだんですけど、私はそういう話にすごく惹かれてしまいます。日本の仏教も、カンボジア仏教とはぜんぜんちがう。宗教とか、美術とか、建築とか、そういうのが大陸や海をわたって少しずつ変化していく様子を見ると、ものすごい生々しいかんじがします。うまくいえないけど、「うわあ、生きてる!」ってかんじです。文化は生き物です。

一ノ瀬泰造さんの『地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)』では、ベトナム戦争に巻き込まれた当時のカンボジアの様子が写真とともに描写されていますが、ここシェムリアップのアンコール遺跡群のまわりも、その頃には戦場だったようです。遺跡のまわりの密林で繰り広げられる銃撃戦と、今は取り除かれた地雷の数々。

アンコール王朝の栄枯盛衰を見て、一度忘れられて、観光地になって、ベトナム戦争に巻き込まれて、また観光地になって……人間の歴史から考えるとまさしく数奇な運命をたどっているアンコール遺跡ですが、遺跡に絡み付く大木は、そんなのおかまいなしに超然とそびえ立っています。

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旅行記はまだ続きます。まあ、次も遺跡めぐりなんですけど……。