チェコ好きの日記

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自己啓発よ、ライフハックよ、さらば! 「目の前の仕事を精一杯やる」ために、決めないといけないこと

自己啓発系のビジネス書やセミナー、自分探しなどに夢中になっている若い人に対して、人生経験豊富な先輩方がよく、

「そんなことより、目の前の仕事を精一杯やりなはれ!」

と、アドバイスしている様子を、ご覧になったことがある方は多いと思います。


このアドバイス、基本的に私は「うんうん、ごもっとも!」という感じで大賛成なのですが、たまーに思うのが、

「目の前の仕事」って何? と、いうことだったりします。

アドバイスの主旨は理解できるのですが、「目の前の仕事を精一杯やれ」っていわれても、漠然としすぎていて、結局何をどうすればいいのか、よくわからないなー、なんてモヤモヤしたことがあるのは私だけでしょうか?

おそらく、先輩方がいう「目の前の仕事」とは、今の自分が主に生計を立てているメインの仕事、という意味のはずです。会社に勤めている人であれば、「目の前の仕事」とは、会社の仕事です。「目の前の仕事を精一杯やれ」ということは、「会社の(メインの)仕事で結果を出せ」ということです。

ところが、私が思うに、ここにこのアドバイスの落とし穴があるのです。

「会社の(メインの)仕事」における「結果」って、何なんでしょう?

営業成績で1番をとることでしょうか。
会議で、より多くの企画を通すことでしょうか。


「結果を出せ」といわれると、おそらく多くの人は、会社の業績に貢献するような、第三者が見ても明瞭な、わかりやすい「結果」を出さなければいけない、と考えるでしょう。それはそれで間違ってはいないのですが、「営業成績で1番をとった自分」が、「会議でより多くの企画を通した自分」が、その人の本当に望む姿なのでしょうか?

「目の前の仕事を精一杯やれ」というアドバイスは、説得力はありますが、守備範囲が広すぎというか、ちょっと漠然としすぎです。そのため、「目の前の仕事を精一杯」やろうとすると、多くの日本人は、がむしゃらに長時間労働をすることになってしまいそうで、それはちょっとちがうよなー、と私なんかは思うわけです。


……だんだん自分でも何言ってるかわかんなくなってきましたが、要は、「目の前の仕事で結果を出す」とはいっても、その「結果」の出し方にはいろいろあって、自分が望む「結果」を出そうとしないと、ただ単に長時間労働をすることになるから疲れるよ! ということです。

だから、「目の前の仕事を精一杯やる」ためには、まず自分が目の前の仕事においてどんな「結果」を出せたらうれしいのか、よーく考える必要があると思うのです。自分が望まない結果を出すために精一杯頑張っても、あんまり楽しくないですよね。会社は喜ぶかもしれないけれど。

で、どういう「結果」を出すのかは人それぞれ、自分で決めないといけないのですが、「結果」の出し方として、大きく分けると2つのパターンがあると思うのです。まずは、自分がどちらのパターンの「結果」を出したいのかを、よく考えましょう。


あなたはどちらのパターンでいきますか?

★★★

A・業績をのばすような「結果」を出す

まず1つめは、前述したような、わかりやすい「結果」を出すパターンです。今の会社で出世したいと考えている人、自分で会社を経営している人、フリーランスでもっと売上をのばしていきたいと考えている人、などはこちらのパターンを目指すことになると思います。

ただし、こちらのパターンを目指す人は、自分がどの分野でどれくらいの結果を出すことを望んでいるのか、そこまでしっかり考える必要があると思います。自分が出したい「結果」は、営業なのか、顧客の信頼度なのか、企画の本数なのか。営業成績で上位何番をとれば「結果」が出たことにするのか。顧客の信頼度は何で測るのか、どのレベルに達したら「結果」が出たことにするのか、等々です。そうしないと、前述したように、ただ単に労働時間をのばして、「がむしゃら感」を出してみましたー、みたいな感じでおわってしまうと思うのです。「この結果を出すために、ここまでは精一杯頑張るけれど、ここから先はやらない」みたいな、ある種の制限を決めておくのもいいかもしれません。

また、こちらのパターンを選んだ人は、自分の目指すことにした「結果」が本当に自分の望むものであるか、その「結果」に到達するまでの努力の過程を楽しめるか、というところもしっかりと点検されるといいと思います。いくらすばらしい「結果」が出せても、その結果に到達したころ、自分はボロボロになってました……では、意味がないと思うからです。


B・自分の時間を増やすような「結果」を出す

もう1つ、「結果を出す」といったときにはほとんど注目されませんが、こういう「結果」の出し方もあっていいよね、と私が最近考えているのが、こちらのパターンです。

それは、今と同じ質・量の仕事を、より短時間、もしくは低コストでこなせるようになることです。

たとえば、毎日1時間残業してやっている仕事があるならば、その仕事の質・量は保ったまま、それを定時で終わらせられるような仕組みを考え、実行すること。(今、きちんと定時で仕事が終わっているならば、それを1時間前倒しで終わらせられるようになること。)

ここで間違えてはいけないことは、1時間の残業を見事になくせた方は、その分、別の仕事でまた1時間残業してしまっては意味がない、ということです。定時で仕事を終わらせられるようになったら、そのまま真っ直ぐ会社を出ましょう。

業務量の問題でなく、何となく習慣で、とか、雰囲気で残業してしまっている人は、その習慣を断ち切りましょう。職場の人に多少白い目で見られても、堂々と帰ってやりましょう!

こちらのパターンは、あまり出世欲がない人……というと聞こえがよくないですが、仕事だけでなくプライベートも充実させたいと考えている人、勉強する時間を作りたいと考えている人、などに向いているパターンです。

ちなみに、どうしても残業をしていまいがちな私は、今こちらのパターンで、仕事の「結果」を出したいと、孤軍奮闘中です。

★★★

もちろん、1つ目のパターンと2つ目のパターンの複合型も考えてもいいでしょう。同じ仕事をより短時間でこなせるようになったら、もっと質のいい仕事ができるように、精度をあげていく……といったように。


「目の前の仕事を精一杯やる」って、確かに大切なことではあるのだけれど、言葉のニュアンス的に、ついつい、ただ無理をする、がむしゃらにやる、っていう意味に聞こえてしまうことがあるので、「そうじゃないよね?」という気持ちをこめて、このエントリを書きました。「目の前のことを精一杯楽しむ」、と言い換えてもいいかもしれません。

そう、楽しくなければ意味がない。
会社にどれだけ貢献できようと、周囲の人にどれだけ感謝されようと、どれだけたくさんお金を稼ごうと、それをやっている本人が楽しかったり、幸せだったり、嬉しい気持ちになれないのだったら、すべては無駄なのです。

そこんとこ、間違えないようにしましょう。

自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)

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