まだまだ旅行記が続いています。
観光2日目のこの日は、マンハッタンをはなれ、1日かけてブルックリンとクイーンズをまわってみることにしました。
ブルックリンとクイーンズは、ニューヨークの中心であるマンハッタンから、イースト・リバーをわたった先にあります。この2地区をふくむ大きな島は「ロングアイランド」と呼ばれ、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』に、とても大きな役割をはたす場所として登場します。
マンハッタンからこのイースト・リバーをわたるにあたって、電車とか車とか普通の交通手段を使ってももちろんいいのですが、私はせっかくなのでフェリーをおすすめしたいです。ミッドタウンの乗り場から、イースト・リバー・フェリーっていうのが出ています。
この日の午前中は残念ながらくもりだったため写真があまり綺麗じゃないんですが、船上から、高速で走り去っていくマンハッタンを見ると超感動しますよ。
本当はウィリアムズバーグというところらへんで降りるはずだったんですが、景色に夢中で乗り過ごし、ブルックリン・ハイツのほうまで行ってしまいました。このあたりもじっくり見たら面白いと思うんですが、時間の都合もあるので電車で引き返し、ウィリアムズバーグへもどりました。
Hello,Brooklyn!
私はこのニューヨーク旅行を決めたとき、何が何でも絶対絶対ブルックリンに行きたいと最初から決め込んでいたのですが、なぜかというと、ブルックリンは今、ニューヨークでいちばんアツいといわれているエリアだからです。正直どこらへんがアツいのかよくわかってないんですが、とりあえず私はミーハーなので、アツいといわれたら行きたいんです。
こういうのかわいい。
私が中心的にまわったウィリアムズバーグというエリアは、19世紀までは工場地帯だったらしいのですが、2000年頃から再開発が進み、現在は若手クリエイターなどが好んで住むシャレオツな場所ということになっているらしいです。そのためか、町のあちこちにグラフィティアートがあったり、ときどき唐突に何かのオブジェが現れたりして、けっこう面白かったです。あと、私は時間の都合でまわりきれなかったんですが、ギャラリーとかセレクトショップとかが多数あり、アートやファッションもかなりセンスのいいものがそろっているみたいです。
しかしこのウィリアムズバーグのなかで、私が最も行きたかったのは、ワイスホテルというデザイナーズホテルでした。
ワイスホテルは、1901年に建設されたテキスタイル工場をリノベーションしたものらしいんですが、工場の基本構造やレンガ壁などをあえて残し、宿泊客にロフトの雰囲気を味わってもらおうという粋な計らいをしているそうです。
私は宿泊はしなかったんですが、夜はこのホテルのルーフトップバーで飲みました。肝心の写真を思いっきり失敗したので説得力がないんですが、ブルックリンから見るマンハッタンの夜景というのは、もんのすごい美しいのです。
アンチ・スターバックス! 噂のサードウェーブ・コーヒー
ワイスホテル以外にもう1つ、私がブルックリンで行きたいと思っていた場所があって、それが「ブルーボトルコーヒー」というコーヒーショップだったんです。
創業者が自宅のガレージで始めたことから、“コーヒー界のApple”といわれているらしいブルーボトルコーヒーは、アメリカ西海岸発だそうで、マンハッタンにも店舗があります。なので、わざわざブルックリンで行かなくてもよかったかもしれないんですが、私は旅行前に読んだ『ヒップな生活革命 (ideaink 〈アイデアインク〉)』という本で、このブルーボトルコーヒーってのはきっとブルックリンというエリアと相性が良いにちがいないと思って、何となくこの場所で飲んでみたかったんですね。
関連エントリ
『ヒップな生活革命』の先にあるもの - チェコ好きの日記
お店ではこんなふうにドリップ式でコーヒーを淹れてくれるんですが、このブルーボトルコーヒーの創業者は何と、マニュアル化されたスタバのコーヒーが嫌いだったらしいんです。で、「個人店の香りがするチェーン」ということでブルーボトルコーヒーを始めたらしいんですが、このブルーボトルコーヒー、もうすぐ日本にもやってきます。2014年中に、清澄白河に1号店ができるみたいです。清澄白河ってとこ、場所のセレクトがニクイですね。
このブルーボトルコーヒーを始めとする現在のアメリカのコーヒーブームは「サードウェーヴ」と呼ばれていて、1970年くらいの、コーヒーが広く一般家庭でも飲まれるようになったファーストウェーヴ、スターバックスに代表されるシアトル系深煎りコーヒーが人気になった1990年代までのセカンドウェーヴに続く、第3のブームらしいです。私はコーヒーは味も歴史もよくわかっていないので、正直飲んでも「ふーん」というかんじだったんですが、ちがいのわかる人が飲んだら美味しいのかもしれません。うーむ。
ちなみに、ブルーボトルコーヒーやサードウェーブ・コーヒーについてもっと知りたい方は、こちらの雑誌がおすすめです。
WIRED VOL.12 (GQ JAPAN.2014年7月号増刊)
- 出版社/メーカー: コンデナスト・ジャパン
- 発売日: 2014/06/10
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (2件) を見る
結局、「ブルックリン」とは何なのか
マンハッタンが大都会のギラギラした魅力をもっているとするなら、ブルックリンはもう少し肩の力が抜けた、ゆるいお洒落さをもっているエリアといえるでしょう。すれ違う人たちも、心なしかリラックスした表情の人が多いような気がしました。
たぶんこのエリアについて理解したいと思うなら、上にあげた『ヒップな生活革命』を読んで、実際にその場所に行ってみると、何となーく雰囲気がつかめるのではないかと思います。そしておそらく、このブルックリンというエリアの価値観やスタイルは、この先30年くらいの間に、大きな影響力をもつことになるでしょう。私たちも、きっとその潮流のなかに飲み込まれていくはずです。
Brown Rice Family : Souljah - YouTube
ブルックリン発の音楽もかっこいい。
今ニューヨークに行くなら、マンハッタンだけまわって消耗してしまうのは、あまりにももったいないと思います。何を感じるかは人それぞれだと思いますが、現在、最もエネルギーがあるとされているエリア・ブルックリンで、その勢いの切れ端だけでもいただいてきましょう。
……タイトルは、ちょっといってみたかっただけです。
HELLO BROOKLYN(ハロー・ブルックリン) (TWJ books)
- 作者: 中川繁
- 出版社/メーカー: トランスワールドジャパン
- 発売日: 2012/12/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
その6へ。
【NYひとり旅/6】ロングアイランドで、『グレート・ギャツビー』の「灰の谷」に行ってみた - チェコ好きの日記