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チェコ好きの日記

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美術検定2012 3級に合格していた話。

美術

先月11日、2012年の美術検定の3級を、無勉で受検したワタシ。

美術検定 はたしてこれは受かるのか。 - (チェコ好き)の日記
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芸術系の大学院卒なので、いくら無勉であっても、
3級ごときに合格できないようでは恥……と思う反面、

私って美術専攻じゃなくて映画専攻だったのよ、と自分を弁護しておいたのですが、
先日ついに結果が届きました。

合格していました。
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や、やったー(?)
ただし、3級の合格率は90%以上のようです。
落ちていたら冗談抜きで恥でした。笑 
しかも、得点低い。

3級なら、ある程度美術の素養がある人なら、無勉でも合格できるということが判明しました。
美術の素養がまったくない人でも、ちょこっと勉強すれば、合格はそれほど難しくないと思われます。
今後受けてみたいな、と思っている方がいたら、参考にしてください。

私は来年、2級を受けてみようと思います。
今度は、ちゃんと勉強します!

★★★

「役に立たないもの」の意義

さて、ここからは余談です。
私は常日頃、映画や美術などをはじめとする芸術の意義について、
考えてみたりしているのですが、

芸術はやっぱり、「役に立たないもの」です。

美術検定を受けて合格しても、就職は有利にならないし、
美術や映画の知識をどんなにもっていても、それでごはんは食べられません。

なので、「芸術」にほとんどふれないまま、人生がおわってしまう人もいるでしょう。

芸術作品は、宗教の信仰をささえたり、
プロパガンダとして政治に利用されたりすることもあるわけですが、
少なくとも現代の日本では、芸術は多くの人にとって、
「趣味」の域を出ないかもしれません。

私は、もっと多くの人に芸術にふれてほしいと思いつつも、
その具体的なメリットを、提示できないままでいます。

でも先日、ある本を読んでいて、その記述に思わずハッとしました。

眠れなくなる宇宙のはなし

眠れなくなる宇宙のはなし

本書は、芸術とはまったく関係のない、宇宙についての本です。

「無」から宇宙が生まれたことが物理的に証明できるところまできているとか、
超ひも理論とか、ブレーン宇宙論とか、日常生活ではまず役に立たないであろう(笑)
楽しい話がたくさんのっています。

「無からの宇宙創造とか、ブレーン宇宙論とか、まるでSFを読んでいるようで、そういう意味では確かに面白いよ。でも、それって、私たちの毎日の生活にはあまり関係ないというか、はっきりいって何の役にも立たないんじゃない? 宇宙のことを考えるのは、ロマンチックではあるけれど、それ以上には思えないなあ」(P258)

そんなふうに思ってしまう人がいるであろうことを、
著者の佐藤さんもしかたがない、といっています。

でも同時に、宇宙について想うことは、
「きっとあなたの役に立つ」とも、いっているのです。

なぜか。

「役に立つ・立たない」を判断するには、当然、
自分のこれまでの経験、価値観から考えるしかありません。

しかし、「自分のこれまでの経験、価値観」というものは、
どんな人にとっても「限られたもの」でしかなく、
「自分のこれまでの経験、価値観」を超えた判断を下すことはできません。

私は以前仕事で、中学生に
「自分の生まれる前の歴史を勉強することが、何の役に立つのか」
と質問され、絶句した経験がありますが、彼を嗤うことはできません。

私たち大人も、「役に立つ・立たない」という判断基準で物事を決めた場合、
同じ状況に陥る可能性があるのです。

これまでの価値観が、すべて壊され、崩れていってしまったら。

そういった状況でも自分を支えてくれるのは、
意味不明の宇宙論であったり、
無謀な芸術家の作品や、その生涯だったりするのです。
そこから、新しい価値観を組み立てることができるのです。



また、「役に立たないもの」を吸収することは、
「多様性を維持する」ことにもつながります。

トロント大学の都市経済学の専門家が行なった研究では、

アメリカのハイテク産業で大きく伸びている都市の国勢調査を分析したところ、「同性愛者」(ゲイ)と「俳優や芸術家、デザイナーなどのクリエイティブな仕事に従事する人」(ボヘミアン)が多いことがわかった

なんて話があるのです。(※引用はこちら→武器としての交渉思考 (星海社新書))

芸術は、他者への寛容の気持ちや文化的開放性を否応なく高め、
ゲイのような、差別の対象にもなりうる人々を受け入れていることは、
「異質なもの」への許容度が高いことをしめしている、というのです。


これは、芸術を6年学んできた身としては、実感としてわかる話です。
芸術家には、性格的に破綻している人間がたくさんいますし、
芸術を勉強するなかで、おかしなことをたくさん見聞きするので、
寛容にならざるをえません。
(※課題でス○トロシーンがある映画を見たりしましたしね……)


それらは一見、ムダなことに見えますが、
「これまでの価値観を超えた判断」「多様性の維持」は、
多くの人、企業、都市、社会、国家にとって、有効であるはずなのです。
特に、これからの時代。

私のやっていることが、小さいながらも、その一助となれば。

★★★


恒例の、美術検定の問題を解いてみよう!のコーナー。
今回は2級に挑戦です。

カンディンスキーが色彩とフォルムそのものへの関心を強めるきっかけとなった個人的な出来事とはなんですか。

1.横倒しの自作に新鮮さを感じた。
2.中東でアラベスク模様と出会った。
3.恋人ミュンターの絵に感動した。
4.ムルナウの民俗画に魅了された。

美術検定2級 練習問題 2012

美術検定2級 練習問題 2012


正解は1番。私もわかりませんでした……。