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チェコ好きの日記

旅 読書 アート いいものいっぱい 毎日楽しい

映画

最後でなんだかすっごく笑う イエジー・スコリモフスキ『イレブン・ミニッツ』

イエジー・スコリモフスキというポーランドの映画監督が作った『イレブン・ミニッツ』という映画を観ました。『イレブン・ミニッツ』は今後全国で公開していくようなので、劇場情報などの詳細は公式サイトで確認してみてください。スコリモフスキ(噛みそう…

青森で考えた『シン・ゴジラ』の感想

『シン・ゴジラ』を8月の上旬に観てもう1ヶ月以上経っているんですが、観た直後は正直「これ感想とか書かなくてもいい系のやつだな」と思ってしまいました。それは決して「つまらなかった」というわけじゃなくて、むしろクソつまらなかったらクソつまらなか…

2016年上半期に映画館で観た映画のまとめ/『オマールの壁』など

2016年が半分終わってしまいました。自分用メモも兼ねて私が上半期に映画館で観た映画をまとめます。映画館で観た映画なので、DVDなどでの視聴は含んでいません。全部面白かったので、公開が終わってしまったものもありますが、まだやっているやつもあるので…

森達也『FAKE』 佐村河内さんと新垣さん

ユーロスペースで連日満員御礼、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットをとばしているらしい森達也監督の『FAKE』を観に行きました。15年ぶりの新作だそうです。森達也監督は、オウム真理教信者のドキュメンタリー映画(本もある)『A』や『A2』、低身長…

正義も悪も区別なし/メキシコ麻薬戦争のドキュメンタリー『カルテル・ランド』

先日、TBSの『クレイジージャーニー』で犯罪ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんによるメキシコ潜入取材の様子が放映されていましたね。そのへんの道路に拷問を受けた(と思われる)死体がフツーに転がってるという、ちょっとありえない映像でしたが、そうい…

自爆テロって、どんな人がやるんだろう? 『パラダイス・ナウ』

先日4月16日から、『オマールの壁』という映画が渋谷アップリンク等で公開されています。『オマールの壁』ってどんな映画? という人は、よろしければ以下をご覧ください。aniram-czech.hatenablog.comそれで、『オマールの壁』と同じハニ・アブ=アサド監督…

よくある三角関係の話……にならなかった話、『オマールの壁』

男の子二人と、女の子が一人いるんですよ。三人は幼馴染なんですが、男の子二人がそろって一人の女の子が好きなわけです。まあ、よくある話ですね。だけどこの一人の女の子もちょっといけないところがあって、二人の気持ちを知っていながらどっちつかずの態…

観光客と旅行者/『シェルタリング・スカイ』

「観光客? ”旅行者”よ」 「どう違う?」 「着いてすぐ帰ることを考えるのが”観光客”」 「”旅行者”は帰国しないこともある」 「”旅行者”は帰国しないこともある」。ポール・ボウルズの原作『シェルタリング・スカイ』を、ベルナルド・ベルトルッチが映画化し…

『パッション』とカラヴァッジョの絵画の世界、イエスの最期の12時間

10年くらい前にメル・ギブソンの『パッション』を観たんですが、最近思うところあってこの映画をもう一度観たのです。10年前といえば私はまだホヤホヤの大学生なので、聖書のこととかあんまりよくわかってなかったんですよね。まあ今だってたいした知識を持…

過去の記憶とアンドレイ・タルコフスキー

翌日のダルさがハンパないのでそんなにしょっちゅう行きたくはないですが、オールナイトで映画を観るのが好きです。オールナイト上映といえば、池袋新文芸坐。先日こちらの新文芸坐さんで、『私たちのアンドレイ・タルコフスキー』なる特集上映が行なわれて…

セックス&ドラッグ、陰謀とパラノイア『インヒアレント・ヴァイス』

「サリンジャーは隠れる。ピンチョンは逃げる」。 と、どこかの批評家がいっていたらしいですが、実は正体はあのJ・D・サリンジャーなんじゃないか? なんて噂が(冗談まじりにしろ)立ったこともある謎の作家、トマス・ピンチョンの『LAヴァイス』が映画化…

映画ファンに贈る アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』

アレクセイ・ゲルマンに比べればタランティーノはただのディズニー映画だ。 ウンベルト・エーコ(哲学者、小説家) この映画は強烈な竜巻のごとく、全ての映画を粉砕する威力がある。 ユーリ・ノルシュテイン(映画監督) ウンベルト・エーコとユーリ・ノル…

『アメリカン・スナイパー』は何についての映画だったのか?

私のなかで開始20分以内で寝る映画としてすこぶる評判が悪かったクリント・イーストウッドなのですが(好きな方ごめんなさい)、この度『アメリカン・スナイパー』が話題になっているようだったので、観に行ってきてみました。映画『アメリカン・スナイパー…

ここで蔵出ししておきたいすごく良かったわけじゃない「ふつうに良かった映画」を4つ

はてなブログの今週のお題が「ふつうに良かった映画」とのことで、つまりこれは良作とも駄作ともいえない、でもどちらかというと良作よりの、そんな微妙なラインの映画を紹介しろという、なかなか難しい注文をしているわけですね。良作と駄作はよくよく覚え…

3Dのルールを破れ ゴダール『さらば、愛の言葉よ』感想文

「想像力を欠く者はリアリティに逃げ込む」とゴダールは言う。 彼自身の想像力は完全無欠だ。 ーーウエスト・フランス ★★★今となってはすっかりお馴染みとなった映画の3D上映ですが、そういえば私が初めて観た3D映画って、ティム・バートンの『アリス・イン…

この復讐は失敗? 映画『ハウスメイド』の感想文

ちょっと今更感あるんですが、2010年のイム・サンスの映画『ハウスメイド』を観てみました。韓国映画史にのこる傑作、1960年のキム・ギヨン監督作品『下女』のリメイクだという話を聞いていたからです。ハウスメイド [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)…

『ベイマックス』感想 人工知能が映画作ったらこんな感じかも

『ベイマックス』を観てきました。なぜかというと、いろいろなところで話題になっているのを見かけ、私も話に入りたかったからです。『ベイマックス』を見て日本のクリエイティブは完全に死んだと思った 『ベイマックス』を見て日本のクリエイティブは完全に…

怪奇幻想カルト映画『サラゴサの写本』と過ごしたクリスマス

もうとっくに過ぎてしまったクリスマスの話を今更しますが、ところでスペインの地名ってなんであんなに幻惑的なんでしょうね。グラナダ、コルドバ、アンダルシア、そしてサラゴサ。あまりにも響きが美しいので、口にするだけでゾクゾクしてしまいます。『サ…

結論:『ニンフォマニアック』は「救済とその不可能」の物語。

10月にVol.1が公開となった、鬼才ラース・フォン・トリアーの『ニンフォマニアック』。先日、やっとVol.2を観てきました。Vol.1だけ観たときの感想は以前書いているので、今回はVol.2の感想と、あとは全体を通した主題について考えてみたいと思います。 『ニ…

『ニンフォマニアック Vol.2』公開前に観た『メランコリア』

ラース・フォン・トリアー監督の『ニンフォマニアック Vol.1』が公開中です。中学生のときに『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観たとき以来のトリアーファンである私は、公開初日にわくわくしながら観に行きました。こちらの映画の感想は、以前書いています…

『ニンフォマニアック』は、“女性のセクシュアリティの物語”ではない。

デンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアーの新作映画『ニンフォマニアック』が公開になったので、公開初日にいそいそと観に行ってきました。本作は全体で4時間という大長編映画ですが、Vol.1とVol.2に分かれており、現段階ではまだVol.1のみの公開となっ…

コンテンツがどんどん短くなる世の中なので、「長回し」を撮れる映画監督はたぶん最強になる

タイトルでほぼ全ていってしまったので、以下は補足説明なんですけども。最近の流れを見ていると、多くの人に好まれるコンテンツというのは、どんどん短く、あるいは直感的に理解できるようなものへと変化してきているようです。文章であれば字数が少なけれ…

「あいつの葬式なんて出たくない」と思われるほど嫌われるのも、悪くないかもよ

ちょっと前の話になってしまうのですが、8月17日に渋谷のアップリンクでやっていた、ブジェチスラフ・ポヤルの上映会に行ってきました。 This is チェコアニメ!~チェコアニメのすべてを語りつくす会~ - イベント | UPLINKブジェチスラフ・ポヤルという人…

珠玉のアート・アニメーション 個人的な5選

最初に、ものすごく感覚的な話から始めてしまうんですけど、人が「アニメ」という単語を聞いたとき、おそらく個人によって想定するものが3種類くらいあると思うんですね。1つが、みんなに愛されているいわゆる「ファミリー系のアニメ」で、ディズニーやジブ…

ヒマだから諸々の作品をもとに私の恋愛観の話でもしましょう

アンタの恋愛観とか興味ないよ、という声が聞こえてきそうですが、そこはまぁ、ヒマだしたまにはいいじゃないっていうアレです。突然ですが、私は恋愛モノの小説・映画って苦手なんですね。「人類とは」「戦争とは」「精神とは」みたいなでかいスケールの話…

スレンダーマン事件と『小さな悪の華』に見る、“少女2人”の狂信性

先日ぼ〜っとtwitterのタイムラインを眺めていたら、ちょっと衝撃的なニュースが目に飛び込んできました。スレンダーマンに命じられたと供述。不気味……。/【速報】12歳の少女がネットの噂を信じ、友達をメッタ刺し。アメリカで話題の都市伝説「スレンダーマ…

サム・ペキンパー『ワイルドバンチ』で再確認する、「こんな死に方はイヤだ!」

みなさんは、「この死に方だけはイヤだ……」と思っている最期はありますでしょうか? 私はというと、幼少期に観た映画(何の映画かは記憶にない)の影響で、「機械に巻き込まれて死ぬ」という最期の迎え方に、尋常ならざる恐怖を抱いています。船のモーターに…

亡くなった著名人に反応すること 〜鈴木則文の訃報によせて〜

「今までに、政治が、文学が弱い人の味方をしたことがあったか!?だからせめて俺の映画だけは、弱い人の味方をする!!…ちょっとカッコつけすぎかな」鈴木則文— Kiichiro Yanashita (@kiichiro) 2014, 5月 16 映画監督の鈴木則文が、去る2014年5月15日にお亡く…

“女のいない男” ジャン=リュック・ゴダールのミューズはだれか?

村上春樹がつい最近『女のいない男たち』という短編集を発表しましたが、そんな村上春樹自身は学生時代に結婚した奥さんとずっと一緒にいるわけで、ぜんぜん“女のいない男”じゃないんですよね。なのでちょっとずるいんじゃないの? とかも思うんですが、そん…

園子温が苦手な私による園子温論

「ま、うちらみたいなさ、筋金入りの映画ファンからすると、園子温って映画的にダメなんだよね」。上記の言葉は、私がいったわけではありません! 園子温の本に、ある日飲み屋に行ったら自分のことがそういわれているのを聞いてしまった、と書いてあっただけ…

個人的にトラウマになるくらい後味の悪かった映画7選

たくさんの映画を観ていると、「期間をおいてもう一度観たい!」と思う素敵な映画もあれば、「できれば二度と観たくない」と思う、 何とも後味の悪い映画にも出会います。今回紹介したいのは、私が出会ったなかでも特に後味の悪かった、何ともダークな映画た…

暇な時や眠れない夜におすすめ 50音タイトルゲーム

たとえば、事故で電車が止まってしまって、ちょうど本とか持っていなくて携帯の充電も切れかけているとき。 たとえば、早く寝ないといけないのに、なかなか寝付けないとき。そんなときは、私が開発した(?)「50音タイトルゲーム」をやってみましょう。50音…

私がエンターテイメント系より芸術系映画が好きな2つの理由

私は映画が好きです。最近は映画を観ることにちょっと疲れてしまっているところもあるんですが、それでも映画は映画でやっぱり好きなんだと思います。ちなみにどういう映画が好きなのかというと、「チェコの60年代の映画」とかいうと狭すぎるので、ここでは…

映画史的に重要らしい映画リスト50本

私は大学および大学院時代、映画学を専攻していました。そのため、学校内外を問わず、学生時代は寝ても覚めても映画を観ているような生活を送っていました。でも、私はこのブログではあまり映画について語りたくありません。なぜかというと、ガチの専門分野…

恥ずかしいけど選んでみた 蒼井優がかわいい青春映画5選

はじめに断っておくと、私は蒼井優という女優がものすごく好きだ! というわけでは決してありません。ではなぜこんなエントリを書こうと思ったのかというと、私が高校生から大学1〜3年くらいのときに、何となーく観ていた映画に、何となーく蒼井優が出ている…

それでもやっぱり耐えてほしい、「映画の耐えられない長さ」。

ブロガーのイケダハヤトさんによる、こんな記事を読みました。 映画の耐えられない長さ:上映中にスマホをいじる人たち - ihayato.書店 | ihayato.書店

アメイジング! ヤン・シュヴァンクマイエルの傑作短編5選

私が「神様」と称し、このブログでもしつこいくらい取り上げられている、チェコの映画監督ヤン・シュヴァンクマイエル。 ヤン・シュヴァンクマイエル 忙しいビジネスマンに、究極のシュルレアリスムを! - (チェコ好き)の日記スパイシー! ヤン・シュヴァン…

スパイシー! ヤン・シュヴァンクマイエルの長編映画全解説!!(後編)

前編に引き続き、チェコ共和国が生んだ鬼才、ヤン・シュヴァンクマイエルの長編映画の解説をしたいと思います。 前編はこちら スパイシー! ヤン・シュヴァンクマイエルの長編映画全解説!!(前編) - (チェコ好き)の日記 後編では、シュヴァンクマイエルの後…

スパイシー! ヤン・シュヴァンクマイエルの長編映画全解説!!(前編)

チェコを代表する映画監督、ヤン・シュヴァンクマイエル。知っている人はものすごーくよく知っている、知らない人はまったく知らない、何度聞いても名前が覚えられない、それがヤン・シュヴァンクマイエル。彼の作品は、当ブログでも断片的になら、何回か紹…

あなたも、百万長者になってみませんか?

自分の前に割り込んで買ったおばあちゃんの宝くじが5億円の大当たり! あなたならどうする? - ICHIROYAのブログ 出た! 宝くじの高額当選。億万長者。大金持ち。セレブ。いかにも高級そうな服を着て、外車を乗り回し、毎日おいしいものを食べ放題。ステキな…

ジム・ジャームッシュの映画

みなさんは、日常生活において、何かを「かっこいい!」と思うことは、ありますでしょうか。実は、「かっこいい」をテーマに文章を書こうとすると、それだけで3000字とかになってしまいそうなくらい、私はこの「かっこいい」という感情を、わりと重要視して…

笑撃的!? 人生を狂わすので見てはいけない、傑作チェコ映画5選

なぜか今頃、9月に書いたこちらのエントリへの訪問者がふえております。 ヤン・シュヴァンクマイエル 忙しいビジネスマンに、究極のシュルレアリスムを! - (チェコ好き)の日記「ふえている」といっても微増ですが、このエントリは、私が今まで書いてきたブ…

血が滴る傑作 ノーベル文学賞の莫言の小説を読んでみた。

ちょっと今更感がただよいますが、2012年、またしても村上春樹氏が逃したノーベル文学賞をかっさらった人物、莫言の小説を読んでみました。赤い高粱 (岩波現代文庫)作者: 莫言,井口晃出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/12/17メディア: ペーパーバック購…

旅をすることで人生は変わる アッシジ編

イタリア旅行記、ちょっと飽きてきましたか?笑でも、旅はまだまだ続きます。次に向かうのは、聖フランチェスコの街、アッシジです。 ちなみに、これまでの道程はこちら。旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編 - チェコ好きの日記旅をすることで人生は…

芸術系大学院卒がえらぶ! とりあえず観ておいたほうがいいベタな名作映画5選

趣味が「映画鑑賞」という人は、老若男女問わずたくさんいます。 そんな「趣味は映画鑑賞」の人なら、「これが王道でしょ!」みたいな作品って、だれでも思い当たるものがいくつかあると思うんですよね。ただ、その「王道」には年齢や性別や映画の趣味嗜好に…

旅をすることで人生は変わる シエナ編

もし、明日で人生がおわってしまうとしたら、何をしますか?私は、1年くらい猶予があればもちろんまた別に考えますが、もし、明日で人生がおわってしまうとしたら、アンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』を見ます。『ノスタルジア』には、この世界の…

今、大島渚について私がいえること

映画監督の、大島渚が亡くなりました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130115/k10014817051000.html 当ブログで、映画監督の訃報についてふれるのは2度目です。若松孝二についても、亡くなったその日にエントリを書きました。 さよなら、若松孝二 - チ…

旅をすることで人生は変わる フィエーゾレ編

大学4年間と、大学院2年間、計6年間を映画の研究に費やしたという、稀有な(無謀な)経歴の持ち主な私。「おすすめの映画は?」と聞かれれば、もちろん「ヤン・シュヴァンクマイエル」と答えたいところだけれど、(※シュヴァンクマイエルって何?という方は下記…

『MEDIA MAKERS』僕は映画が見れない|メディアの未来と、映画祭と

もうすぐ2012年も終わりですが、今年みなさんは、何本くらい映画を見ましたか? (映画館とDVDなどを合わせて) きちんとどこかで統計をとったわけではないので感覚値ですが、年間で映画を見る量は、 少ない人で0~1本、ふつうの人で2~9本、10本以上だと「多…

さよなら、若松孝二

映画監督の経歴をよく見てみると、出身がピンク映画だったりすることが、意外に多いです。ピンク映画とはもちろん、エロい映画のことです。最近はその役割のほとんどをアダルトビデオが負っているため、「映画館でピンク映画を見る」という機会を、一般の人…