チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

バリ島旅行記に関するまとめと宿情報などなど

長々と書いていたバリ島旅行記、ブログエントリとnoteの記事をすべてまとめました。見逃している方も、時間のあるときに改めて読んでみてくれたら嬉しいです。また、今回利用した船やツアー会社の情報も追記しているので、バリ島を旅される方は参考にしてください。

【0】バリ島に関する本、旅行中に読んだ本

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【1】【2】バリ島のこと

旅情報としては、バリ島はUberが使えるということを旅行者は覚えておくといいかも。あと、私はプリペイドSIMを空港で買ってWi-Fiに頼らない快適ネット環境を用意していました。そして下記のサイババ占い体験で利用したツアー会社はAPA?という会社。お世話してくれたワヤンさんは日本語ペラペラで、よく電話口で「了解〜」と言ってました。あとAirbnbで泊まった宿のオーナーもワヤンさんでした。

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※こちらがウブドの宿。しゃれおつだが虫除けスプレー必須。
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【3】【4】ギリ・アイルのこと

この旅でもしかしたらバリ島よりも好きになってしまったかもしれないギリ・アイル。滞在するだけで幸せになれる島。小さすぎてUberどころかそもそも車が走っていません。移動は徒歩で。バリ島からギリ・アイルまで海の移動はワハナ・ギリオーシャンという会社の船を使いました。宿からバリ島のパダンバイ港までの送迎付き。ただし時間通りには来ない(30分くらい遅れたので超焦った)。
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※ギリ・アイルの宿。家族経営なのか、受付の奥でちびっこが遊んでいました。
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【5】ロンボク島のこと

旅行前にいちばん心配していたのがギリ・アイル→ロンボク島への移動で、いくら検索してもこのルートで旅した人の記録が出てこない。ロンボク島→ギリ・アイルのルートで旅している人はけっこういるみたいなのだけど、もしかして逆は船がないのか!? とちょっと心配していた。でももちろん、そんなことはなかった。船着場のところにボートの時刻表が出ている。値段も書いてある。ロンボク島ではUber使えません。
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ロンボク島の宿。こちらのオーナーの名前もワヤンさん。あと翌日に乗ったタクシーの運転手もワヤンさんだった
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【6】ジャカルタのこと

ジャカルタUberが使える。が、道路交通事情が悪すぎるため、呼んでもなかなか来ないし流しのタクシー拾ったほうが早い気もする。
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ジャカルタの宿。高級住宅街みたいなとこにある。
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最後に

なんだかんだいって参考になった高城剛さんの本。バリ島、ギリ・アイル、ロンボク島のことが載っています。次にインドネシアを訪れるときは、ジョグジャカルタのボロブドゥール遺跡を見て、バリ島から東にずっと移動し、東ティモールパプアニューギニアまで行ってみたいです。めちゃハードなルートになりそうなので、できるかできないかは別として。

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【6】灼熱のジャカルタと信用できない警官

バリ島旅行記、これで最後。念のため確認すると、ここまでのルートは、成田→シンガポール→バリ島→ギリ・アイル→ロンボク島と来ている。そして、私はロンボク島の空港からジャカルタに移動した。

【5】ロンボク島の神様 - チェコ好きの日記

ジャカルタには現地時間の20時くらいに到着したのだけど、空港からタクシーでAirbnbで予約した宿に向かった。タクシーの中ではなぜか日本語教室的なラジオが流れたり、日本語の歌謡曲が流れたりしていて、一瞬日本に帰ってきたのかと疑ってしまった。だけどもちろんそんなことはなく、私と運転手さんの会話は英語だ。だけどお互いカタコトなので意思疎通が難しい。

灼熱のジャカルタと信用できない警官

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翌日、東南アジア最大のモスクであるというイスティクラル・モスクを見学する。モスクの見学ツアーはかなり丁寧で、ごく普通の一般観光客に過ぎない私に、係員のかわいい女の子がマンツーマンで施設について解説してくれた。しかも無料。至れり尽せりの宗教施設だ。彼女については、noteにちょっと詳しく書いている。

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モスクを見学した後は、その正面にあるジャカルタ大聖堂へ。私に施設の解説をマンツーマンでしてくれた女の子は、イスラム教のモスクから、キリスト教のカテドラルが見える。でも全然問題ないの。私たちは別に憎しみあってないし、互いを尊重しているから」といっていた。宗教がちがうからわかり合えないなんて嘘だ、と思った。

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ジャカルタ大聖堂を軽く見学した後は、国立博物館に向かう。かなり暑かったので、耐えかねて物売りのおばさんから水を買う。するとそこに、なぜか複数人の警官が現れて、「ここで商売するな!」みたいなことをいって、座っていたおばさんの腕を無理やり掴んで立たせ、どこかへ連れていこうとした。おばさんは「何なのよあんたたち!」みたいなことを言って抵抗している。取っ組み合いのようになってしまって、私は警官がおばさんを殴るんじゃないかと恐怖でその場で固まってしまった。

結局、おばさんがかなり強く抵抗したからか警官は諦め、何かを吐き捨てて立ち去った。おばさんは、抵抗して乱れた髪を直している。なんだあいつら、感じ悪いな……と思った私は、この街ではもし道に迷っても警官に道を尋ねるのはやめよう、と決めた。警官よりもそのへんにいるホームレスのおやじのほうが、ここでは信用できそうだ。

国立博物館を見学して、この日は終わり。なんか賑やかだなと思ったら、現地の小学生が社会見学をしていたみたいだ。制服がかわいい。

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オランダ領時代の風景が残るコタ地区

そして翌日は、ジャカルタがオランダ領時代だった頃の名残が強く残っているというコタ地区に行く。鉄道がよくわからなかったので、そんなに高くないしタクシーを使ってしまったのだけど、ジャカルタは道路交通事情がかなり悪い。一本通行しかできない道が多いのか、Googleマップを見ながら「あ、もうすぐだー」と思っていてもなかなか着かない。渋滞もひどいし、これはどうにか改善しないとやばいのではないか。みんなどうやって通勤しているんだ。この後にちょっとした好奇心からバイクタクシーに乗ってしまったんだけど、渋滞の中をガンガンすっ飛ばして走るバイクは、まじでここで命が終わってもおかしくないと思った。もう二度と乗らない。

コタ地区のファタヒラ広場というところには、カフェ・バタビアというお店がある。ジャカルタの中でもかなりの高級店の部類に入ると思うのだけど、コーヒー1杯が1200円くらいした。しかし雰囲気は抜群に良く、クラシックの映画に出てきそうな感じだった。

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というわけで、いつも長々と書いてしまう旅行記はこれで終わり。コタ地区を見学した次の日、私はジャカルタから羽田空港へ飛んだ。

インドネシアという国はとても不思議で、1000以上あるといわれている島から成り立っているし、民族も伝統も細かくいうとバラバラらしい。確かに、ジャカルタの人とバリの人では、宗教もちがうし雰囲気もちょっとちがう。そんな国が、なぜ「インドネシア」という国家としての統一感を保っているのかというと、これは「統一感を保って外部の圧力に抵抗するしかなかったから」というのが実際のところらしい。ようは『定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)』みたいな話だ。そして、バリ島、ギリ・アイル、ロンボク島、ジャワ島(ジャカルタ)と、常に海を越えた移動をしていたせいか、「島」というものについて何だか深く考えてしまう旅だった。

海を越えると、人が変わり、植物が変わり、宗教が変わり、世界が変わる。だけど、それでも想像上の国家としては統一されている。国境というのは、人間が便宜的に引いた想像の産物でしかない、と思った。

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★おわり★

【5】ロンボク島の神様

バリ島旅行記の続き(しかし、繰り返すが正確にいうともう「バリ島旅行記」ではない)。バリ島から船で2時間のところにあるギリ・アイルという島に行き、そこからさらにボートで10分、ロンボク島という島に行った。

【4】ギリアイルの停電する夜 - チェコ好きの日記

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呑気に海を眺めていたら残念ながら雨が降ってきてしまい(雨季だからしょうがない)、宿に戻る。読書でもしようかなと思ったけど少し体を動かしたい気分だったので、雨がうつ宿のプールを一人で独占して、すいすい泳いでいた。

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翌日は、ロンボク島の空港からいっきにジャワ島へ、ジャカルタへ飛ぶ予定になっていた。なぜジャカルタに行こうと思ったのかというと、私はアホなので、ジャカルタからボロブドゥール遺跡に行けるもんだと思っていたからである。ボロブドゥール遺跡を見るためには、ジョグ・ジャカルタというところに行かなければならない。が、私はジョグ・ジャカルタってジャカルタの郊外かなんかなんだろうと思っていて、ロンボクからジャカルタ行きの航空券、そしてジャカルタの宿、さらにジャカルタから羽田空港行きの航空券も買ってしまっていた。出発する3日前くらいに「もしかして、ジャカルタとジョグ・ジャカルタってめっちゃ離れてます?」ということに気付いたのだが、そのときはもう、遅かった……。強行採決スケジュールも考えたが、かなり無理があったので諦め、ボロブドゥール遺跡はまた次の機会に行くことにする。

ロンボク島からジャカルタに行くまでにけっこう時間があったので、宿から徒歩で行ける、バツ・ボロング寺院というヒンドゥー教のお寺を訪ねてみる。ロンボク島イスラム教の島なのだけど、やはりバリ島に近いからかヒンドゥー教の寺院もあることにはある。

受付のおばちゃんに喜捨をして門をくぐると、そこはアジア人も欧米人も観光客は一人もおらず、現地の人ばかりだった。名所というほどでもないし、外国人でここまで来る人は稀なのかもしれない。おじちゃんたちがくつろぎ、子供たちがはしゃぎまわり、おばちゃんたちが熱心にお供えの手入れをしたりしていた。

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観光客だらけの名所も、私は歴史や美術(建築)をすごい調べるので、たとえスタンプラリーと揶揄されようとけっこう好きだ。だけど、ガイドブックに載らない、地元の人だけがのんびり集まる場所に一人でふらりと訪れてみるというのも、なかなかいいもんだなあと思った。というか、なんだかぽつんとした気分になるのが似合う場所だったので、一人で来れて良かったなあと思った。


バリ・ヒンドゥーの世界は、どうしてこうも色鮮やかなのだろう。人々が着ている服と、花や果物がまったく同じ色調である。どうしてこんな眼が覚めるような色使いをするのだろう。

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神様に向かって祈りを捧げる人々を見つめながら、もしかしたらバリ・ヒンドゥーの世界では、人も花も果物も価値が等しいのかもしれない、などと思った。人は花より優れているわけじゃないし、人は果物より賢いわけじゃないのだ。全部、神様へのお供え物という点では一緒なのかもしれない。

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色が美しいのは正義だ。私は陰気な性格なので、霧の中に消えてしまいそうな東欧の憂鬱さも好きだけど、色彩豊かなものを目にしていると、「生きねば!!!」という気分になってくる。

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次回へ続く(たぶん最後)

【4】ギリアイルの停電する夜

バリ島旅行記の続き(正確にいうともうバリ島じゃないが)。

【3】ウォレス線をこえて、バックパッカー・アイランド - チェコ好きの日記

バリ島からフェリーで2時間、ギリアイルという島にやってきたものの、何せ一周しても徒歩1時間というとても小さい島だ。観光名所もないし、海岸を散歩してお昼ご飯を食べたら、そのまま海を眺めながらカフェで読書でもするしかない。というわけで、夕方になるまで私は本を読みつつぼーっとしていた。

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(※お昼ご飯のミーゴレン)
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やることがなさすぎたので、夕方からはヨガのクラスに参加する。私の前に陣取っていたフランス人(たぶん)の女の子が超絶体が柔らかく、「ビギナークラスって書いてあったから参加したのに……!」と一瞬後悔したが、左右をよく見ると90°しか開脚できない私のような人もけっこういたので安心した。しかし、体が柔らかい人を見るとそれだけで、私よりその人が人生を何倍も楽しんでいるのではないかと疑ってしまう。いっそあのベターっと開脚の本を買ってしまおうかという気になるが、思いとどまる。

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ヨガの時間は1時間くらいだった。

全体の最後に、ちーんちーんという鐘の音を聴きつつ、ヨガマットに仰向けに寝転がり目を閉じる。太陽が沈み、瞼の外の世界が、鐘と音と合わさってゆっくりゆっくり暗くなっていくのがわかる。

繰り返すが、ギリアイルはとても小さな島で、その気になって拡大しないと地図上には存在しないも同然だ。だけど、私は今その小さな島で、ヨガをやって息を整えている。鐘の音を聴きながら、太陽が沈みきるのを待っている。

これはとても不思議な体験だった。海が近いせいだろうか、目を閉じていると、波の音と太陽の角度が少しずつ下がっていく音と、自分の呼吸がだんだん重なってくるような気がした。

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先生の合図とともに最後、目を開けると周囲はすっかり暗くなっていて、それはもちろん当たり前なんだけど、私はなんだか狐に化かされたような気分だった。信じられないくらい頭も体もすっきりしていたけど、なんでそんなにすっきりしたのかよくわからなかったし、やっぱり何かに騙されたんじゃないかという気がした。


釈然としないままヨガスタジオを出て、途中でココナッツアイスを買ったりしつつ宿に戻るが、そのときいきなり街灯や店頭の電気が消えあたりが真っ暗になる。どうも停電らしい。ウブドの宿にもどる途中も真っ暗でiPhoneのライトが大活躍したが、まさかここでも使うとは。頼りない明かりで道を照らしつつ、歩いてのんびり戻る。途中、照らした先に牛がニュッと現れたりして、すごくびっくりする。

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(※これは翌日、明るい時間に撮った牛です)

宿に着く直前くらいで、復旧したらしく電気が元どおりに点く。しかしこの後、部屋でシャワーを浴びているときと髪を乾かしつつベッドでくつろいでいるとき、またも電気が消える。一晩に三回も停電するなんて生まれて初めてだ。だけど、これが本来の地球の暗さなんだよななんて思いつつ、また停電すると面倒なのでその日は早く寝てしまった。

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翌日は、スピードボートに乗ってロンボク島へ進む。船の出発前、改めてギリアイルの海岸を散歩したが、本当にはてしなくのんびりした島だ。島の人は大人も子供もみんなニコニコしていて呑気そうだし、動物も人間様おかまいなしで堂々と道を歩いている。もう一泊してもよかったかななどと思い、今度は隣のギリメノやそのまた隣のギリトラワンガンまで行こうと決める。

ギリアイルからロンボク島までは、ボートで10分程度。すぐに到着する。だけど、10分でも海を隔てたそこはもう別世界だ。ロンボク島のバンサル港というのは客引きがしつこいかつ悪どいことで有名で、私もボートを降りたその瞬間に営業攻撃に遭う。ロンボク島はバリ島と同じくらいの規模がある島なのだが、大きい島というのはなんだか余裕がない。

しかし、しつこい客引きに関してはこちらもモロッコの旅で鍛えられている。私は難なくかわして信頼できそうなドライバーと値段を交渉し、宿の近くにあるロンボクのスンギギというビーチを目指した。

こちらは、波が荒い。

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次回へ続く

【3】ウォレス線をこえて、バックパッカー・アイランド

バリ島旅行記の続き。

【2】私は島とセックスできただろうか? - チェコ好きの日記

バリ島を歩いていると、ここでは神様を信じることが、とても自然なことなんだとわかる。バリ島というか、インドネシアでは全体としても多くの人が何らかの宗教を信仰していて、「自分は無宗教だ」というと無神論者すなわち共産主義者だと思われてしまうこともあるらしい。……と、いう話を聞いていたので、私は「あなたの宗教は?」とたずねてきた幾人かのバリ人・インドネシア人に、ひたすら「仏教」と答えていた。だけどもちろん、本当は仏教のことなんて何も知らない。

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バリの人は、とても自然に祈る。そばで観光客が写真を撮っていようが、外からちらちら見ていようが、特に気負いなく神に祈る。当たり前のように観光客がうじゃうじゃいるこの島では、そんなのにいちいち構ってたんじゃオチオチ生活もできないというのもあるんだろうが、神に祈っている人というのが私はどうも好きみたいだ。

はじめて、信仰を持つことを羨ましいと思った。神様がいる世界にとても自然に馴染んでいけた彼らを、羨ましいと思った。私が今ここから何かの宗教を信じることは、かなり不自然なことになるからやらない。そうではなくて、何かを信じるという環境を、生まれながらに用意されていたことを羨ましく思った。

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あとは、物売りの子供がまあよく語学ができる。もちろん使える単語は値段交渉ができるシーンに限られてはいるのだろうが、それにしたって日本語も英語もフランス語もペラペラしゃべる。「あの子ら、ああ見えて七ヶ国語くらいできるんだ」とワヤンさんがいう。私も、つい先延ばしにしているが、どこかで語学は本気でやらなければいけない気がする……英語もロクにできないうちから欲張るのは滑稽かもしれないが、もっといろいろな言葉がわかるようになりたいと思う。アラビア語とかわかったらかっこいい。

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バリ島観光は実はここまでで、翌日から私は、フェリーでこの島を離れ、ギリ・アイルという島、それからロンボクという島を訪れてみることにした。船の予約はインターネットでできて、値段は片道四千円から七千円くらい。ちなみにこれらの島については、高城剛の本に少しだけ記述がある。ギリ・アイルは「ギリ三島」とよばれる三つの島の中の1つで、仲間とはしゃぐパーティー・アイランド「ギリ・トラワンガン」、カップルで行くハネムーン・アイランド「ギリ・メノ」とならび、バックパッカー・アイランド」とよばれている。要するに、独り身の島である。

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予想はしていたが、フェリーに乗り込んだアジア人は私1人で、他はみんな欧米人だった。私はバリ島からギリ・アイルまでの片道チケットをネットで予約し、その後ギリ・アイルからロンボクへ、そしてロンボクの空港からジャカルタに飛ぶことにした。

で、上でもいっているように、このギリ・アイルは徒歩一時間くらいで一周できてしまう本当に小さな小さな島である。だから車がない……というか必要なく、移動は基本的に徒歩、現地の人は自転車、重いものを運びたいときは馬車、みたいになっている。車がないせいか空気がきれいで、そしてはてしなくのんびりした雰囲気の島である。

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そして、ここからはちょっとマニアックな話になるのだけど(興奮)、バリ島とロンボク島の間には、実はウォレス線という、生物分布境界線が存在する。どういうことかというと、このウォレス線によって、生物の分布が東洋区(バリ側)とオーストラリア区(ロンボク側)で分断されているのだ。生物や植物の雰囲気が、どことなく変わる。そして面白いことに、宗教も変わる。バリはヒンドゥー教だが、ギリ三島やロンボクはイスラム教だ。船で二時間という距離しか離れていないのに。それで、バリ島のちょっと下にあるレンボンガン島という島もたぶん東洋区なのだけど、ここもどうやらバリ・ヒンドゥーの島。つまり、この生物分布境界線が宗教分布も変えている*1。この話めちゃくちゃ面白くないですか?

というわけで、ギリ・アイルに着いてからは懐かしの、アザーンが聞こえてきた。アザーンイスラム教のお祈りの合図の放送で、私はモロッコと、ヨルダンと、イスラエルでこれを聞いたことがある。女性はヒジャーブをかぶっている。ここはもう、イスラムの世界だ。

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次回へ続く

*1:このあたりについて研究した書籍はないのだろうか。知っている人がいたらご一報ください。海外文献でも英語なら頑張って読みます