チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

2016-01-01から1年間の記事一覧

【中東旅行記/4】マラケシュの悪夢 〜あと、砂漠に行きたい〜

かなりのんびりペースで更新している旅行記です。前回分はこちら。 aniram-czech.hatenablog.comちなみに、たまに誤解されている方がいて紛らわしくて申し訳ないと思うのですが、私は3月半ばには日本に帰ってきておりますので、今外国にいるわけではありませ…

正義も悪も区別なし/メキシコ麻薬戦争のドキュメンタリー『カルテル・ランド』

先日、TBSの『クレイジージャーニー』で犯罪ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんによるメキシコ潜入取材の様子が放映されていましたね。そのへんの道路に拷問を受けた(と思われる)死体がフツーに転がってるという、ちょっとありえない映像でしたが、そうい…

TBS『クレイジージャーニー』は〈クソ面白い〉以外に形容のしようがない

私、アラサーの女性なんですね。もういい加減大人なので、「クソ」とかいうのは品がないなって思うときもあるんですよ。私のなかで「言葉遣いを直そう問題」は昨年から度々浮上していて、まったく気にしていないわけじゃないんです。だけど、世の中には「ク…

【中東旅行記/3】タンジェとシャウエンの青いまち

今回は余計な話題をはさまずに、普通にストレートに旅行記を書くことにします。ちなみに、前回の話がどこまでで、今回の話がどこからかというと、前回までで一応スペイン編は終了しました。今回は、ジブラルタル海峡(下の地図でスペインからモロッコに矢印…

自爆テロって、どんな人がやるんだろう? 『パラダイス・ナウ』

先日4月16日から、『オマールの壁』という映画が渋谷アップリンク等で公開されています。『オマールの壁』ってどんな映画? という人は、よろしければ以下をご覧ください。aniram-czech.hatenablog.comそれで、『オマールの壁』と同じハニ・アブ=アサド監督…

よくある三角関係の話……にならなかった話、『オマールの壁』

男の子二人と、女の子が一人いるんですよ。三人は幼馴染なんですが、男の子二人がそろって一人の女の子が好きなわけです。まあ、よくある話ですね。だけどこの一人の女の子もちょっといけないところがあって、二人の気持ちを知っていながらどっちつかずの態…

【中東旅行記/2】精神的な余裕がないときにする「何か」。

先日、とある方から質問を受けて、「おお、そうか!」と思ったことがあります。その方は、「(あなたがやっているような)旅行とか芸術鑑賞とかっていうのは、精神的な余裕があるからできることですよね? 精神的な余裕を保つために、何か心がけていることは…

本当は、もっとゆっくりやって欲しい。/くらしのきほん×箱庭×灯台もと暮らし #スチーブ

先日、「くらしのきほん」編集長の松浦弥太郎さん、「箱庭」編集長の東出桂奈さん、「灯台もと暮らし」編集長の佐野知美さんが登壇するトークイベントがあったので、行ってきてみました。うっかり実際のトーク中の写真を撮り忘れ、懇親会で振る舞われたMOMOE…

【中東の旅/1】自己肯定感を高めたかったらイタリアに行けばいいじゃない

……と、タイトルにあることは半分本気でありつつも半分冗談なんですけど、私は「自己肯定感」という言葉はあまり好きではありません。「またその話かー」と思ってしまうからです。しかし、「またその話かー」となるということは、私を含めた現代の日本の一部…

旅好きか否かって、血液型の話みたいなものでしょう

フランツ・カフカの名前は、20世紀を代表する作家の名前としてあげることができると思います。有名な話ですが、カフカはチェコ出身のユダヤ人で、プラハ市内の保険局に勤めながら小説を執筆していました。しかし、この人は闇が深すぎたのかなんなのか、ほぼ…

人事を尽くして天命を待つ/『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』

ファーレンハイトさん改め桐谷ヨウさんがこの度上梓された、『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』というタイトルが長いため『でも恋』と略されている本を遅ばせながら読んでみました。仕事ができて、小金もあ…

「帰る場所がない」を考える中東の旅/あと、電子書籍が出ます

旅行に行きました。今回は少し長い旅で、期間は1ヶ月弱。その間でまわった国は、スペイン、モロッコ、ヨルダン、イスラエル、ギリシャの5カ国です。なぜこのルートだったのかというと、理由は後付けでもある(だから関係ない場所も多少含まれている)のです…

社会を信じるか、大衆を信じるか?/『隠居系男子的。』の感想

くいしんさん(@Quishin )が編集されている、灯台もと暮らし運営会社Wasei代表の鳥井弘文さんへのインタビュー本、『隠居系男子的。』を読みました。あまり自分のことを語らない鳥井さんが、人目に触れるかたちでは初めて、自分のルーツや生い立ちや学生時…

美しい歌声をもつ者は、やがて惨たらしい死を遂げる/ポール・ボウルズ『優雅な獲物』

ニューヨーク出身、のちにモロッコのタンジェへ移住した作家、ポール・ボウルズに激ハマリしています。異郷・北アフリカの猟奇と野蛮を好んで描くグロテスクな作家、といった偏見が強いボウルズですが、彼が描く異郷の物語は、どこか普遍性を持っているよう…

ツイキャス後記 〜日本の批評はまだ生きているか〜

23日の夜、くいしんさん(@Quishin)と一緒にツイキャスを行ないました。私自身は初めてやってみたのですが、聴いてくださった方、コメントをくださった方、どうもありがとうございました。アーカイブを残してあるので、リアルタイムで聴けなかったけど興味…

「お腹いっぱい」食べたいの

今回は、私のブログのなかでたまにある「自分でも何いってるかよくわからない系」の話をします。なので、細かい定義の誤りや論理的な矛盾はどうかお手柔らかにご指摘いただけると嬉しいです。※こういう系 aniram-czech.hatenablog.com 1 すごく感覚的な話に…

noteを中心としたエッセイっぽい文章のまとめ

今年に入ってから「絶対、私やんないわ」とこれまでずっと思っていた毎日更新に期間限定でチャレンジしているのですが、「わりとイケる」と思っていたのに「【日記/10】毎日文章を書くようになって気が付いたこと|チェコ好き|note」を書いた翌日からツライ…

ユダヤ人の定義不可能性/四方田犬彦『見ることの塩』ほか

もしバスに乗るならば、なるべく後部座席に坐ること。ガラスの近くには身を置かないこと。爆弾犯人は大概、バスに乗車しようとした時点で誰何され、次の瞬間に起爆装置のボタンを押すから、前方の乗車口付近に坐っていると、死亡したり怪我をする確率が高い…

自己満足ショップ:チェコ好きせれくしょんを作った

こんなのを作りました。PCだと右の真ん中らへん、スマホだと上のほうにあります。とてもざっくりした説明で恐縮ですが探してみてください。 チェコ好きせれくしょん - 小説←リンクここカテゴリーは「小説」と「エッセイ」と「まんが・雑学」と「評論」と「映…

お正月読書:夏目漱石『行人』/いいたいこともいえないこんな世の中じゃ

あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。昨年の下半期から、夏目漱石の小説をちょくちょく読んでいました。私は実は、本を1冊だけ読んで、その1冊だけで感想文を書くというのがどうも苦手です。同じ著者の本を何冊か読…