チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

北米

ジョン・レノンを殺した男

日々生活を送ったり、いろいろな映画や文学作品に触れていると、「あ、私、まあまあ頭やばいな」と思う瞬間がある。この文脈における「やばい」にはポジティブな意味は1ミリも含まれていなくて、ネガティブ100%の、「法に触れる罪を犯しちゃいそう」という意…

30歳女が観る"デキちゃった"映画『イレイザーヘッド』

このブログを書いている人は現在30歳の女性であるが、しかし実際の中身はオッサン……ではなく、ガリガリに痩せている病的にナイーブな16歳の少年である。そう、ちょうどガス・ヴァン・サントの映画に出てくるみたいなね。毎日ストリートでスケボーしてるし。…

新しいことを始めるのに、恐怖心は捨てなくていい

何かしらのカルチャーにそれなりの造詣がある者にとって、「1968年」という年について語る際、ネタに事欠くことはない。 私にとってはまず、ワルシャワ条約機構軍によるチェコスロバキアへの侵攻である。他にも、全共闘運動が日本の主要大学を活動停止に追い…

何をしたら癒されるのか、についての仮説

「麻薬」「幻覚」「変性意識状態」みたいな単語を目にすると、知らず知らずのうちに顔がニッコニコになっているので、んもう私って本当にそういうのが好きなんだな、と思う(違法なことはしておりません)。現実逃避がしたいのだろうか。 それはいいとして、…

30歳を過ぎたら

旧石器時代があり、新石器時代があり、青銅器時代があり、そして長い年月のあとにカットグラス時代がやってきた。 目に入った瞬間に惚れてしまう文章というのがある。上の文章はスコット・フィッツジェラルドの『カットグラスの鉢』という短編小説の冒頭だけ…

感想文:雨宮まみ『東京を生きる』

人の訃報に触れてその人の本を手にとってみるという行為は、咎められはしないもののあまり品の良い行ないだとは思えない。だけど、そういえばどんなことを書いていた人だったんだっけ、とAmazonで検索していたらどうにも止まらなくなってしまい、気が付いた…

なぜ松浦弥太郎さんは『オン・ザ・ロード』が好きなんだろう?

「なぜ松浦弥太郎さんは『オン・ザ・ロード』が好きなんだろう?」というタイトルを付けてしまったのですが、結論からいうと、個人の好みがすべてその人の作っているものや仕事に反映されているとは限らないし、この問いについて考えることに意味があるとは…

欲望にひた走った中村うさぎが逆に禁欲的であるという聖書のはなし/あるいは『フラニーとズーイ』。

怪しげなカルト宗教にハマってしまったわけではなくただの趣味ですが、最近聖書に関する本をたくさん読むようにしています。今回読んで面白かったのは、クリスチャンでカルヴァン派の作家・佐藤優さんと、同じくクリスチャンでバプテスト派のエッセイスト・…

フィッツジェラルド『ベイビー・パーティー』についてのノート

スコット・フィッツジェラルドの著作を着々と開拓している私。とりあえず日本語で読めるものを完全制覇しようと思い、地味にいろいろ買い集めています。いつか完全制覇をするその日の前に、印象に残った短編小説の感想をメモしておきます。『冬の夢』に収録…

セックス&ドラッグ、陰謀とパラノイア『インヒアレント・ヴァイス』

「サリンジャーは隠れる。ピンチョンは逃げる」。 と、どこかの批評家がいっていたらしいですが、実は正体はあのJ・D・サリンジャーなんじゃないか? なんて噂が(冗談まじりにしろ)立ったこともある謎の作家、トマス・ピンチョンの『LAヴァイス』が映画化…

『アメリカン・スナイパー』は何についての映画だったのか?

私のなかで開始20分以内で寝る映画としてすこぶる評判が悪かったクリント・イーストウッドなのですが(好きな方ごめんなさい)、この度『アメリカン・スナイパー』が話題になっているようだったので、観に行ってきてみました。映画『アメリカン・スナイパー…

ホリー・ゴライトリーのように善きことをしたい2015年、『ティファニーで朝食を』。

あけましておめでとうございます。2015年も張り切って更新していこうと思ってますので、今年も当ブログをみなさんよろしくお願いいたします。さて、私が毎年1月1日に行なう作業といえば、愛用しているほぼ日手帳の入れ替え・予定及び目標の更新です。が、ず…

【NYひとり旅/ラスト】マイ・ロスト・シティー

長々長々と書いてきたこの旅行記、今回で終わる予定です。※だいぶ昔に書いた1記事目 ※前記事 ニューヨークでの食事やグラフィティアートの記事をはさみましたが、時系列的には、MoMAに行ったあとGrandCentral駅で生牡蠣を食べ、そのあとはTHE定番観光スポッ…

【NYひとり旅/10】ニューヨークで見つけたグラフィティアート

いつまで書く気だというかんじですが、まだ旅行記続行しています。※1記事目 ※前記事 ところで、東京だろうとどこだろうと、大きな都市に行くと(地方都市でも?)壁やシャッターなどに「落書き」を見つけてしまうことがあります。都内でそういう「落書き」を…

【NYひとり旅/9】ニューヨークのお食事事情

まだ続いてます旅行記。※もはや懐かしい1記事目 ※前記事 ここまでニューヨークでの食事についてまったく触れてこなかったのですが、それは今回のエントリでまとめて書く予定だったからです。ところで、これまで何事もなかったかのように平然と旅行記を書いて…

【NYひとり旅/8】MoMA 身体を拘束し、移動すると感動する。

まだ旅行記が続いています。※1記事目 ※前記事 チェルシーにてマシュー・マークス、ガゴシアンなどなど有名ギャラリーをめぐった後は、地下鉄に乗ってミッドタウンまでもどり、ニューヨークに来たならまぁここは行くよねということで、MoMA(ニューヨーク近代…

【NYひとり旅/7】チェルシーでギャラリーをめぐろう!

まだまだ旅行記です。もう7記事目なので、ようやく終わりが見えかけてきました。逆にいうと、まだ終わりが“見えかけている”だけ、ということでもあります。※1記事目 ※前記事 観光3日目のこの日は、マンハッタンのチェルシー地区で、現代アートのギャラリーを…

【NYひとり旅/6】ロングアイランドで、『グレート・ギャツビー』の「灰の谷」に行ってみた

旅行記続いています。 前回はロングアイランド、ブルックリンでの思い出を書いたんですが、そのブルックリンのブルーボトルコーヒーでぼ〜っとコーヒーを飲んでいたとき、ふと「“灰の谷”ってどこにあるんだろう?」と思ったんです。“灰の谷”とは、スコット・…

【NYひとり旅/5】まだマンハッタンで消耗してるの?

まだまだ旅行記が続いています。 【NYひとり旅/4】これがホンモノのJAZZ! ポートレイト・イン・ビレッジ・バンガード - チェコ好きの日記 観光2日目のこの日は、マンハッタンをはなれ、1日かけてブルックリンとクイーンズをまわってみることにしました。 ブ…

【NYひとり旅/4】ニューヨークのJAZZ ポートレイト・イン・ビレッジ・バンガード

再び旅行記です。 【NYひとり旅/3】タイムズスクエアは渋谷みたいなもん/話題のハイライン - チェコ好きの日記 ハイラインを歩いて終点から出たあとは、14thの駅のほうまで進み、1日目の目玉であった憧れの場所、ビレッジ・バンガードへ行きました。知らなか…

【NYひとり旅/3】タイムズスクエアは渋谷みたいなもん/話題のハイライン

旅行記続行中です。 【NYひとり旅/2】メトロポリタン美術館の珍品と、「何でそれ作ろうと思ったんスか?」の問い - チェコ好きの日記 メトロポリタン美術館を出た後は、ニューヨークに来たならやっぱりここは見とかないとダメだろうということで、マンハッタ…

【NYひとり旅/2】メトロポリタン美術館の珍品と、「何でそれ作ろうと思ったんスか?」の問い

前回はAirbnbを使っての宿泊と実現しなかったUberの利用に関して書きましたが、今回以降はもう少し個人的な旅行記です。 【NYひとり旅/1】成功と失敗談 AirbnbとUberの利用所感 - チェコ好きの日記 ところで前回書き忘れたんですけど、Airbnbの唯一の欠点は…

【NYひとり旅/1】成功と失敗談 AirbnbとUberの利用所感

お盆の間は、世間も私もこのブログも夏休み。 (チェコ好き)の日記は、今年も夏休みに入ります。 - チェコ好きの日記 ということで、今年の夏は1人、ニューヨークに1週間ほど旅行に行ってきました。8月後半は、このエントリを含めておそらく10回分くらいに…

退屈は人を殺す『グレート・ギャツビー』と『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』

自分のなかで、この夏はフィッツジェラルド&サリンジャーキャンペーンをやっておりまして、積ん読本がどんどん増えていきます。フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』は、数年前に村上春樹の訳で読んだのですが、あまりピンとこなくて、そのまま放…

『ヒップな生活革命』の先にあるもの

最近思うところあって、佐久間裕美子さんの『ヒップな生活革命』という本を読みました。佐久間さんはアメリカ在住のライターで、様々な雑誌に寄稿したり、自分たちでインディペンデントのメディアを作り上げたりしている方だそうです。ヒップな生活革命 (ide…

サム・ペキンパー『ワイルドバンチ』で再確認する、「こんな死に方はイヤだ!」

みなさんは、「この死に方だけはイヤだ……」と思っている最期はありますでしょうか? 私はというと、幼少期に観た映画(何の映画かは記憶にない)の影響で、「機械に巻き込まれて死ぬ」という最期の迎え方に、尋常ならざる恐怖を抱いています。船のモーターに…

もしヘンリー・ダーガーが、アウトサイダー・アーティストでなかったら……

私の好きなアーティストに、ヘンリー・ダーガーという、シカゴ生まれのちょっと変わった人がいます。いや、“アーティスト”とよぶのは適切ではないかもしれません。なぜなら生前のダーガーは、一度も“アーティスト”として仕事をしたことはなかったからです。1…

ミスター・ポップアート!『アンディ・ウォ—ホル展 永遠の15分』

ミスター・ポップアート。我々はときに、20世紀を代表するアーティストであるアンディ・ウォ—ホルのことを、そうよびます。先日、六本木の森美術館にて、そのアンディ・ウォ—ホルの回顧展を観てきました。実は私、ウォ—ホルの作品をマトモに観たのってこれが…

ジム・ジャームッシュの映画

みなさんは、日常生活において、何かを「かっこいい!」と思うことは、ありますでしょうか。実は、「かっこいい」をテーマに文章を書こうとすると、それだけで3000字とかになってしまいそうなくらい、私はこの「かっこいい」という感情を、わりと重要視して…