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チェコ好きの日記

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2014年の「(チェコ好き)の日記」総括/私は、良き批評家でいられたでしょうか?

管理人やブログについて

当ブログは今回が2014年最後の更新です。最後なので、今年の1月から1つずつ、計12エントリを選んで「(チェコ好き)の日記」の1年を振り返ってみようと思います。この1年のあいだで書いたエントリを自分で気に入ってる順に10個選ぼうかなとかも考えたのですが、なんか月ごとに振り返ったほうが楽しそうだなと思ったのでこうなりました。

それでは、1月からいってみましょう。

1月 良き批評家であるために


今年、いちばん最初に書いたエントリです。私はもう5年くらいずっとほぼ日手帳ユーザーなのですが、毎年1月1日はこの手帳に、その年の目標とか去年の反省とかを、半日くらいかけてがっつりがっつり書きまくるということをやっておりまして、2014年もその作業のなかで5つの目標を立てていたのですが、結果的に達成できたのは3.5個でした。あ、ちょっと改善してる!?

参考:ほぼ日手帳でわかった 私は50%の人間です - (チェコ好き)の日記

このエントリにあるように、2014年のスローガンは、「良き批評家であるために」でした。うーん、これはどうだったかな。後ほどまた考えてみたいと思います。

2月 いちばん美しいものはマクドナルド


アンディ・ウォーホル展が森美術館でやっていたのは、今年の2月だったんですね。この展覧会で、私は一気にウォーホルファンになった気がします。彼の作品の、軽くて薄っぺらいところがたまんないですね。私も完全にうわべだけの人間だし、墓石には「全部ウソだった」と刻みたいです。

あとブログでは一言も触れていませんが、首都圏にお住まいの皆様はこの2月、大雪で大変でしたね。私は大雪の次の日に新幹線で大阪に行く用事があったので、ちゃんと動くのかどうかすごい心配していた記憶があります。

3月 あざとい、しつこい、めんどくさい!


自分でこのエントリを読み返していたら、また園子温を何作品か観てみようかなという気になりました。上記で紹介している3作品のなかだと、私は『冷たい熱帯魚』がいちばん好きですねー。

宮台真司・愛のキャラバン――恋愛砂漠を生き延びるための、たったひとつの方法』という本のなかで、園子温の映画は変性意識状態を作り出しているという話が出てきていたので、次に園子温について何か書くとしたら、このあたりのところから攻めたいなあと考えています。

4月 少女マンガにも「インフレ」は起こる


NANA』の登場人物がビッチすぎる、みたいな話をまわりで聞くと、「いや、あれはビッチじゃなくて正確にいうと”インフレ”なんだよ」みたいなことは前々から思っていたのですが、『失恋ショコラティエ』を読んでやっと書くタイミングがめぐってきたというかんじ。このエントリは我ながらノリノリで書いていて、すごく楽しかった記憶があります。ブックマークのコメントでも、「面白い」といってくれた人がたくさんいて嬉しかったです。

ちなみに、最近『きょうは会社休みます。 1 (マーガレットコミックス)』を読み始めました。今のところ普通に面白くて作品評としては何も思い浮かばないのですが、うまい切り込み口を見つけたら何か書こうかな。

5月 自慢のイラストを披露


このあたりの時期、私は「何かもうブログが1周しちゃったんだよね病」という奇病にかかり、ブログの書き手としては正直やる気が落ちていたのですが、上記のブロガーミーティングに参加したことは本当にいい刺激になったと思います。現在この奇病はすっかり回復し、「そんなこといってた時期もあったっけね」みたいな具合になっております。

なお上記のエントリにて私は「キャラの描き分けができない」ということを白状したわけですが、このアホなイラストを披露してもみなさん怒らないでくださったので、寛容だなと思いました。一時的にTwitterのアイコンにしてくれていた方もいたのですが、そのときは「どんなにシリアスなことをいっても楽しいかんじになっちゃう」みたいな具合になってしまっていて、タイムラインに流れてくるたびに「あわわわわ……」と思ってました。

6月 反論を試みる


私にしては珍しく(?)少々感情的になって書いたエントリ。実は公開前にけっこう迷ったのですが、今思うと公開してよかったです。すっきりしました。

私の知識は今でも浅はかだし、「結構バカ」なところも変わっていないでしょう。直接人を傷付けるようなことは書いていないつもりだけど、間違ったことは、自分でも気が付かないうちにたくさんいっていると思います。それがおそらく、どこかで誰かの「ノイズ」となっているだろうことも、自覚しています。

それでもこのスタンスを変えるつもりがないのは、たくさんのノイズに混じってたった5%でも、3%でも、「真実」を伝えられるのではないか、核心を突けるのではないかと期待しているからです。その核心部分を、読んだ人が持ち帰って、好きに料理してくれたらいいと考えています。

7月 『愛』のゲシュタルト崩壊


アート・アニメーションが好きなんですよねー。上記でおすすめしているなかで特に好きなのは、やっぱり久里洋二の『愛』でしょうか。あとはラウル・セルヴェ『夜の蝶』も大好きです。

『愛』を、夜中の3時くらいに1人で観てみてください。確実に頭おかしくなれます。

8月 ねえ、スコット、私を轢いてよ


旅行でニューヨークに行く前、ボロボロ泣きながら書いたエントリ。しつこいくらい書いているのでいつもこのブログを読んでくれている方は飽き飽きしていると思うのですが、ほんっとーに、まじで『グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫)』はいい小説なんですよ。

しかし、小説本編よりも印象に残ってしまったのは、ギャツビーが思いをよせるデイジーのモデルとなった、スコットの妻ゼルダの、「ねえ、スコット、私を轢いてよ」という言葉です。こんなこと言えますか? いや、言わなくていいんだけど、私この言葉にやられちゃったんですよね。なんて狂ってて美しいんだろうと。いいですねー。

9月 本当に何だったのでしょう


BLOGOSのほうも含めると、おそらく当ブログで今年1番たくさん読んでいただいたエントリです。

もちろん、上記の内容はだいぶ穴があると思っています。ヒロ・ヤマガタについても語ってみたいことがあるし、この課題は2015年に持ち越しですね。私はたぶん、アートは変わるのか、美術史は変わるのか? っていうことを考えていきたいのだと思います。

10月 トランスって何?


2014年に読んで良かった本ベスト7を発表します。 - (チェコ好き)の日記」では入れませんでしたが、上記のエントリで紹介している『愛のキャラバン』も、今年読んで相当面白かった本の1つです。

本筋とは少々ズレるかもしれないのですが、人間の理性や意識って常に一定なわけではもちろんなくて、ちょっと「ハイ」というか「ヘン」になっちゃってるときってあるんですよね。お酒を飲んでいるときとかだとわかりやすいのですが、そうじゃなくて、「場」とか「状況」が作り出す「ハイ」な状態、「ヘン」な状態。あれって何なんだろうなーと最近の私は疑問に思っていて、このあたりも2015年に持ち越したいテーマです。

11月 放送事故は回避


東京の美術館の、大きな大きな問題点 - (チェコ好き)の日記」というエントリがきっかけて、人生初のラジオ出演を果たすことになりました。緊張して何もしゃべれなくなったらどうしようとか心配していたのですが、大きな事故はなくどうにか無事に終えることができてよかったです。聞いてくださった方、本当にありがとうございました。

尺の関係で、番組中に話したかったけれど話せなかったことなどもいくつかあります。東京と地方、日本が今後アートとどういった付き合い方をしていけばいいのか、私もじっくり考えていこうと思います。

12月 このブログの唯一のメッセージかも


「あなたはなぜブログを書いているの?」と誰かに聞かれたら、私は「これのためっすね」と上記のエントリを指しながら答えるかもしれません。あなたのための作品は、世界のどこかに必ずある。だから、死ぬまでにそれを探し出せと。

なお、上記のエントリでは実はあえて書かなかった「裏」があって、そこが誤解を生む原因にもなってしまったのですが、本当に「これは私のためだけに作られた作品だ」と思わせることができた作品は、実はあなただけでなく、千人、一万人という単位の人に、同時に「これは私のためだけに作られた作品だ」と思わせているということが、往々にしてあります。「私のためだけに」を千人、一万人が同時に思うというのはすごい矛盾なのだけど、なんかそういうものです。

人間は孤独です。どんなに近しい人であっても、完璧に分かりあうことなんてできません。だけど、無意識下では、千人、一万人と同時につながることができる。そこをジャンプできるのが優れたアートだと、私は考えているんですね。たぶん心理学の分野としてはオカルトなのでしょうが、私は、ユングの「集合的無意識」という概念をすごく重要視しているんです。このことについては、また補足で何か書きたいなあ。

まとめ 私は、良き批評家でいられたでしょうか?

というかんじで1月から12月までを並べてみたのですが、映画に現代アートに漫画にリアルのイベントに、ナンパにラジオに、見境なく楽しくブログを書けた1年でした。

今年いちばん最初のエントリで、私は「良き批評家でありたい」、物事の新しい価値を見つけられる人でありたいと宣言しているのですが、下半期に来たあたりから、「批評家」って言葉は限界があるなあと実はちょっと思っていました。「批評」ということは、つまり物事の外側にいて、本当の「内」は見えていない状態なんですよね。2015年は、「批評家」というよりは、やっぱり「研究者」でありたい。物事の「内」までちゃんと目線を通せる人になりたいなと思いました。

毎日更新とか私は絶対無理だし、「書く」ことに関して偉そうにいえることは何もないのですが、ブログは続けないと意味がないし、面白くないと思います。1年目より2年目、2年目より3年目というかんじで、読んでくれる人とより深い対話ができる場に、このブログを育てていきたいですね。

みなさま、よいお年を。2015年も、当ブログをよろしくお願いいたします。

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※タイムズスクエアの写真でカウントダウン感を演出(撮影は8月です)