チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

2014-01-01から1年間の記事一覧

著者と読者の関係は、フラットになりつつある。

「読者には誤読する権利がある」みたいな言葉を聞いたことがあって、私も基本的にはその考え方に賛成しています。ブログに書いた内容にコメントをもらったりするとき、それが賞賛であろうと批判であろうと、「あれ、私そうは書いてないんだけどなー」って思…

大人の「読書感想文」に必要なのは、何字?

古今東西、すぐれた古典文学は多々あるわけですが、“古典文学”というやつはどうにもこうにも効率が悪い、と思います。まず読むのに時間がかかります。頭も精神もけっこう使います。もちろんそれに費やした時間を無駄に思うことなんてないですが(むしろ、諸…

ヒマだから諸々の作品をもとに私の恋愛観の話でもしましょう

アンタの恋愛観とか興味ないよ、という声が聞こえてきそうですが、そこはまぁ、ヒマだしたまにはいいじゃないっていうアレです。突然ですが、私は恋愛モノの小説・映画って苦手なんですね。「人類とは」「戦争とは」「精神とは」みたいなでかいスケールの話…

私の大好物:人形作家・四谷シモンに関して知っておきたい3つの覚え書き

7月6日まで、横浜そごう美術館にて、四谷シモンの人形展「SIMONDOLL」が開催されています。 SOGO MUSEUM OF ART 四谷シモンの人形を見たことは以前1度だけあったのですが、先月唐組の公演を観た流れでちょうどシモンの著書を読み途中だったこともあり、絶好…

「誰がいったか」と「何をいったか」と「何をいわなかったか」

インターネット上の発言において、「誰がいったか」「何をいったか」みたいな話題をよく見かけるし、私もそれについて、いろいろ書いたことがあります。 ブログやSNSでプロフィールをはっきり書くと、ラクできる? - (チェコ好き)の日記 顔が見えない、匿名…

お気に入りの美容院とTRANSIT

いつもこのブログを読んでくれている方ならだいたい想像はつくと思いますが、私は社交的な性格とは言い難く、また超絶人見知りであるため、そう親しくない人と一定時間雑談的な何かをしなければいけないみたいなシチュエーションは、もうこってり苦手なので…

「好き」の反対は「無関心」 私が好きじゃない画家5選

けけさん(id:xKxAxKx)の『嫌いな音楽 - K Diary』というエントリがすごく印象に残っていて、私もいつも好きなもののことばかり書いているので、たまには嫌いなもののことも書いてみたいと思いました。ただ1つ困ったことがあって、実に面白みのない人間だなぁ…

バルテュスの描く少女は、ポルノグラフィーか否か?

すっかり忘れていたのですが、もうすぐ終わってしまうので、東京都美術館の「バルテュス展」に行ってきました。バルテュスって日本では有名でないのか、私も名前以外あまり知らなかったんですが、どうやらピカソとならぶ現代フランスの巨匠だそうで、オーク…

サブカルの憂鬱『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』の感想

まわりで「面白いよ」とすすめてくれた人が多かったにも関わらず、「気分が暗くなりそうだからヤダ*1」という理由でずっと読まなかったマンガがあるのですが、先日とうとう誘惑に負けて読んでしまいました。『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバ…

「地図を読む」という官能的な行為

私は典型的な「地図が読めない人」です。方向感覚がまるでないので、地図をくるくるまわしながら行ったり来たりをくり返す、とってもダサい人です。「地図を読む」ってのは、本来まったく色気のない行為で、学生で就活をしていた頃に窮屈なスーツを着て、地…

スレンダーマン事件と『小さな悪の華』に見る、“少女2人”の狂信性

先日ぼ〜っとtwitterのタイムラインを眺めていたら、ちょっと衝撃的なニュースが目に飛び込んできました。スレンダーマンに命じられたと供述。不気味……。/【速報】12歳の少女がネットの噂を信じ、友達をメッタ刺し。アメリカで話題の都市伝説「スレンダーマ…

2年間に書いた約250記事のなかで、マイベスト5をあげるとしたら……

このブログの最初の記事は2012年5月31日となっており(本当はその前にも記事があったけど軽い挨拶文だったので削除)、私がブログを開設してからはや2年が経ちました。怠惰な私は毎日更新ができないので、2年もやっているわりには全部で250記事程度しかない…

サム・ペキンパー『ワイルドバンチ』で再確認する、「こんな死に方はイヤだ!」

みなさんは、「この死に方だけはイヤだ……」と思っている最期はありますでしょうか? 私はというと、幼少期に観た映画(何の映画かは記憶にない)の影響で、「機械に巻き込まれて死ぬ」という最期の迎え方に、尋常ならざる恐怖を抱いています。船のモーターに…

人生相談はなぜ面白いのか 「悩みのるつぼ」〜上野千鶴子編〜

朝日新聞に掲載されているという、「悩みのるつぼ」。新聞読者からのお悩みに、岡田斗司夫、上野千鶴子、美輪明宏などの凄腕(?)回答者が答えていくという、ちょっと他ではお目にかかれない人生相談です。そんな「悩みのるつぼ」からは、現在3人の回答が書…

「浅はかな知識でエラそうなエントリを上げちゃう」私の久々ブログ論

ブログを書いているみなさんは、「エゴサーチ」ってけっこうやっているんでしょうか? 私は怖いので基本的にはやらないようにしているんですが、た・まーに魔がさしてやってしまうこともあります。で、先日ついつい魔がさしてしまいまして、エゴサーチしてみ…

人生相談はなぜ面白いのか 「悩みのるつぼ」〜岡田斗司夫編〜

人生相談。調べたことがないのでわかりませんが、おそらくその歴史はとても古いものなのでしょう。かつてお昼にみのもんたがやっていた生電話はもちろん、キリスト教における「懺悔」も、一種の人生相談と思えなくもありません。古今東西老若男女、人は実に…

「勝負パンツ」という言葉によって認識される世界

もしかしたら今夜はあんなことやこんなことが起こるかもしれない、という期待に備えて履いて出かける、とびっきりの下着。ときに人はそれを「勝負パンツ」とよびます。そしてこんなことを考えるのは私たち日本人だけではもちろんなく、イギリス人でもアメリ…

「何でもかんでも記録」しながら、私たちは星新一ワールドに近付いていく。

佐々木俊尚さんの『簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。』を読んでもうちょっと日々の食事に気を遣おうと考えたというのもあるし、それ以外にもいろいろと思うところがあって、私のなかで5月は健康増進強化月間でした。私は、毎日のなか…

亡くなった著名人に反応すること 〜鈴木則文の訃報によせて〜

「今までに、政治が、文学が弱い人の味方をしたことがあったか!?だからせめて俺の映画だけは、弱い人の味方をする!!…ちょっとカッコつけすぎかな」鈴木則文— Kiichiro Yanashita (@kiichiro) 2014, 5月 16 映画監督の鈴木則文が、去る2014年5月15日にお亡く…

「しりあがり寿型」という働き方の可能性について考える

私はこれまでの人生で、「すごいマンガ読む期」と「ほとんどマンガ読まない期」を不定期にくり返してきた人間です。「すごい読む期」の第1次は小学生〜中学生のときで、当時はなかよし・りぼん・ジャンプなどなどのマンガが幅を利かせていました。そこから高…

ブログやSNSでプロフィールをはっきり書くと、ラクできる?

私はこのブログ(あるいはこのブログに紐付いているtwitter)上で、自分の年齢や経歴をわりとオープンにしているほうだと思うのですが、一方で自分の情報を極力明かさないようにしてブログやSNSの活動を行なっている方もいらっしゃいます。当たり前の話です…

私が今までの人生で会った(見た)なかで、もっともオーラがハンパなかった人は唐十郎

20年や30年という年月を生きていると、だれでもその人生で一度くらい、「この人は生きている世界がちがう」と、そのオーラに頭をガツンとやられる人物に出会ったことがあるのではないかと思います。私の場合はちょっとちがう意味での(?)「この人は生きて…

「引っ越しが趣味」って人は健全な気がする

タイトルのままなんですけど、たまに「引っ越しが好きです」「趣味は引っ越しです」という人が、著名人でもリアルの場でもいるんですよね。著名人だと、たとえば社会学者の上野千鶴子さんが、著書でそういっていた気がします。私自身は引っ越し回数は少なく…

第2回ブロガーミーティングに参加した感想

けっこう時間が経ってしまいましたが、ヘンテナブログの渕上さん(id:you-7188)が主催されている「4月27日開催の第2回ブロガーミーティング! テーマは『ブロガーポータル(仮)をつくる』 - ヘンテナブログ」に、暇だったので参加してきました。第1回目に…

奥深くも妖しい、“密教”の世界が面白い

このブログ内では何回かいっていますが、私、宗教が好きなんですよね。自分自身は何か特定の宗教を信仰しているわけではないんですが、宗教に関する本を読んだりそれに付随する美術のことを考えたりするのが好きです。西洋美術フリークなのでいちばん気にな…

“女のいない男” ジャン=リュック・ゴダールのミューズはだれか?

村上春樹がつい最近『女のいない男たち』という短編集を発表しましたが、そんな村上春樹自身は学生時代に結婚した奥さんとずっと一緒にいるわけで、ぜんぜん“女のいない男”じゃないんですよね。なのでちょっとずるいんじゃないの? とかも思うんですが、そん…

つげ義春を久々に読み直したら『ねじ式』より『ある無名作家』のほうが好きになってました

先日、テレビ放送されていた『テルマエ・ロマエ』をぼ〜っと観ていたら、映画のなかに「オンドル小屋」って言葉が出てきたんですね。私のなかでは「オンドル小屋」っていったらつげ義春の『オンドル小屋』しかないわけで、映画を中断してつげ義春の短編漫画…

村上春樹『女のいない男たち』 全作品レビュー

村上春樹の短編集『女のいない男たち』、読み終わりました。告知が出た瞬間にamazonで予約し、発売日におうちに届き、1日1短編くらいのペースで読み切りました。 「発売日前に予約して読む」というスタイルで最新作を読んでいるのは、私にとっては現状、村上…

もうけっこうな大人なのに、いまだに学生時代の夢を見るのはなぜかしら

私は今年27歳なんですが、いまだに学生時代の夢をよく見ます。どれくらいの頻度で見てるかというと、正確に数えているわけではないですが、感覚値としては月に2回くらい。「学生時代」とはいっても、設定はいつも同じで、私は決まって中3なんですよね。それ…

G・ガルシア=マルケスに合掌 まずは『エレンディラ』を読んでみては?

先日、ノーベル賞作家のG・ガルシア=マルケスが亡くなったというニュースがかけめぐりました。 http://www.asahi.com/articles/ASG4L20YSG4LUEHF001.html ご冥福をお祈りする代わりに、今回はこのガルシア=マルケスについて、私が思うところを語ってみよう…