チェコ好きの日記

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美術

恋人の写真は、遺したい派ですか?@センチメンタルな旅

先日に引き続きまたアラーキーの写真展。東京都写真美術館にて9月24日まで。こちらの「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」は、アラーキーの妻である陽子さんに焦点を当てた展示らしい。 〈センチメンタルな旅〉1971年 より 東京都写真美術館蔵 恋人…

東京墓情

7月23日まで、銀座のシャネル・ネクサスホールにて荒木経惟の個展「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」が開催されている。私は学生時代、アラーキーの写真集を図書館でよく眺めていたけれど、そういえば個展に行ったことはなかった。「東京墓情」は、大病を…

青森で考えた『シン・ゴジラ』の感想

『シン・ゴジラ』を8月の上旬に観てもう1ヶ月以上経っているんですが、観た直後は正直「これ感想とか書かなくてもいい系のやつだな」と思ってしまいました。それは決して「つまらなかった」というわけじゃなくて、むしろクソつまらなかったらクソつまらなか…

部屋にピエロを飾ろう シリアルキラー展

コレクションの始まりは、私たちと同じ「些細な興味」だったと語る、HN氏。だれかに見せるためでも、周囲に自慢するためでもなく、ただ孤独に蒐集をしてきたというその禁断のコレクションを、7/10まで、銀座のヴァニラ画廊にて公開してくれています。今回は…

SOLO連載1〜15回まとめ/〈女性〉を考えるアートと本など5選

8月後半から始まったSOLOの連載ですが、現在15回目まで公開されています。SOLOは自分が書かせてもらう以外に一読者としても楽しく読んでいて、下記の東大教授・玄田有史さんのインタビューは最近の記事のなかでも特に面白く読みました。普段私のブログを読ん…

恋とは、罪悪です/悪い芝居『キスインヘル』を観た感想

6/29(月)に、悪い芝居の『キスインヘル』というお芝居を観てきましたー。 悪い芝居vol.17『キスインヘル』 - 特設ページ というわけで今回は、こちらの『キスインヘル』の感想を書いておこうかと思います。ただなんか、ものすごいズレた感想文になる予感が、…

廃墟のなかのルネ・マグリット@国立新美術館

国立新美術館でやっている、マグリット展に行ってきました。6月29日まで開催しているようなので、気になっている人はあと1ヶ月です。 http://magritte2015.jp/magritte2015.jp私はマグリット大好きなので、すぐ行こうすぐさま行こうと思っていたのに結局5月…

アラフォーは「断面の世代」? 束芋と吉田修一『悪人』

「束芋(たばいも)」は1975年生まれの現代美術家ですが、彼女が2009年に横浜美術館にて開催したのが、「束芋 断面の世代」という展覧会です。束芋は自分と同年代の人たち(現時点においてアラフォーの方々ですね)のことを「断面の世代」と呼んだわけですが…

語らなければ、伝わらない。のか?

今、村上隆の『芸術闘争論』という本を読んでいるんですが、これがとても面白いです。いずれまた別の機会にがっつりとした感想文を書きたいと思っているのですが、今回はこれを読んで考えた、ちょっと軽めのことをメモしておきます。 マルセル・デュシャンの…

東京の美術館の、大きな大きな問題点

私のなかでけっこう長くひっかかっていた問題があったのですが、「でもまぁ、これたいしたことじゃないのかな?」と思って、表立ってはあまり深く考えてこなかったんですね。でも先日とある本を読んでいたら、まさに私がひっかかっていたその問題が出てきて…

「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」。

横浜トリエンナーレ2014っていう美術展が8月から11月3日(月)まで開催されているんですが、行こう行こうと思ってダラダラしていたらあっという間に10月下旬になってしまったので、先日ようやくこれに行ってきました。3年に1度開かれる横浜トリエンナーレ、…

美術史、ヤンキー絵画を語る『ラッセンとは何だったのか?』

イルカの絵、といえばだれでも真っ先に、クリスチャン・ラッセンの絵画を思い浮かべるのではないでしょうか。目に鮮やかなその作風は、一度見たら忘れられない鮮烈な印象を、私たちにあたえます。 ※ラッセンのジグソーパズルこのクリスチャン・ラッセンとい…

【NYひとり旅/8】MoMA 身体を拘束し、移動すると感動する。

まだ旅行記が続いています。※1記事目 ※前記事 チェルシーにてマシュー・マークス、ガゴシアンなどなど有名ギャラリーをめぐった後は、地下鉄に乗ってミッドタウンまでもどり、ニューヨークに来たならまぁここは行くよねということで、MoMA(ニューヨーク近代…

【NYひとり旅/7】チェルシーでギャラリーをめぐろう!

まだまだ旅行記です。もう7記事目なので、ようやく終わりが見えかけてきました。逆にいうと、まだ終わりが“見えかけている”だけ、ということでもあります。※1記事目 ※前記事 観光3日目のこの日は、マンハッタンのチェルシー地区で、現代アートのギャラリーを…

バルテュス、ろくでなし子…「芸術」と「わいせつ物」の闘争はまだまだ続く!

突然ですが、2014年8月号の芸術新潮はなかなか素敵な切り口で特集を組んでおり、ぶっとんでておすすめです。店頭で見かけたら、ぜひ手にとって覗いてみてください。芸術新潮 2014年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/07/25メディア: 雑誌こ…

ビジネスやマスコミではなく、アートが新しい町を作る

昨年の夏、私はロンドンに行ったのですが、最終日に訪れたせいか、テート・モダンは強く印象に残っています。テート・モダンは、ロンドンのテムズ河を越えたところにある、現代アートを中心にコレクションしている美術館です。でも、上記の写真を見るとわか…

私の大好物:人形作家・四谷シモンに関して知っておきたい3つの覚え書き

7月6日まで、横浜そごう美術館にて、四谷シモンの人形展「SIMONDOLL」が開催されています。 SOGO MUSEUM OF ART 四谷シモンの人形を見たことは以前1度だけあったのですが、先月唐組の公演を観た流れでちょうどシモンの著書を読み途中だったこともあり、絶好…

「好き」の反対は「無関心」 私が好きじゃない画家5選

けけさん(id:xKxAxKx)の『嫌いな音楽 - K Diary』というエントリがすごく印象に残っていて、私もいつも好きなもののことばかり書いているので、たまには嫌いなもののことも書いてみたいと思いました。ただ1つ困ったことがあって、実に面白みのない人間だなぁ…

バルテュスの描く少女は、ポルノグラフィーか否か?

すっかり忘れていたのですが、もうすぐ終わってしまうので、東京都美術館の「バルテュス展」に行ってきました。バルテュスって日本では有名でないのか、私も名前以外あまり知らなかったんですが、どうやらピカソとならぶ現代フランスの巨匠だそうで、オーク…

私が今までの人生で会った(見た)なかで、もっともオーラがハンパなかった人は唐十郎

20年や30年という年月を生きていると、だれでもその人生で一度くらい、「この人は生きている世界がちがう」と、そのオーラに頭をガツンとやられる人物に出会ったことがあるのではないかと思います。私の場合はちょっとちがう意味での(?)「この人は生きて…

マルセル・デュシャンの便器が変えたもの

都内の美術館だと、私は東京都現代美術館とか原美術館が好きなんですが、何でかなぁと考えたら、たぶん比較的空いてるからじゃないかと思うんですよね。で、何で空いているかといえば、おそらくこれらの美術館が取り扱っている展示品が、「現代美術」だから…

ウンベルト・エーコ『醜の歴史』に加えたい、ニッポンの至宝

ウンベルト・エーコの著作に、『醜の歴史』という本があります。西洋社会において何が「醜い」とされてきたのか、絵画や文学、ポスターなどからその概念の歴史を探るという、とても気持ち悪くて面白い本です。醜の歴史作者: ウンベルトエーコ,Umberto Eco,川…

それはなぜ「醜い」のか? ウンベルト・エーコの傑作、『醜の歴史』

日本語の「美術」という言葉には、「美」という文字が入っています。そのためというわけでもないんでしょうが、私たちは絵画や彫刻作品などを、どうしても「美しいもの」を表現していると考えがちです。ところが、諸々の作品を見直してみると、絵画や彫刻が…

『森と芸術』 森からやってきて、森へかえる。

あんまりおすすめはしたくない映画なのですが、ラース・フォン・トリアーが監督した『アンチクライスト』という映画があります。心に傷を負った夫婦が2人で森の奥深くへ入っていき、そこにある小屋で精神の治療を試みる……というストーリーです。詳細は、以前…

もしヘンリー・ダーガーが、アウトサイダー・アーティストでなかったら……

私の好きなアーティストに、ヘンリー・ダーガーという、シカゴ生まれのちょっと変わった人がいます。いや、“アーティスト”とよぶのは適切ではないかもしれません。なぜなら生前のダーガーは、一度も“アーティスト”として仕事をしたことはなかったからです。1…

ニッポンの美の概念 婆娑羅とヤンキー

私は地方公立中学の出身なんですが、公立中なので、クラスにはもちろん“ヤンキー”がいました。朝教室に行くと黒板にデカデカと「喧嘩上等」と書いてあったり、授業中に隣のクラスの子が鉄パイプを持って殴り込んできたり、校庭を原付で走り回った子が警察呼…

アンディ・ウォ—ホルの名言7選 現代人のウォ—ホル的憂鬱

現在、森美術館にて開催中のアンディ・ウォ—ホル展。 ミスター・ポップアート!『アンディ・ウォ—ホル展 永遠の15分』 - (チェコ好き)の日記 美の20世紀〈16〉ウォーホル (美の20世紀 16)作者: エリックシェインズ,Eric Shanes,山梨俊夫,前田希世子出版社/メ…

ミスター・ポップアート!『アンディ・ウォ—ホル展 永遠の15分』

ミスター・ポップアート。我々はときに、20世紀を代表するアーティストであるアンディ・ウォ—ホルのことを、そうよびます。先日、六本木の森美術館にて、そのアンディ・ウォ—ホルの回顧展を観てきました。実は私、ウォ—ホルの作品をマトモに観たのってこれが…

夢って、意外に簡単に叶います。『ラファエル前派展』面白かった。

中学生のとき、美術の授業中に教科書をボ〜っと眺めていたら、ふと目にとまった絵がジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』でした。目にとまった瞬間、「あ、これはやばい絵だ」と思った私はその場でシャキーンと凍り付いてしまい、「これは、いつ…

絵画に隠された意図を読む

芸術作品を鑑賞するとき、必要なのは「感性」だと思いますか、それとも「知識」だと思いますか?結論からいうと、「『感性』だけでも楽しめるけど『知識』があるとなおよし、ただし『知識』だけで観るのはつまらない」といったあたりが、おそらく正解に極め…