読書
あんまりおすすめはしたくない映画なのですが、ラース・フォン・トリアーが監督した『アンチクライスト』という映画があります。心に傷を負った夫婦が2人で森の奥深くへ入っていき、そこにある小屋で精神の治療を試みる……というストーリーです。詳細は、以前…
前から気になっていた森達也の『オカルト』を、やっと読むことができました。なかなか面白い本だったので、感想を書いてみます。オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ作者: 森達也出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 201…
おとぎ話……西洋ふうにいえばメルヘン、またはフェアリーテール(妖精物語)といったりもします。今回、その「おとぎ話」をテーマにエントリを書くにあたって、「メルヘン」をウィキペディアで調べてみました。いわく、主人公がもともとその世界の住人であるも…
私が山田花子というカルト漫画家の存在を知ったきっかけは、学生時代に読んだ『完全自殺マニュアル』という本でした。幸い私はこれまでの人生で本気で自殺を考えたことはないのですが、当時なぜ私がこの本を手にとったのかというと、一言でいえばサブカルク…
村上春樹の『雑文集』を読みました。良くも悪くも有名なエルサレム賞受賞のあいさつ『壁と卵』も収録されている、往年の村上春樹のスピーチ原稿や雑誌のエッセイなどを集めた、その名のとおり「雑文」集です。村上春樹 雑文集作者: 村上春樹出版社/メーカー:…
「教養」という言葉は、私はあまり好きではありません。辞書には一応それらしき定義はのっているけれど、人によってその意味するところが若干異なったりするので、非常に使いにくい言葉であるというのが理由の1つです。あと、インテリ野郎がメガネをクイクイ…
すでにあちこちで評判になっている本だと思うのですが、AV監督である二村ヒトシさんの『すべてはモテるためである』を読んでみました。二村さんが「モテない男性」のために書いた、恋愛マニュアル本です。すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)作者: 二村…
以前私は『村上春樹の「好き」「嫌い」はどこで分かれるのか? に関する一考察 - (チェコ好き)の日記』というエントリを書いたのですが、そのなかで村上春樹と対比する作家として例に出したのが、西村賢太でした。そこでは、こんなふうに書いています。 でも…
私はよくこのブログで、書評のような感想文のような、得体の知れないものを書いています。*1そんな中で先日、内田樹の『村上春樹にご用心』を読んでいる途中で、書評に関して「おお、これだ!」と思う表現に出会いました。孫引きになりますが、ちょっと引用…
「村上春樹の小説がどうも好かん」という方に、たまに出くわします。一方私は、けっこうな村上ファンです。長編小説はすべて読んでおり、短編小説も一部をのぞいてほとんど読んでいます。エッセイもたくさん持っています。ただし、村上ファンであることを公…
昔の人々の食卓のようすを眺めるのって楽しいですよね。小中学生のとき、社会科の資料集に載っている「縄文時代の人々の食事」とか「平安時代の貴族の食事」を、食い入るように見つめていた私です。昔の人々は、今の私たちと同じようなものを食べていること…
本日は短めです。今はあまり読んでいないのですが、私は一時期、よしもとばななの小説をけっこう集中的に読んでいたことがありました。ブログでも、その時期に読んだ何冊かの本を紹介しています。 疲弊したココロと体に、よしもとばなな傑作5選。 - (チェコ…
突然ですが、2013年のほぼ日手帳には、3月18日のページに、こんなことが書いてあります。2013年のほぼ日を持っている人は、ぜひ手に取って確認してみてください。 中学校を卒業するにあたって、小学校の時お世話になった先生方から ビデオレターを頂いた時、…
ある国を旅行で訪れるとき、ガイドブックすら用意せずに、何の先入観ももたずに身1つで出かけていってしまう…… なんていう、沢木耕太郎のようなワイルドな旅もいいですが。私はやっぱり、事前にできる限り下調べをして、その国に関連する歴史、文学、社会、…
突然ですが、みなさんは、小説って、月に何冊くらい読んでいますか?ちなみに私は、先月(5月)、12冊の本を読みましたが、うち、小説は3冊でした。自分では、多いとも少ないともいえない冊数だと思うのですが、いわゆる「読書家」と呼ばれる方のなかには、小…
いよいよ6月に入り、間もなく梅雨の時期がおとずれます。祝日もないし、外を見れば雨ばかり……で、何となく気分が沈んでしまいがちな季節ではありますが、同時にすぐそこまで夏がやってきているわけで、実は旅行の計画を立てるにはもってこいの月だったりする…
GWですね! 普段はイライラしていたり、顔色が悪い人が多い駅のホームも、休みのせいかポカポカと暖かいこの気候のせいか、みんな朗らかでいい表情です。さて、以前こちらのエントリで書いたのは、リゾート地であるタヒチ。 ストレス解消法としてのタヒチ妄…
村上春樹の最新小説、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を、日曜日をまるまる使って、読み終わりました。色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: ハードカバー クリック:…
本は、読まないよりは読んだ方がいい。このことに異論がある方は、あまりいないと思います。では、なぜ本は「読まないより読んだ方がいい」のでしょうか。 これは、「モチベーションを上げるため」とか「教養を深めるため」とか、人によって意見が分かれるで…
4月12日に、村上春樹の新作長編小説、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が、発売されることになったみたいですね。色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/04/12メディア: 単行本 クリッ…
ちょっと今更感がただよいますが、2012年、またしても村上春樹氏が逃したノーベル文学賞をかっさらった人物、莫言の小説を読んでみました。赤い高粱 (岩波現代文庫)作者: 莫言,井口晃出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/12/17メディア: ペーパーバック購…
アルファブロガーとして有名な、 極東ブログのfinalvent氏の著書『考える生き方』を読んでみました。 考える生き方作者: finalvent出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/02/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 1,181回この商品…
『桐島、部活やめるってよ』で有名になった、朝井リョウさんの直木賞受賞作『何者』を、 ちょっとした好奇心から、読んでみました。(一晩で!)http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130117-OHT1T00003.htm初の平成生まれの直木賞受賞だそうです。 すご…
実は年末、こんなところに出かけていました。 ココチホテル沼津 【公式サイト】|ベストレート保証|TOP静岡県沼津市にある、「ココチホテル」というホテル。一見、普通のビジネスホテルなのですが、ホームページをよ~く、ご覧ください。リラックスタイプ、…
こんにちは。本日は、あまりキレイな画像でなくて恐縮ですが、まず、こちらをご覧ください。 この画像で積みあがっている本の、左側は、読み終わった本です。そして、右側は、今読んでいる本です。読み終わった本がなぜ積みあがっているのかというと、私は本…
お正月休みもおわり、お仕事が始まっている方も多いと思います。私は、新年の数日間を、初詣に行ったりもしたけれど、ほとんど寝……読書をしてすごしていました。甘酒を飲んだりしながら、毛布にくるまって読書をするのは、代えがたい至福のときです。こうい…
2012年、私が読んでよかったなぁと思う本の5位~1位を発表します!10位~6位はこちら。 2012年 読んでよかった本ベスト10を発表します。(前編) - (チェコ好き)の日記★★★第5位 『楢山節考』 深沢七郎 楢山節考 (新潮文庫)作者: 深沢七郎出版社/メーカー: 新潮…
駅ビルや街中や近所の家でイルミネーションがキラキラし出し、 自民党の圧勝で選挙もおわったところで、 徐々に年末ムードが近付いてきている気がします。私は職業柄、ただいま超絶繁忙期で心身ともにげっそりしておりますが、 それでも年末年始の休みにむけ…
高校のとき、国語の先生がいっていた言葉が、今でも非常に強く印象に残っています。 「出版されてから10年を経ていない本は、読む価値がない」。 今の私はといえば、この先生の言葉を無視するかのごとく、 いろいろな新刊本に飛びついているわけですが…… そ…
「あきらめる」。この言葉には、何かとネガティブなイメージがつきまといます。でも最近の私は、この「あきらめる」ことの、ポジティブな作用について考えるようになりました。私が人生において最初に「あきらめた」のは、おそらく大学を卒業するときです。…