チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

東南アジア

【感想】『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』

これは前々から思っていたことだけど、実は「カルチャーショック」よりも、「逆カルチャーショック」のほうが、3倍くらいショッキングだったりしませんか? 自分が他の文化圏を旅して異なる文化に触れたそのときよりも、異なる文化に数週間浸かってみて自国…

渦巻く嫉妬と『世紀の光』

前回の日記やTwitterなどで「私は『カメ止め』を評価しない!」みたいなことを散々いっているのだけど、これはまあ、バレているかと思うが嫉妬というか、マウンティングである。どういう類の嫉妬/マウンティングなのかというと……。 たとえば、合コンに行くと…

私はまだタイに行ったことがない。

真剣に考えちゃったんですけど、幽霊現象はおそらく見られる幽霊側に主体があるのではなく、見る我々側に主体がある。つまり、下半身を露出してる幽霊が現れないのは、「そんな幽霊いるはずない」という我々の認識の問題。一例でも下半身露出の幽霊が現れた…

「境目」はない、という意識で生きてみる。

人は変わる。当然ながら、考え方も変わる。もちろん、1日2日でコロコロ変わっていたら問題だが、数年間単位で考え方が変わることはそう珍しいことではない。 私がここ数年間で、自分で明確に変わったと思う考えは、「境目」ってヤツはどうもないらしい……とい…

浮いた氷山の水面下には何がある?:『発酵文化人類学』を読む

知人に、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんという方がいる。最初にお目にかかったのは確か「灯台もと暮らし」さんのイベントだったと思うのだけど、イベント後にブログを読んだらレヴィ=ストロースのことがいっぱい書いてあって(しかもそれがすごく面白い)…

バリ島旅行記に関するまとめと宿情報などなど

長々と書いていたバリ島旅行記、ブログエントリとnoteの記事をすべてまとめました。見逃している方も、時間のあるときに改めて読んでみてくれたら嬉しいです。また、今回利用した船やツアー会社の情報も追記しているので、バリ島を旅される方は参考にしてく…

【6】灼熱のジャカルタと信用できない警官

バリ島旅行記、これで最後。念のため確認すると、ここまでのルートは、成田→シンガポール→バリ島→ギリ・アイル→ロンボク島と来ている。そして、私はロンボク島の空港からジャカルタに移動した。 【5】ロンボク島の神様 - チェコ好きの日記 ジャカルタには現…

【5】ロンボク島の神様

バリ島旅行記の続き(しかし、繰り返すが正確にいうともう「バリ島旅行記」ではない)。バリ島から船で2時間のところにあるギリ・アイルという島に行き、そこからさらにボートで10分、ロンボク島という島に行った。 【4】ギリアイルの停電する夜 - チェコ好…

【4】ギリアイルの停電する夜

バリ島旅行記の続き(正確にいうともうバリ島じゃないが)。 【3】ウォレス線をこえて、バックパッカー・アイランド - チェコ好きの日記 バリ島からフェリーで2時間、ギリアイルという島にやってきたものの、何せ一周しても徒歩1時間というとても小さい島だ…

【3】ウォレス線をこえて、バックパッカー・アイランド

バリ島旅行記の続き。 【2】私は島とセックスできただろうか? - チェコ好きの日記 バリ島を歩いていると、ここでは神様を信じることが、とても自然なことなんだとわかる。バリ島というか、インドネシアでは全体としても多くの人が何らかの宗教を信仰してい…

【2】私は島とセックスできただろうか?

バリ島旅行記の続き。 【1】サイババの弟子に未来を占ってもらってきた。 - チェコ好きの日記 バリ島の伝統的呪術師「バリアン」のいまいちすっきりしない占いを体験した日の夜、私はガイドのワヤンさんにすすめられ、ウブドの中心地で伝統芸能のケチャダン…

【1】サイババの弟子に未来を占ってもらってきた。

私が今年いちばん感動した本について。:国分拓『ヤノマミ』 - チェコ好きの日記 前回の書評でフライングして始まっているのだけど、11月に、バリ島を中心にインドネシアを旅行してきた。なぜバリ島だったのかというと、友人の結婚式があったからという真人…

私が今年いちばん感動した本について。:国分拓『ヤノマミ』

シンガポールを発った飛行機がバリ島のングラライ空港に向かっているとき、私は席で目元にウェットティッシュを当て、赤く腫れた目をごまかすのに必死であった。そしてその不自然な様子を、隣の席(正確には隣の隣の席。真ん中の席が空席だった)に座ってい…

感想文:中島らも『水に似た感情』とバリ島

バリ島を舞台にした小説やエッセイをいくつか読んでいます。昔読んだ吉本ばななの『マリカのソファー/バリ夢日記 (幻冬舎文庫―世界の旅)』はもう一度目を通してもやっぱりけっこういい小説だなと思ったし、あとは椎名誠のエッセイ『あやしい探検隊 バリ島横…

浜松市楽器博物館で耳と体が変化する

妙な話から始めるのですけど、最近、薬物中毒になった人の体験談みたいなのをよく読んでいるんです。もちろん薬物にはいろいろな種類があるので、その効用はさまざまです。が、ある特定の薬物の作用で、一つだけものすごく心ときめいてしまうものがありまし…

【カンボジア一人旅/ラスト】地雷を踏んだらサヨウナラ

というわけで、最後の旅行記です。私が遅筆なせいで時空が歪んでいますが、この旅行の期間は約1週間であり、そのうち遺跡めぐりに費やしたのは3日です。前回のエントリはこちら。aniram-czech.hatenablog.comシェムリアップでの3日目は、郊外にあるベンメリ…

【カンボジア一人旅/9】カンボジアのごはんとマーケット

この旅行記は次回で終わる予定なのですが、最終回手前でカンボジアで食べたごはんの話をまとめてします。前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.com プノンペン編 まずプノンペンは1日しかいなかったのでほとんどごはんを食べなかったんですが、…

【カンボジア一人旅/8】満足でもなければ、不満足でもない日常生活の始まり

お前はいつまで遺跡について書くつもりなんだというかんじになっていますが、全部書かないと消化不良で(私が)気持ち悪いため、まだ続いているカンボジア旅行記です。前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.com 読売新聞プノンペン特派員が、向…

【カンボジア一人旅/7】「マジで?」から始まる美術史/平行線上のルール

ずっと旅行記を書いていますが、これ、9月中には終わる予定です(毎年長引くので毎年断りを入れている)。アンコール・ワットとその周辺の小回りコースの遺跡を見学した、前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.com翌日のルートは大回りコース。…

【カンボジア一人旅/6】雨のなかのアンコール遺跡めぐり

カンボジア旅行記の続きです。バスに乗ってプノンペンからシェムリアップに到着した翌日、午前中はアンコール・ワットを中心に見学。前回のエントリはこちらです。 aniram-czech.hatenablog.comパブーオンという遺跡を見たあとは、すぐ隣の象のテラス、ライ…

【カンボジア一人旅/5】とりあえずアンコール・ワットには行くんだけどさ

「私は日本人が嫌いです。だけどこのホテルに日本人いなかったら私は家へ帰ります。そしてご飯は食べません」 と、ここで覚えた日本語で話すのがいます。 「きれいネ」と言うと、嬉しそうな顔をして、 「信じられないワー、信じられないワー」 他から女を拾…

【カンボジア一人旅/4】トンレサップ湖に沿って、北上する

☆3.17 赤津君へ(プノンペン発) フィルム着きましたか? 同じような写真で使いものにならないと思っています。ここ、プノンペンの街は、いたる所に有刺鉄線あり、検問ありで、人びとの半数は迷彩服や軍服を着ていて、”戦争に慣れっこになった国へ来たんだな…

【カンボジア一人旅/3】ダークツーリズム/ヒア&ゼア 2

カンボジア旅行記の続きです。前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.comポル・ポトによる虐殺の舞台となったプノンペンのキリング・フィールドを訪れた後、トゥクトゥクに乗って中心部に戻り、トゥール・スレン博物館に向かいました。この場所…

【カンボジア一人旅/2】ダークツーリズム/ヒア&ゼア 1

カンボジア旅行記の続きです。途中から読んでいただいてもまったく支障はないのですが、一応前回のエントリは以下です。aniram-czech.hatenablog.com今回からはプノンペン滞在中に訪れたキリング・フィールドとトゥール・スレン博物館について書くのですが、…

【カンボジア一人旅/1】プノンペンの子供

私のコンプレックスは、「旅好き」を公言しているわりには東南アジアに行ったことがなくて、バックパッカー的な旅もしたことがないことでした。でも旅行者のすべてがバックパッカーじゃないんだぞ。あと私は西洋美術の勉強をしてたのでね、ヨーロッパのほう…

『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』の感想

“おちゃらけ社会派”のカリスマブロガーであるちきりんさんが、世界50か国以上を旅して考えたことが綴られている『世界を歩いて考えよう!』。これを読んで、ちきりんさんのブログの愛読者のなかには、下記の言葉が思い浮かんだ人が少なからずいるはずです。 …