チェコ好きの日記

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自爆テロって、どんな人がやるんだろう? 『パラダイス・ナウ』

先日4月16日から、『オマールの壁』という映画が渋谷アップリンク等で公開されています。『オマールの壁』ってどんな映画? という人は、よろしければ以下をご覧ください。aniram-czech.hatenablog.comそれで、『オマールの壁』と同じハニ・アブ=アサド監督…

よくある三角関係の話……にならなかった話、『オマールの壁』

男の子二人と、女の子が一人いるんですよ。三人は幼馴染なんですが、男の子二人がそろって一人の女の子が好きなわけです。まあ、よくある話ですね。だけどこの一人の女の子もちょっといけないところがあって、二人の気持ちを知っていながらどっちつかずの態…

【中東旅行記/2】精神的な余裕がないときにする「何か」。

先日、とある方から質問を受けて、「おお、そうか!」と思ったことがあります。その方は、「(あなたがやっているような)旅行とか芸術鑑賞とかっていうのは、精神的な余裕があるからできることですよね? 精神的な余裕を保つために、何か心がけていることは…

本当は、もっとゆっくりやって欲しい。/くらしのきほん×箱庭×灯台もと暮らし #スチーブ

先日、「くらしのきほん」編集長の松浦弥太郎さん、「箱庭」編集長の東出桂奈さん、「灯台もと暮らし」編集長の佐野知美さんが登壇するトークイベントがあったので、行ってきてみました。うっかり実際のトーク中の写真を撮り忘れ、懇親会で振る舞われたMOMOE…

【中東の旅/1】自己肯定感を高めたかったらイタリアに行けばいいじゃない

……と、タイトルにあることは半分本気でありつつも半分冗談なんですけど、私は「自己肯定感」という言葉はあまり好きではありません。「またその話かー」と思ってしまうからです。しかし、「またその話かー」となるということは、私を含めた現代の日本の一部…

旅好きか否かって、血液型の話みたいなものでしょう

フランツ・カフカの名前は、20世紀を代表する作家の名前としてあげることができると思います。有名な話ですが、カフカはチェコ出身のユダヤ人で、プラハ市内の保険局に勤めながら小説を執筆していました。しかし、この人は闇が深すぎたのかなんなのか、ほぼ…

人事を尽くして天命を待つ/『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』

ファーレンハイトさん改め桐谷ヨウさんがこの度上梓された、『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』というタイトルが長いため『でも恋』と略されている本を遅ばせながら読んでみました。仕事ができて、小金もあ…

「帰る場所がない」を考える中東の旅/あと、電子書籍が出ます

旅行に行きました。今回は少し長い旅で、期間は1ヶ月弱。その間でまわった国は、スペイン、モロッコ、ヨルダン、イスラエル、ギリシャの5カ国です。なぜこのルートだったのかというと、理由は後付けでもある(だから関係ない場所も多少含まれている)のです…

社会を信じるか、大衆を信じるか?/『隠居系男子的。』の感想

くいしんさん(@Quishin )が編集されている、灯台もと暮らし運営会社Wasei代表の鳥井弘文さんへのインタビュー本、『隠居系男子的。』を読みました。あまり自分のことを語らない鳥井さんが、人目に触れるかたちでは初めて、自分のルーツや生い立ちや学生時…

美しい歌声をもつ者は、やがて惨たらしい死を遂げる/ポール・ボウルズ『優雅な獲物』

ニューヨーク出身、のちにモロッコのタンジェへ移住した作家、ポール・ボウルズに激ハマリしています。異郷・北アフリカの猟奇と野蛮を好んで描くグロテスクな作家、といった偏見が強いボウルズですが、彼が描く異郷の物語は、どこか普遍性を持っているよう…

ツイキャス後記 〜日本の批評はまだ生きているか〜

23日の夜、くいしんさん(@Quishin)と一緒にツイキャスを行ないました。私自身は初めてやってみたのですが、聴いてくださった方、コメントをくださった方、どうもありがとうございました。アーカイブを残してあるので、リアルタイムで聴けなかったけど興味…

「お腹いっぱい」食べたいの

今回は、私のブログのなかでたまにある「自分でも何いってるかよくわからない系」の話をします。なので、細かい定義の誤りや論理的な矛盾はどうかお手柔らかにご指摘いただけると嬉しいです。※こういう系 aniram-czech.hatenablog.com 1 すごく感覚的な話に…

noteを中心としたエッセイっぽい文章のまとめ

今年に入ってから「絶対、私やんないわ」とこれまでずっと思っていた毎日更新に期間限定でチャレンジしているのですが、「わりとイケる」と思っていたのに「【日記/10】毎日文章を書くようになって気が付いたこと|チェコ好き|note」を書いた翌日からツライ…

ユダヤ人の定義不可能性/四方田犬彦『見ることの塩』ほか

もしバスに乗るならば、なるべく後部座席に坐ること。ガラスの近くには身を置かないこと。爆弾犯人は大概、バスに乗車しようとした時点で誰何され、次の瞬間に起爆装置のボタンを押すから、前方の乗車口付近に坐っていると、死亡したり怪我をする確率が高い…

自己満足ショップ:チェコ好きせれくしょんを作った

こんなのを作りました。PCだと右の真ん中らへん、スマホだと上のほうにあります。とてもざっくりした説明で恐縮ですが探してみてください。 チェコ好きせれくしょん - 小説←リンクここカテゴリーは「小説」と「エッセイ」と「まんが・雑学」と「評論」と「映…

お正月読書:夏目漱石『行人』/いいたいこともいえないこんな世の中じゃ

あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。昨年の下半期から、夏目漱石の小説をちょくちょく読んでいました。私は実は、本を1冊だけ読んで、その1冊だけで感想文を書くというのがどうも苦手です。同じ著者の本を何冊か読…

綾と拓哉と喪黒福造と公平世界信念

2015年のブログの更新はこれが最後です。昨年もやってたのですが、今年の1月から1つずつ(自分のなかで)印象に残っているエントリを選んで、12個並べて今年を振り返る試みをやります。今年はちょっと更新が少なくて、10記事以上更新した月が1度もありません…

流謫と残留 あなたはどっち派?

私のハンドルネームは「チェコ好き」というんですが、今更ですがこのハンドルネームの由来を説明すると、大学と大学院時代にチェコ映画を研究していたことが元になっています。具体的にいうと、卒業論文はヤン・シュヴァンクマイエルという監督について、修…

SOLO連載1〜15回まとめ/〈女性〉を考えるアートと本など5選

8月後半から始まったSOLOの連載ですが、現在15回目まで公開されています。SOLOは自分が書かせてもらう以外に一読者としても楽しく読んでいて、下記の東大教授・玄田有史さんのインタビューは最近の記事のなかでも特に面白く読みました。普段私のブログを読ん…

「収入が少ないので貯金ができません」をいかにして解決するか

なぞなぞです。あなたは今、経済的な悩みを抱えています。具体的にいうと、収入が少ないせいか、なかなか貯金ができません。さて、そんなお悩みを解決したいと思ったとき、あなたが読むのは次のA~Eの5冊のうちどれですか? A 『年収200万円からの貯金生活宣…

神様は遠くにありて想うもの

初めて訪れたヨーロッパの都市は、チェコのプラハだった。パリを経由して飛行機が空港に着いたとき、時計は23時をまわっていた。空港の無愛想なおばさんからタクシーの乗り場を聞き出して、私は車の窓から、初めてヨーロッパの街並みをその目で見ることにな…

2015年、読んでよかった本ベスト5 #読み終わった本リスト Advent Calendar 2015

www.adventar.org今年読んだ本を数えてみたら、現時点で101冊でした。今月末に読み終わる本が何冊かあるので、最終的には103〜105冊くらいになるんだと思います。ちなみにこれ、昨年の同時期にまったく同じこといっていたので、読み直したらちょっと笑えまし…

いつか私もこんなものが書けたらいいな、と僭越ながら思った記事-チェコ好き#HyperlinkChallenge2015#孫まで届け

「今年、自分が読んだ中で一番面白かった記事」を発表していく、「ハイパーリンクチャレンジ2015」をやっている人がたくさん。しもつくん(id:zuboriradio)がまわしてくれたので、私も2015年に読んだなかで、一番面白かったと思う記事を考えてみました。 ※…

観光客と旅行者/『シェルタリング・スカイ』

「観光客? ”旅行者”よ」 「どう違う?」 「着いてすぐ帰ることを考えるのが”観光客”」 「”旅行者”は帰国しないこともある」 「”旅行者”は帰国しないこともある」。ポール・ボウルズの原作『シェルタリング・スカイ』を、ベルナルド・ベルトルッチが映画化し…

もっと詳しいプロフィール/お仕事依頼

このブログ「チェコ好きの日記」を書いている、チェコ好き(id:aniram-czech)です。何か個人的な連絡をいただく際は、 aniram284@gmail.com へお声がけください。現在チェコ好きが受け付けているのは、執筆・トークイベントなどのお仕事、卒業論文または修…

どこにでもいる人は、どこにもいない。

先月ですが、たまに寄稿させてもらっている「ぼくらのクローゼット」の座談会というかオフ会のようなやつがあり、他の寄稿者の方々とお話させてもらいました。私が「ぼくクロ」に寄稿したコラム ※現在は見られませんわりとクローズドな会だったのでまあ書か…

ノームコアとマツコ・デラックス

「衣服にこだわるなんて、もはやそれ自体がカッコ悪いことで、鍛え上げられた健康な肉体さえあれば、なんでもないTシャツを1枚、さらっと着ているのが最もカッコいい」。 さて、こちらは私の意見ではなく浅子佳英・宇野常寛・門脇耕三の共著『これからの「カ…

魔物をつれて帰る

勇気を一度も知らなくて、わたしは悲しい。 恐怖が去ろうとしないので、わたしは悲しい。 太陽に近く、熱からは遠く、 わたしの終末はもうそこまで来ていると思う。 ピクニックは賑やかすぎて、足を踏みだせない。 テーブルは強すぎて、わたしは縁に蹙みつい…

『パッション』とカラヴァッジョの絵画の世界、イエスの最期の12時間

10年くらい前にメル・ギブソンの『パッション』を観たんですが、最近思うところあってこの映画をもう一度観たのです。10年前といえば私はまだホヤホヤの大学生なので、聖書のこととかあんまりよくわかってなかったんですよね。まあ今だってたいした知識を持…

【カンボジア一人旅/ラスト】地雷を踏んだらサヨウナラ

というわけで、最後の旅行記です。私が遅筆なせいで時空が歪んでいますが、この旅行の期間は約1週間であり、そのうち遺跡めぐりに費やしたのは3日です。前回のエントリはこちら。aniram-czech.hatenablog.comシェムリアップでの3日目は、郊外にあるベンメリ…

欲望にひた走った中村うさぎが逆に禁欲的であるという聖書のはなし/あるいは『フラニーとズーイ』。

怪しげなカルト宗教にハマってしまったわけではなくただの趣味ですが、最近聖書に関する本をたくさん読むようにしています。今回読んで面白かったのは、クリスチャンでカルヴァン派の作家・佐藤優さんと、同じくクリスチャンでバプテスト派のエッセイスト・…

【カンボジア一人旅/9】カンボジアのごはんとマーケット

この旅行記は次回で終わる予定なのですが、最終回手前でカンボジアで食べたごはんの話をまとめてします。前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.com プノンペン編 まずプノンペンは1日しかいなかったのでほとんどごはんを食べなかったんですが、…

【カンボジア一人旅/8】満足でもなければ、不満足でもない日常生活の始まり

お前はいつまで遺跡について書くつもりなんだというかんじになっていますが、全部書かないと消化不良で(私が)気持ち悪いため、まだ続いているカンボジア旅行記です。前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.com 読売新聞プノンペン特派員が、向…

「チェコ好きさんの頭の中 〜話題のブロガーの頭の中をのぞきます〜」イベント後記

イベント後記を書くのが遅くなってしまいましたが、9/7(月)に京都のDeまちという会場をお借りして、トークイベントを行ないました。参加していただいたみなさん、対談相手となっていただいた倉津拓也(@columbus20)さん、企画・運営をしてくださったスタ…

【カンボジア一人旅/7】「マジで?」から始まる美術史/平行線上のルール

ずっと旅行記を書いていますが、これ、9月中には終わる予定です(毎年長引くので毎年断りを入れている)。アンコール・ワットとその周辺の小回りコースの遺跡を見学した、前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.com翌日のルートは大回りコース。…

【カンボジア一人旅/6】雨のなかのアンコール遺跡めぐり

カンボジア旅行記の続きです。バスに乗ってプノンペンからシェムリアップに到着した翌日、午前中はアンコール・ワットを中心に見学。前回のエントリはこちらです。 aniram-czech.hatenablog.comパブーオンという遺跡を見たあとは、すぐ隣の象のテラス、ライ…

【カンボジア一人旅/5】とりあえずアンコール・ワットには行くんだけどさ

「私は日本人が嫌いです。だけどこのホテルに日本人いなかったら私は家へ帰ります。そしてご飯は食べません」 と、ここで覚えた日本語で話すのがいます。 「きれいネ」と言うと、嬉しそうな顔をして、 「信じられないワー、信じられないワー」 他から女を拾…

渋谷直角『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』のわりと本気な感想

実は8月上旬に読み終わっていたのですが、旅行等々でバタバタしていたらすっかり感想を書くのを忘れていました。というわけで本日は『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』の感想文を書きますが、きっとネタバレするので未読の方はご注…

【カンボジア一人旅/4】トンレサップ湖に沿って、北上する

☆3.17 赤津君へ(プノンペン発) フィルム着きましたか? 同じような写真で使いものにならないと思っています。ここ、プノンペンの街は、いたる所に有刺鉄線あり、検問ありで、人びとの半数は迷彩服や軍服を着ていて、”戦争に慣れっこになった国へ来たんだな…

【カンボジア一人旅/3】ダークツーリズム/ヒア&ゼア 2

カンボジア旅行記の続きです。前回のエントリはこちら。 aniram-czech.hatenablog.comポル・ポトによる虐殺の舞台となったプノンペンのキリング・フィールドを訪れた後、トゥクトゥクに乗って中心部に戻り、トゥール・スレン博物館に向かいました。この場所…

SOLOでの連載が始まりました|「おひとりさまのゲームの規則」タイトルにこめた裏話

ウェブメディア「SOLO」で、「おひとりさまのゲームの規則」というタイトルで連載を始めました。SOLOは家入明子さんや蛭子能収さん、まんしゅうきつこさんなどなど、濃厚なライターさんの記事や話題の方のインタビューが読めるおひとりさま女性のためのメデ…

【カンボジア一人旅/2】ダークツーリズム/ヒア&ゼア 1

カンボジア旅行記の続きです。途中から読んでいただいてもまったく支障はないのですが、一応前回のエントリは以下です。aniram-czech.hatenablog.com今回からはプノンペン滞在中に訪れたキリング・フィールドとトゥール・スレン博物館について書くのですが、…

関西でのイベントのお知らせ|「チェコ好きさんの頭の中 〜話題のブロガーの頭の中をのぞきます〜」でお話しましょう

カンボジア旅行記の途中ですが、今回は関西でのイベントのお知らせです。関東じゃないです。関西です。個人的な所用のついでに、関西まで出張いたします。以下のページからか、もしくはFacebookページからお申し込みいただけるようなので、9/7(月)の夜が空…

【カンボジア一人旅/1】プノンペンの子供

私のコンプレックスは、「旅好き」を公言しているわりには東南アジアに行ったことがなくて、バックパッカー的な旅もしたことがないことでした。でも旅行者のすべてがバックパッカーじゃないんだぞ。あと私は西洋美術の勉強をしてたのでね、ヨーロッパのほう…

「所詮は言葉遊び」からの脱出方法

久々のブログ更新です。ついでにいうと、当ブログは管理人の旅行により、明日からまた1週間ほど更新がストップします。もともと更新頻度にこだわらない自由な運営をしてきましたが、最近輪をかけて自由になっております(でもお昼の11時半前後に投稿という時…

過去の呪縛から逃れられない男 『おやすみプンプン』感想文

サブカル界隈で槍玉にあげられることの多い浅野いにおという漫画家がいますが、私も昔、よく読んでいました。映画化した『ソラニン』のほか、『素晴らしい世界』とか『虹ヶ原ホログラフ』とかも持ってましたね。素晴らしい世界(1) (サンデーGXコミックス)…

『クラブカルチャー!』/「意味」から「強度」へ、音韻から音圧へ

私は昔から音楽の話をするのが苦手で、理由の1つはたぶん、歴史がわからないからです。文学史は高校の世界史とか日本史でやるし、映画史は本を数冊読めば事足りるし、美術史もどっかから出てる「西洋美術史」と「日本美術史」ってタイトルがついている2冊を…

日本の「インターネット的」はテレクラから?

先日Kindl版が出た出た宮台真司の『世紀末の作法 終ワリナキ日常ヲ生キル知恵』を読み終わりました。本書は宮台真司が主に90年代に雑誌などに書いた文章をまとめたもので、全体から90年代のかおりがムンムンするのですが、2015年の今になって読むとまるで「…

アイディアは移動距離に比例しない/ユクスキュルのダニ

今回は、いつも以上にわけのわからない話をしようと思うので、お忙しい方は回れ右をおすすめします。しかも私自身あまり理解していないので、なんか解釈を誤っている可能性があります。 ユクスキュルのダニ ユクスキュル[1864-1944]という人はエストニア生ま…

恋とは、罪悪です/悪い芝居『キスインヘル』を観た感想

6/29(月)に、悪い芝居の『キスインヘル』というお芝居を観てきましたー。 悪い芝居vol.17『キスインヘル』 - 特設ページ というわけで今回は、こちらの『キスインヘル』の感想を書いておこうかと思います。ただなんか、ものすごいズレた感想文になる予感が、…