チェコ好きの日記

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「境目」はない、という意識で生きてみる。

人は変わる。当然ながら、考え方も変わる。もちろん、1日2日でコロコロ変わっていたら問題だが、数年間単位で考え方が変わることはそう珍しいことではない。 私がここ数年間で、自分で明確に変わったと思う考えは、「境目」ってヤツはどうもないらしい……とい…

好奇心の人、不安の人

人が生きる目的とは何か。それは、自分の遺伝子を次の世代に継承することだ。 ……と言うと、主に「人間」界から異論がわきおこりそうではある。子供を産むことがすべての人にとって重要なわけではない、とか。もちろん、私自身も子供がいない独身だし、「人間…

渋谷のこと

渋谷にまつわる私のもっとも古い記憶は、高校二年生のときのもの。平日に学校をさぼって、友達と映画を観に行った。 私は神奈川県の片田舎の出身なので、渋谷までは、電車に乗って一時間くらいだった。近くもなく遠くもなく、学校をさぼって出かける距離とし…

世界を見る、とは

「学校を出たら、農業をやるんです。だからもうこんなふうに、自由に海外を旅する機会は、あまりなくなるんじゃないかと思います」 と、大学院の退院*1を前にして、とある先輩が言った。それに対して先生*2は、「自由に海外を旅する機会がない? そんなこと…

Twitterのフォロワー数で抜かれたくない人

少し前、大学院時代の恩師がTwitterを始めたのを発見してしまい、ひそかに戦慄した。 フォローせずにそっと見守ろうかとも思ったが、それも卑怯な気がするし、私も私でこれで一応、毎日を精一杯に頑張っているのだ。何も恥ずかしいことなどない。それに、「…

1分間のために100万円

先日、初めて(初めて!)能の舞台を観に行ってきた。予約するときに、GINZA SIXの地下に能楽堂があることを初めて知りました。演目は『花筐』と『鉄輪』。前者は、お慕いしていた継体天皇が上洛するっていうんで別れなきゃいけなくなった照日ノ前が、悲しく…

30歳を過ぎたら

旧石器時代があり、新石器時代があり、青銅器時代があり、そして長い年月のあとにカットグラス時代がやってきた。 目に入った瞬間に惚れてしまう文章というのがある。上の文章はスコット・フィッツジェラルドの『カットグラスの鉢』という短編小説の冒頭だけ…

コミュニティに執着しない

これはちょっとした思考実験だ。少し考えてみてほしいのだけど、たとえばあなたが、明日から「日本」について研究しなければならないという職務を負ったとする。ただし場所はどこでもよろしい、費用は使い放題だ、という条件つきである(いいなそれ)。そう…

人を呪ったっていいじゃない

トルコの民間信仰で、「ナザールボンジュウ」という青い目玉のお守りがある。「トルコの」といったものの、私はこれを、ギリシャでも見たしイスラエルでも見たしヨルダンでも見たしモロッコでも見た。ちょっとうろ覚えだけど、確かスペインにもあった気がす…

運動しても筋トレしても健康になるとは限らない

体を動かすことを習慣として行なうようになって気が付いたことは、「体は頭よりも理解が遅い」ということだ。 お粗末すぎるので、「そんなんやらんでもわかるわな!」と一部の人には思われてしまうかもしれない。しかし、「何でこんな簡単なことできないの?…

天皇にパチンコ玉、奥崎謙三を追う『ゆきゆきて、神軍』

先日、渋谷アップリンクにて原一男監督の『ゆきゆきて、神軍』を鑑賞してきたので感想文を書く。実は初見だったのだけど、脳が沸騰するくらい面白かった。上映後には原監督と映画史研究家の春日太一さんのトークショーがあり、そこで原監督が「これ、30年前…

想像力の向こう側

めちゃめちゃ暗い話なんだけども、数年前、あるブログを夢中で読んでいた。具体名は伏せるが、ブログ主の彼は、自殺を決意していた。勤めていたエロゲーの会社を退職し、あとは働かずに貯金で生活、お金が尽きたところで死ぬという。ブログには、死をむかえ…

恋人の写真は、遺したい派ですか?@センチメンタルな旅

先日に引き続きまたアラーキーの写真展。東京都写真美術館にて9月24日まで。こちらの「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」は、アラーキーの妻である陽子さんに焦点を当てた展示らしい。 〈センチメンタルな旅〉1971年 より 東京都写真美術館蔵 恋人…

おれのかんがえたさいきょうのワーク&ライフ

ネットや雑誌でたまに見かける情報商材みたいなやつの広告は、眺めてみるとけっこう面白い。わりと適切に、世相を反映している気がする。一昔前、それは札束風呂に美女と入浴しているおっさんであった。あれは情報商材というよりパワーストーン系だった気も…

こんな夢は二度と見たくない

人の夢の話ほど面白くないものはないという自覚はあるので、そういう場合は回れ右をしてもらえればいいのだが、以下は私が見た夢の話である。先日、朝7時頃目が覚めると、天気が悪かったせいか、頭痛がひどかった。幸いその日は夜まで予定がなく、やらなけれ…

スマホからSNSアプリを消して4ヶ月

いつだったか、インターネットで「自分はTwitterのフォロワーが5000人に満たない人には新規で会わない」と公言しているらしい人を見かけたことがある(記述が曖昧なのはうろ覚えだからです、すいません)。これは、いろいろと突っ込みどころがある意見ではあ…

『夫のちんぽが入らない』ことはけっこうよくある

話題になってからだいぶ遅れてではあるけれど、こだまさんの『夫のちんぽが入らない』を読んだ。今回はその感想である。夫のちんぽが入らない作者: こだま出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2017/01/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (21件) を見る 「…

憧れのあの人に近づくために何をするか

ブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』は、映画史上で唯一、五大大陸のすべてでヒットした作品なのだそうだ。イスラム教圏の人も、キリスト教圏の人も、仏教圏の人も、みんなブルース・リーが大好き。理由はもちろん、映画の中で「アチョー!」という意味…

東京墓情

7月23日まで、銀座のシャネル・ネクサスホールにて荒木経惟の個展「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」が開催されている。私は学生時代、アラーキーの写真集を図書館でよく眺めていたけれど、そういえば個展に行ったことはなかった。「東京墓情」は、大病を…

2017年上半期に読んで面白かった本ベスト10

2017年上半期が終了したので、今年の1月から6月にかけて、私が読んだ本の中で面白かったものを10冊まとめておきます。この時期恒例のやつです。長いので注意!ちなみに2016年編はこちらです。 aniram-czech.hatenablog.com 10位 『悲しき熱帯〈1〉〈2〉』レ…

自身には冷酷に、そして他者には寛容に:『中動態の世界』

「自分の頭で考える」「自分の幸せの定義は自分で決める」なーんて言葉をよく耳にするようになって早数年、当初はそれなりに目新しかったこれらの言葉も今じゃすっかり手垢がついたように感じられ、むしろ陳腐にすら聞こえる。それは私自身が、自分の1つ1つ…

旅行に飽きたので、演劇とかやりたい。

ブライアン・クランストンという役者がいる。アメリカのテレビドラマ『ブレイキング・バッド』の主演俳優で、がんを患い余命2年を宣告された化学教師を演じている人だ。死ぬ前に家族に財産を残そうと、この人は覚せい剤の製造密売に手を染めていく。Breaking…

「メンタルが強い」とはどういうことか

昔、知人に聞いた話だけど、彼が中学生くらいの頃、学校で「失神ゲーム」なるものが流行したことがあるらしい。何回か深く深呼吸したあと、息を止めて胸を圧迫するような体勢をとり、その背中を友達が思いっきり叩く。すると、気絶したような状態になるので…

格闘日記② 〜短足はつらいよ編〜

「せんせー、テストを担当するせんせーは、だれに、なる、ますか?」 私の横で、上手とカタコトの中間くらいの日本語でトレーナーに質問しているのは、フランス人のシルヴィである。「あー、担当トレーナーは当日まで教えられない規則なんですよ。申し訳ない…

なぜ私はあの人が好きなのかしら

先日、山本英夫さんの『ホムンクルス』というマンガを全巻ほぼ一気読みした。それで、そのまま同じく山本さんの『のぞき屋』『新のぞき屋』も全巻ほぼ一気読みした。ちなみに、『のぞき屋』『新のぞき屋』はKindleUnlimitedで読めるよ。マンガ読むのってお金…

浮いた氷山の水面下には何がある?:『発酵文化人類学』を読む

知人に、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんという方がいる。最初にお目にかかったのは確か「灯台もと暮らし」さんのイベントだったと思うのだけど、イベント後にブログを読んだらレヴィ=ストロースのことがいっぱい書いてあって(しかもそれがすごく面白い)…

『鬱屈精神科医、占いにすがる』を読む

生きることが苦しいと感じたとき、人は何に救いを求めるだろうか。ある人は宗教かもしれないし、ある人は哲学や文学かもしれない。ある人は心療内科に行くかもしれないし、またある人は占い師にすがるかもしれない……。『鬱屈精神科医、占いにすがる』という…

星に願いを託すより

Twitterのほうを見てくれている人は知っているかもしれないけれど、現在noteの有料月額マガジン「もとくらの深夜枠」にて、【クレイジーJAPAN】という連載をやらせてもらっている。テーマは「文化人類学」*1なのだけど、映画『君の名は。』の話をしてみたり…

「できる」と「できない」の間の話

Twitterで教えてくれた人がいたので、高橋秀実さんのエッセイ『はい、泳げません』を読んでみた。著者の秀実さんはカナヅチで、水が怖くてまったく泳げないのだけど、そんな秀実さんが中年になって一念発起し、スイミングスクールに通い出すというエッセイで…

タラレバ娘、抗えない老い、後悔、そして『騎士団長殺し』

村上春樹の最新長編小説『騎士団長殺し』の感想を書く。物語の核心に触れないよう細心の注意を払うけど(つまり、まだ読んでない人が目にしても大丈夫なように書くけど)、とはいえ「何も知らない状態で『騎士団長殺し』を読みたいんだッ!」という人にはこ…