チェコ好きの日記

もしかしたら木曜日の22時に更新されるかもしれないブログ

読書

2021年上半期に読んで面白かった本ベスト10

すごく遅くなりましたが恒例のやつです。今年の上半期に私が読んだ本の中で、面白かった本10冊のまとめ。まじで、だいぶ遅くなってしまった……「今年の上半期に出た本」ではなく、あくまで「私が読んだ本」の中で順位を決めています。ちなみに2020年末のやつ…

流水りんこさんのマンガを(ほぼ)全作読んだので推しの5作品を決める

相変わらず旅行に行けない日々である。いや、旅行に行けないのは百歩譲って我慢するけど、最近の私のいちばんの落ち込みはセルゲイ・ポルーニンの公演チケットとっていたのに中止になったこと。セルゲイくんの生跳躍見たかったな〜。まだコロナとどう付き合…

2020年に読んで面白かった本ベスト10

年末恒例のやつです。今年私が読んだ本の中で、面白かった本10冊のまとめ。「今年出た本」ではなく、あくまで「私が今年読んだ本」の中で順位を決めています。ちなみに上半期のまとめはこちら。aniram-czech.hatenablog.com 10位 『贅沢貧乏のマリア』群よう…

AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.41〜50)おすすめ優先度付き

今回もまたAMの連載で紹介した記事がまた溜まってきたので、ここでまとめておきます。過去分は以下。aniram-czech.hatenablog.com 第41回 動物とのセックスは「異常」だろうか――「私」にとっての対等、合意の意味について 聖なるズー (集英社学芸単行本)作者…

2020年上半期に読んで面白かった本ベスト10

恒例のやつです。今年の1月から6月末までに私が読んだ本の中で、面白かった本10冊のまとめ。おそらく今年の夏は、海外はもちろん、国内でも旅行の計画はなかなか立てにくいと思うので、少しでも読んでくれる人のおうち時間の足しになれば幸いです。 2019年末…

AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.31〜40)おすすめ優先度付き

AMの連載で紹介した記事がまた溜まってきたので、ここでまとめておきます。過去分は以下。aniram-czech.hatenablog.com 第31回 SNSの「幸せそう」な雰囲気ではなく、自分の内側にある感覚を大切にする 静かに、ねぇ、静かに作者:本谷 有希子発売日: 2018/08/…

2019年に読んで、面白かった本ベスト10

毎年、年末になるとまとめている恒例のやつ「2019年に読んで、面白かった本ベスト10」です。今年は上半期編のまとめを書き忘れているな!? 下は昨年のやつです。なお、「2019年に発売された本」ではなく「2019年に私が読んだ本」から選んでいるので、当然な…

「あの頃は本当に楽しかった」と語るパタゴニア原住民のこと(前編)

前回、ブエノスアイレスのキリスト教テーマパーク「ティエラ・サンタ」について書いた。今回は南へ下り、アルゼンチン・チリのパタゴニアという地方について。なお南半球なので、当然ながら南下するほど気温は下がっていく。 私たちの祖先は、約10万年前にア…

AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.11〜20)おすすめ優先度付き

AMでやっている連載がたまってきたので、紹介した本のまとめ。第1回から10回までは前に書いたので、今回は11〜20回分の連載をまとめます。 aniram-czech.hatenablog.com ところで、私がAMで取り上げている本は、そのほとんどが「新規で読んだ本」です。昔か…

私小説とSNSで「どこまで」書くか

年末年始に『死の棘』を読んでいたのだけど、どちらかというとこの私小説の登場人物である島尾ミホに焦点を当てた『狂うひと』のほうが読みたかった。『死の棘』は『狂うひと』を読むにあたっての、いってみれば前座である。(ただ前座といっても600ページ以…

2019年の「におい」について。あるいは、ボルヘス『伝奇集』

2019年に読んだ最初の本は、J.L.ボルヘスの『伝奇集』だった。南米の文学といったら私の中ではガルシア=マルケスかマリオ・バルガス・リョサだけど、実は他はそんなに読んだことがない。「シュルレアリスムより〈ヤバイ〉のがマジックリアリズムである」と…

2018年に読んで、面白かった本ベスト10

毎年恒例のアレ。なお、年間のまとめなので一部、2018年上半期編と重複しております。 aniram-czech.hatenablog.com 2017年編はこちら。 aniram-czech.hatenablog.com 10位『水木しげるのラバウル戦記』水木しげる 水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)作…

【感想】『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』

これは前々から思っていたことだけど、実は「カルチャーショック」よりも、「逆カルチャーショック」のほうが、3倍くらいショッキングだったりしませんか? 自分が他の文化圏を旅して異なる文化に触れたそのときよりも、異なる文化に数週間浸かってみて自国…

ハズレのくじを引く

僕がまだ年若く、心に傷を負いやすかったころ、父親がひとつ忠告を与えてくれた。その言葉について僕は、ことあるごとに考えをめぐらせてきた。「誰かのことを批判したくなったときは、こう考えるようにするんだよ」と父は言った。「世間のすべての人が、お…

ジョン・レノンを殺した男

日々生活を送ったり、いろいろな映画や文学作品に触れていると、「あ、私、まあまあ頭やばいな」と思う瞬間がある。この文脈における「やばい」にはポジティブな意味は1ミリも含まれていなくて、ネガティブ100%の、「法に触れる罪を犯しちゃいそう」という意…

AMの連載でとり上げた本のまとめ(No.1〜10)おすすめ優先度付き!

SOLOの連載がAMに移行してしばらく経つのだけど、月2回くらいのペースで定期的に更新している。こちらの連載、私が好き放題なんか言ってることのほうが多いのだけど、体裁は一応「ブックガイド」だ。なので、今回はそんな連載先で紹介した本を、第1回〜10回…

村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』全作品レビュー

短編小説集『回転木馬のデッド・ヒート』は、私が(たぶん)人生で2冊目に手に取った村上春樹の本である。ちなみに最初に手に取ったのは『パン屋再襲撃』。時は(たぶん)2002年、私は高校1年生である。 内容はほとんど忘れていたんだけど、今回実に16年ぶり…

忙しいとき暇なとき

去年の今頃、記憶にある限りではずーっと全然なんにも予定がなくて、けっこう暇していた気がするんだけど、今年は良くも悪くも予定がたくさんあって最近ちょっと疲れている。暇なときは暇なときで「私このままで大丈夫か?」という気になってくるし、暇じゃ…

美容鍼を打ちに行ったが効果はあまり感じられなかった

直近1週間の日記です……が、掲題の日の日記が長くなってしまったので、3日分だけ。 2018.9.15 借りた本が面白い 人から借りたんですが、この手の本って説明的になりがちなのに、これはしょーもないゴシップが多くて珍しく笑いながら読めた。「医者を信じずに…

世界のルールを知らないままで/最近読んだ宗教に関するコミックエッセイのまとめ

最近というかここ半年くらいで、宗教に関するコミックエッセイを何冊か読んだのがたまったので現時点でのまとめ。この手のエッセイはまだまだあると思うのでまだまだ読むと思う。 今回扱うものは「宗教二世」の方のものばかりのだけど、手記ではなくコミック…

わたしは痴呆老人になってもべつに平気

なんとなくだけど、おそらく多くの人が痴呆──いわゆる「ボケる」ことを嫌がっていて、だからこそ一時期「脳トレ」とかが流行ったのだろう。なぜ「ボケる」ことに恐れおののいているのかというと、家族や他人に迷惑がかかるのが嫌なんだろう。 だけど最近の私…

2018年上半期に読んで面白かった本ベスト10

恒例のやつです。今年の1月から6月末までに私が読んだ本の中で、面白かった本10冊のまとめ。SF小説が増えました。 10位 『旅のモザイク』澁澤龍彦 旅のモザイク―渋澤龍彦コレクション 河出文庫作者: 渋澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2002/03メ…

思い出を愛しているの?

1. 「誰」を愛しているの? 数年前、恋人と一緒に見たとあるテレビ番組のことを、よく覚えている。 番組の特集は「認知症」で、画面に映っていた高齢のご夫婦は、旦那さんのほうがほぼ寝たきりで、おまけに認知症を患っていた。奥さんは、その介護をしている…

STUDIO VOICE vol.412 で「旅にかんするノンフィクション」を紹介しました

掲題のとおりなんですが、「STUDIO VOICE vol.412」にちょっとだけ登場しています。 vol.412のテーマは、「Documentary / Non-Fiction 見ようとすれば、見えるのか?」。ドキュメンタリー映画とかインタビュー記事とかノンフィクションとかの特集なのですが…

最低な食事と、最高な食事

先日、こんなツイートをした。私、よくごはんを食べ忘れるのです。 ナチュラルに食事を忘れる人間なので、22時くらいにふと心細くなって、原因を考えてみたところ「今日1日何も食べてないからか…!」ってやっと気付くことが多い。たまに「ごはん食べるのって…

【読者寄稿】2年かけて西欧を旅してきたので、役に立った持ち物とか紹介する。

2年かけて、西欧を旅してきた。出発当時の僕は20歳で、今は22歳になっている。今回は寄稿という形でこの場を借りて、僕が2年かけて旅をしてきた中で、持ってきてよかった! と思ったモノを7つと、あと記憶に残っている旅のエピソードなんかも、いくつか紹介…

【感想】『サピエンス全史』×『銃・病原菌・鉄』

1月上旬に『銃・病原菌・鉄(上・下)』を再読して、その上で勢いあまって『サピエンス全史(上・下)』も読み、これらが超〜〜面白かったので以下、要約と私なりの感想を書きます。『サピエンス全史』を中心に、合間に少し『銃・病原菌・鉄』の話をしていま…

何をしたら癒されるのか、についての仮説

「麻薬」「幻覚」「変性意識状態」みたいな単語を目にすると、知らず知らずのうちに顔がニッコニコになっているので、んもう私って本当にそういうのが好きなんだな、と思う(違法なことはしておりません)。現実逃避がしたいのだろうか。 それはいいとして、…

どうしても「待てない」人たちへ

本の受け売りなのだけど、人間を精神的に追い詰める状況は、以下の2パターンのどちらかに分別できるらしい。 ①トラブルがいくつも重なる。まさに「弱り目に祟り目」といった事態。 ②どうにも動きようがなく、じっと待つしかない状況。そのもどかしさと不安。…

「語られて」しまうもの、あるいは編集された人生

インタビュー記事、取材記事、といった類のものがある。数は多くないけれど、私自身も、インタビュー「する」側「される」側、ともに関わったことがある。これらの機会をあたえてくれた人たちに、感謝している。 これらの記事には、大きく分けて二種類あると…